シュートボクシング、ONEキックボクシングを経て今大会でMMAデビューを果たす“怪物くん”こと鈴木博昭(C)RIZIN FF
2021年10月2日(土)に開催されるRIZINの新シリーズ『RIZIN LANDMARK vol.1』で、プロレスラーの奥田啓介(フリー/DRAGONGATE)と対戦する鈴木博昭(BELLWOODGYM)が9月30日(木)オンライン個別インタビューに答えた。
試合を2日後に控えた心境を聞かれると「元々MMAはずっとやりたかったので、そのための舞台に来れて心から嬉しいですね」とし、「フィニッシュすることだけは変わりないですね。とにかくフィニッシュします」と、判定ではなくフィニッシュして試合を終わらせると意気込んだ。
周囲からは「ついにRIZINに出てくれるんだね、という言葉をよく言われましたね。今まで海外でずっと試合をしていて、日本でも見たいよって言ってくださる方がけっこう多かったので。それもあってみんなの声に乗れたかなと思っています」と反響は大きい。
(写真)SB日本スーパーライト級王座のベルトを巻いた
鈴木はシュートボクシングを始める前からMMAをやりたかったと言っており、「柔術はキックボクシングと一緒で21歳くらいからやっています。もちろん打撃の方が長く、本腰を入れてやっていますけれど。MMAの練習を本格的に始めたのは今年からですね。元々シュートボクシングをやっている時から、もっと一本を獲ろうと思えば…っていうのはあったんですけれど、打撃で倒さないとねっていう自分の中で欲をかいていた部分があったので。あまり欲をかかずにっていうわけではないけれど、何でも決めていいのだったらその時にひらめいたものを何でも決めてやるよって感じです。それが寝技になるか打撃になるかは分からないですけれど」と、打撃でも極め技でも試合を終わらすことができるとする。
(写真)SBではあのヨアキム・ハンセン(左)とも対戦した
シュートボクシング時代はボクシンググローブで立ち関節技や絞め技をしていたため、「オープンフィンガーは全然極めやすいですね。別にボクシンググローブでも極められるっていうのがあったから、OFGだったらもっと極められるよっていうのがあります」と、極め技にも自信を見せた。
練習は「基本的には自分のジムで練習しつつ、組みはボンサイ柔術に練習に行っています。ボンサイでは会員さんとも、クレベル(・コイケ)ともサトシ(・ソウザ)とも関根(シュレック秀樹)さんとも(スパーリングを)やっています。正直、彼らとは勝負にならないですけれど、普通に僕は極めも持っているし、あのレベルに近づこうと毎日やっています。だから組みの脳みそを頭の中に組みこんでいる最中ですね」と、ボンサイ柔術で積んできた。
「打撃を僕らがサポートしていて、その代わりに組みや寝技をサポートしてもらっている。お互いがクロスしている感じがしますね。凄いサポートしてくれるし、クレベルに関してはクラスをやる前に、今は足があまりよくはないんですが、『言いたいことがあるから人がいない時に来てくれ』と言われたりします。2人からは『ようやくやるんだね、君はMMAの方が合っているんじゃないの』ってずっと言われているので、それは戦いで証明したいですね」と、クレベルやサトシとのいい関係を築けていると話した。
(写真)奥田(左)とは9・19のリング上で乱闘寸前のいがみ合い
対戦する奥田に関しては「黒いですね(笑)」とだけ印象を話し、奥田が鈴木のことを“キン消し”に似ていると言ったことを聞くと「それは嫌いじゃないのでいいです(笑)」と気にしなかったが、垂直落下式のブレーンバスターをやってやるとの発言には「やってみろ、コラッ! って感じです。逆にライガーボムをやってやろうかっていうくらいの気持ちですね」と、やれるもんならやってみろと答える。
71kgという契約体重に関しては「最初に聞いた時は『俺、フェザー級だぜ?』って思ったのはあったんですけれども、ONEの時にこちらの事情で試合を断ったこともあったんですが、試合というのはこちらの事情で断るものではないなっていうのがあったので。契約体重諸々含めて、オファーがきたら全部受け入れようと思っていたので、そのまま受けた状態ですね」と、オファーは断らないとの主義から受けたという。
(写真)RIZINにも出場したリオン武(左)とSBで対戦してKO勝ちしている
パワー差は気にならないかとの質問には「あったらあったで別にいいよって感じですね。パワーだけで勝負が決まるわけではないので。元々、僕はパワーファイターというか技巧派だと自分では思っているので」と、技や戦略で対抗するとした。
レスリングでの実績も持っている奥田に対して、組まれた時の対策も「やっています。ガンガンやっています。もちろん(階級が上の)サトシとも組んでいますね」と出来ていると言い、「普通にやっていたらフィニッシュまでの絵は自分の中で見えているので、どんな方向性からかはその時になってみないと分かりませんが、終わらせることには変わらないって感じです」と、フィニッシュの道筋はいくつか出来ていると話す。
最近になって、RISEの“ブラックパンサー”ベイノアや、KNOCK OUTの鈴木千裕、そして元K-1の久保優太など立ち技からMMAに転向する選手が目立っているが、いずれも敗れている。そのことについて聞かれた鈴木は「自分は元々柔術をやっていたのと、グラウンドの練習もたまにやっていてMMAをやるための脳みそを元々作っていたので、今は本格的にやり始めたって感じですね。ずっと打撃だけやっていて、総合に出るために柔術をやり始めましたって感じではないです。立ち技のストライカーたちが負けているなとは思いますけれど、ずっと立ち技をやっていた転向組と、元々MMAをやろうとしていて寝技の頭もある人間が出るのとでは一緒にはしていないので。RIZINルールだったらもうちょっといろいろできるでしょ、と思いながら見ていたので現場で戦って試したいですよね。“ニュー怪物くん”を見せたいかなと思います」と、自分とは違いがあると語った。
そして、今後はフェザー級で活躍したいかと問われると「そのためにここへ来たので、フェザー級でガンガンのし上がって行きますよ」と言い放った。