5月18日、韓国チェジュのハルラ体育館で「ROAD FC53」が開催された。
メインイベントでは、ROAD FCライト級タイトルマッチとして、ライト級100万ドル・トーナメント優勝のマンスルール・ベルナウイ(フランス)が、ROAD FCライト級王者クォン・アソルに挑戦した。
母国フランスで人気の日本のアニメに由来する“アフロサムライ”のニックネームを持つベルナウイは、下石康太戦を含むトーナメント全試合をフィニッシュして勝ち上がり、100万ドルトーナメント優勝賞金のうち20万ドルを獲得。この試合でアソルに勝利すれば、残りの80万ドルも得て計100万ドル(約1億1千万円)を、そしてライト級のベルトを手にすることができる。
「ROAD TO A-SOL」として挑戦者を待ち構えていたライト級王者のアソルは、2016年12月の佐々木信治戦での1R TKO勝ち以来、2年半ぶりの試合。膨らんでいた身体に大幅な減量を敢行して王座戦に臨んだ。
▼Road FCライト級選手権試合 5分3R○マンスール・ベルナウイ(フランス)[1R 3分44秒 リアネイキドチョーク]×クォン・アソル(韓国)
試合は、オーソドックス構えのアソルが、サウスポー構えのベルナウイにゴングと同時に右で飛び込むが、そこにベルナウイも右を合わせる激突からスタート。
そのまま左で差して金網にベルナウイを押し込むアソル。さらに右も差して大内刈りでテイクダウンを狙うが、177cmと長身のベルナウイはケージを背にして耐えて突き放すと、その離れ際にアソルはワンツーを突いて、再び金網に押し込むと右フック。ダッキングしてかわしたベルナウイは、押し返して右ヒザ!
逆にベルナウイが左で差して金網に押し込む。場内から大きなアソルコールが沸き起こるなか、押し込んで肩パンチの連打はベルナウイ。それを嫌ったかアソルは押し返して金網から離れるとリーチのあるベルナウイは左でアソルの後ろ首を掴んで固定するとクリンチボクシング! 右フックを10連打する。
何とかクリンチを外して下がるアソルにさらに左ストレートはベルナウイ! 思わず組みに行ったアソルを今度は両手で首相撲にとらえると右ヒザを2度突き上げる。その離れ際に左を連打するベルナウイは攻撃が流れるように止まらない。
さらにワンツーから左をヒットさせるとアソルがダウン! パウンドで殴りかかるベルナウイの左腕をオーバーフックしてハーフガードを取るアソルは、もう一方の足を戻してクローズドガードの中にベルナウイを入れるが、中腰になって金網際まで押し込むベルナウイは、右のパウンド2発から左のパンチを連続で落とす。
たまらず下から蹴り上げて立ち上がろうとしたアソル。それををがぶるベルナウイはバックを狙う。正対したアソルにマウントを奪うベルナウイは、さらにリバーサルを狙うアソルをヒップスローで潰してマウントへ!
パウンド4連打に後ろを向いて亀の状態になったアソル。ベルナウイは両足を4の字で胴にクラッチし、さらに背後から左右のパンチ。後方に引き込んでアソルを仰向けに寝かせると右手でアソルの右腕を下に下げて右足で外から縛ろうとするが、察知したアソルは右手を抜く。
その際で左腕を喉下に巻いたベルナウイは空いた右腕で背後からパンチを連打! アソルは喉下の左腕を両手で上に上げて逃れるが、今度はその動きに合わせて腰をずらしたベルナウイは右腕を喉下に!
左腕は頭後ろに巻かず、右腕を引っ張りパームトゥパームで絞め上げるベルナウイ。身体もねじる形でリアネイキドチョークで絞めると、レフェリーに極まっていることを確認するように視線を移す、と同時にアソルがベルナウイの右ヒザを2度タップした。
危なげなくアソルを下し、優勝賞金の残り80万ドルと、ROAD FCライト級王座を手にしたベルナウイは、母国フランスのチーム・マグナム勢とハグ。右目を腫らしたアソルはマット上に座り込んで頭を振った。
長期にわたるトーナメントで2年半のブランクとなったアソル。対するベルナウイは2016年12月のKSW37から今回のROAD FCまで7連勝、すべてをフィニッシュしており、26歳の新王者の次戦が注目される。