激化するフェザー級戦線
クレベルはこのまま斎藤裕、朝倉未来と対戦することなくRIZINの舞台から姿を消すのか、とファンの間では心配する声が挙がっていたが、今回の声明により、クレベル本人は、怪我を完治させてRIZINに継続参戦したい意向であることが明らかとなった。
10月の横浜大会で斎藤は、RIZINフェザー級王座初防衛戦として、DEEP同級王者の牛久絢太郎(K-Clann)と対戦することが決定。
大晦日には、フェザー級のベルト獲得と、斎藤とクレベルへのリヴェンジを目指す朝倉未来が、勝者との対戦に名乗りを挙げている。クレベルに一本負けした朝倉は10月2日の『LANDMARK』で萩原京平戦に判定勝ちしているが、この勝利を持ってコンテンダーの資格を得たことになるのか。大晦日をシーズンピークとするRIZINは、今回の声明を受け、どんな判断をくだすか。
RIZINフェザー級戦線はタレントが揃いつつある。
王者・斎藤裕を筆頭に、クレベル・コイケ、朝倉未来、ヴガール・ケラモフ、堀江圭功らが存在感を示しており、国内王者では、DEEP王者の牛久絢太郎が10月の横浜大会に初参戦し、斎藤に挑戦。PANCRASE王者のISAOもRIZINではまだ試合を行っていない強豪だ。
さらに、10月の横浜大会では、金原正徳が復帰戦で芦田崇宏と実力者対決、中村大介と新居すぐるのアームロック対決、白川陸斗と山本琢也のDEEPvs.GRACHAN対決が組まれており、斎藤、朝倉と激闘を繰り広げた摩嶋一整、弥益ドミネーター聡志も控えている。ニューカマーでは、『LANDMARK』で鮮烈MMAデビューを果たした鈴木博昭も注目だ。
そして世界では、北米を中心とするランキングで、50位以内に入るのは、ポーランドKSWで現UFCファイターのマテウス・ガムロとベルトを争った経験があるクレベル・コイケが唯一、日本を主戦場とするファイターとしてランクインしている。
そのほか、100位以内に入っているのは同じく北米のUFCファイターと対戦している斎藤とISAOがランクインしているのみ。RIZINがベルトの価値を高めるためには、クレベルの存在は欠かせないだろう。あるいは、Bellatorとの協力関係のなかで、来日規制が緩和されつつある海外強豪選手を招聘していくことになるのか。
なお、クレベルと同じボンサイ柔術のRIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザに関して、榊原CEOは「契約があります。6月が終わった後に大晦日まで時間を取りたいと。これは僕らも理解しているんですよ。サトシとはこれからもチャンピオンとして、大晦日にも。本当はもう1試合くらいして欲しいなとの思いではいたけれど、いいんじゃないか」と語り、次戦は大晦日になるとしている。