ボクシング
レポート

『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」詳報、元WBA世界王者テーパリット、インターハイ出場選手に1000万円渡さず

2019/05/19 03:05
『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」詳報、元WBA世界王者テーパリット、インターハイ出場選手に1000万円渡さず

得意の左ストレート“ライトニング・レフト”を叩き込む那須川。危なげなく2分3R×2試合をクリアーした

2019年5月18日(土)都内にてインターネットテレビ局AbemaTVの番組企画『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」が行われ、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)がボクシングルール2分3Rで挑戦者2名を退けた。


 1人目の挑戦者は、元WBA世界スーパーフライ級王者テーパリット。ムエタイで200戦以上を経験し、160勝を収めてボクシングに転向。2011年に世界初挑戦でWBA世界スーパーフライ級暫定王座に就いた。同年12月には亀田大毅の挑戦を受け、判定勝ちで初防衛に成功。2012年4月には正規王者の清水智信にTKO勝ちして王座統一。同年9月には名城信男の挑戦も退けた。同年12月、河野公平に敗れて王座を失い、現在は大阪に住んでおり、キックボクシングの試合に出場している30歳。

 5月1日に行われた挑戦者決定トーナメントでは「ボクシング経験者トーナメント」に出場。1回戦で優勝した藤崎と対戦し、判定2-1で敗れたが、元から那須川との対戦を望む声も多く、「敗者復活投票」で今回敗者復活となった。


 1R、テーパリットが飛び込むような右ストレートで先制。サウスポーの那須川はかわして左を打ち返し、テーパリットの突進を回り込んでかわす。ロープを背負った那須川だが、テーパリットの右をかわすとすかさず左のカウンターを当てる。その後も左のカウンターを当てていく那須川。終盤はテーパリットのボディ連打に那須川も連打で応えた。

 2Rも前に出ていくテーパリットに那須川は回り込んでかわしながら右フックを打つ。テーパリットの右フックには左フックを打ち返す。そして左ボディも。

 3R、那須川は前に出てくるテーパリットにパンチを合わせていく。左ボディストレート、左フック、そして左ストレートのカウンターと那須川が当てさせずに打つを実践。那須川の連打にテーパリットも打ち合いに行き、那須川はボディを狙い撃ち。

 3Rを終えた那須川は手応えがあったのか、笑顔を見せた。KOではなかったため勝敗はつかず、那須川が1000万円をまずはテーパリットから守った。


「初めてこういう舞台でボクシングをやって、やりづらかったです。大きいパンチが見えづらくて、2Rから距離がつかめてきて見えたので自分の中でいいトレーニングになりました。3Rは倒しに行ったんですが、丸くなってガードしていたので倒せなかったので次は修正してもっとがっつり行きたいと思います。こういう経験はなかなかできるものではないので、いい経験ができました」と、満足そうな那須川。

 2人目の挑戦者との戦いに向けて「問題ないです。逆に固さが取れたので次はもっと動けるかなと。あまり足が動かなかったので次は修正してすぐに帰ってきます。次はしっかりKOできるように狙っていこうと思います」と話した。


 テーパリット戦から約1時間のインターバルで第2戦。2人目の挑戦者・藤崎美樹は2006・2007年インターハイ出場経験があり、同志社大学ボクシング部時代には関西学生リーグMVP、2011年全日本選手権に出場。ボクシング歴14年で、現在はボクシングジムを経営している29歳。挑戦者決定トーナメント1回戦ではテーパリットを破り、決勝では元・日本バンタム級1位の村井勇希に勝って那須川への挑戦権を手にした。


 1R、藤崎の右ストレートをもらった那須川は一気に前へ出て連打をまとめる。藤崎がクリンチすると那須川は投げるようにした。立ち上がると那須川が左ボディブロー、さらに左右フックで襲い掛かる。藤崎は前へ出てジャブと右ストレート。


 2R、那須川の右に大きく後方へバランスを崩した藤崎に、那須川が飛び込んでの左フック。藤崎が組み付くとまたも那須川は投げ捨てるようにする。藤崎の右フックをもらった那須川は頭を左右に振り、そこから攻勢を仕掛ける。左ストレートをクリーンヒットさせ、直後に突き飛ばす。圧力をかける那須川に藤崎の右フックがヒットすると、那須川はすぐに連打を仕掛けて帳消しに。


 3R、前に出るのは那須川。左ボディから左ストレートをヒットさせると、肩の上にもたれかかるような形になった藤崎を肩の上に乗せて軽々と持ち上げて落とす。疲れが見える藤崎に、那須川はパンチをかわしながらパンチをまとめる。そして終了。KO決着ではなかったため、那須川が1000万円を守り切った。


「1試合目より2試合目のほうがいい動きができたかなと思う。藤崎選手は気持ちが強くて最後まで喰らいついてきたので、最後はちょっと本気を出してしまいました。よけて当てようと思っていたんですが、藤崎選手もよけるのが上手かったので。2Rに大きいパンチがあって危ないなと思ったんですが、首でいなして打ったりと技術は見せられたと思います」と対戦を振り返る那須川。


 企画を振り返り、「楽しかったですね。最初はいろいろなことを言われましたが、いい結果に終わったので終わりよければ全てよしというか。やりきった感じはあります。いろいろな方面から自分を知ってもらうのが大事なことなので、そのきっかけになったので盛り上がってよかったと思います。相手があっての企画なので自分に向かってきてくれた方、本当嬉しかったです。ありがとうございます。またこういう企画があったら皆さんもみたいですよね」と、やり終えた満足感からか終始笑顔でインタビューに答えた。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア