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インタビュー

【BOM】スアキムに挑む翔・センチャイジム「期待していてください。あっと驚かせますよ」

2019/05/16 16:05
【BOM】スアキムに挑む翔・センチャイジム「期待していてください。あっと驚かせますよ」

7月のRISEで那須川天心との再戦が決まっているスアキムに挑む翔

2019年6月1日(土)神奈川・横浜文化体育館で開催されるムエタイのビッグマッチ『BOM SEASON II vol.2-The Battle Of Muaythai』。

 今大会でルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ)と対戦するのは、INNOVATION&WMC日本ライト級王者の翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム)。

 翔は2006年プロデビューのベテラン選手で、60戦以上のキャリアを持つ。ミドル&ハイキック、ヒジ、ヒザを得意としており、これまで5本ものベルトを獲得している。今回、多くの日本人選手が「スアキムは強すぎるから」と対戦を断る中、、翔が「ぜひ」と2つ返事で対戦を了承したという。7月のRISEで那須川天心との世界トーナメント準決勝戦が決まっているスアキムに、一泡吹かせることが出来るか。

今年の10月で37歳。身体はもちろん、心も元気いっぱい

――“和製ムエタイスタイルの第一人者”として名高い翔選手ですが、今回の相手は、あのムエタイスーパースター、スアキムに決定しました。

「最近になくスイッチ入っています! いや~、なーんかイケる気がするんですよねー!」

――那須川天心選手との激闘で一躍有名となり、ムエタイトップシーンで常に先頭を走る途方もない相手に、ヒジ打ちも首相撲もフルに認めるムエタイ、スアキムの本来の持ち味が制限なく発揮されるルールで対戦するというのに、なんとも悠長で余裕が感じられます。

「もうどんな相手と闘うことになっても『恐い』って感情は湧かなくなっちゃいました(笑)」


――それは、2006年プロデビューでキャリア13年目、戦績60戦オーバーの歴戦の重みがあるだけに?

「まー、センチャイ(・PKセンチャイムエタイジム)やノンオー(・ガイヤーンハーダーウジム)とやりましたからねー」

――確かに翔選手は、“ムエタイの神”とまで呼ばれるようなレジェンド選手たちと拳をあわせておられました。

「勝ったわけじゃないですから威張れはしませんけど、誰とやっても驚かなくはなりました」

――そんな翔選手の前試合は?

「ん? あ~、うーん、いつだったか~。あー、日にちは4月14日のBOM! 相手の名前は……石毛さんのジム(石毛慎也会長のLAILAPS東京北星ジム)の……あー、思い出せない!(正解はWMC日本ライト級王者の伊東伴恭)」

――試合内容は?

「それは覚えています。差は見せつけたんだけど、倒しきれない判定勝ちだったんですよね。

――その試合に勝利して戦績は?

「戦績? あ~っ、うーん、ろくじゅう……すみません。わかりません!(笑)」


――失礼ながら歴戦のダメージによる記憶障害など心配になりますが大丈夫ですか?

「身体に怪我はないし、健康そのもの! パンチドランカーの気配なんて微塵もないですが、自分の戦績や相手の名前とか興味が一切なくなっちゃって」

――子供の頃からプロのリングに上がるタイ人選手が「戦績を覚えていない」「過去の対戦相手の名前はほとんど忘れた」とコメントするのを見受けますが。

「自分もよくタイ人が「戦績は……200戦くらいして150勝くらい」とか言うのを聞いて「なんなんだコイツ、いい加減だなー」って以前は呆れていたのですが、すっかり同じになってしまいました(笑)」

――前述のセンチャイ戦やノンオー戦もさることながら、他にもスアキム並みの強豪タイ人選手と対戦経験がおありですが。

「あー、シュートボクシングの海人選手に勝った、アレ……チョ、チャ、チェ……なんだったか~!(正解はチャムアトーン・ファイタームエタイ)」

――今や那須川選手に次ぐ実力者として注目される海人選手を破ったラジャダムナンスタジアム認定王者の名前をお忘れになるとは。

「い、いや、普段は言えることの方が多いはずなんですけど(汗)」

――むしろここまでくると清々しいまでのベテランぶりです。

「今年の10月で37歳。身体はもちろん、心も元気いっぱい! 試合へのモチベーションだってアゲアゲなんですけどねー(笑)」

ムエタイにこだわってきた自分だからこそ掴めるタイミングで

――ご自身のタイトル歴は、流石に覚えておられますよね?

「ベルトは5本、それは間違いない! けど、どこの何級かはわからないので、ジムの会員さんにその都度訊いています!」

――ベテラン過ぎるタイ人選手が“お仕事”としてのんべんたらりと試合をこなしていく状況とは?

「そこは全然違います! (センチャイ・トーングライセン)会長に決めていただいた目前の試合は、1試合、1試合、全力で取り組んでいます! 本当です!」

――世界最強と言い切れる神レベルのムエタイ選手と複数戦い、チャンピオンベルトも把握しきれないほど巻いて実績充分。アラフォーとなった今、それでもリングに上がり続ける理由は?

「怪我もなく、心にも張りがあって、逆に『辞める理由』がありません。練習していると今でも強くなっていることを感じるんですよ」

――現在も成長中。

「スピードや反射神経は落ちていると自覚しますが、それを補って余りあるパワーと経験が上積みされていますから、トータルで強くなり続けています」

――10年前、全日本キックボクシング連盟ランカー時代の自分と戦っても勝てますか?

「はい、相手になりません! そして、何より『出し切って終わりたい』って、その気持ちが強いです」

――センチャイやノンオーとやりながら、まだ燃え尽きていない?

「そうですね。練習していて、今も“気付き”があるんですよ。『ああ、こうすればもっと強くなる』って」


――長身ながら長らくライト級(61.23kg)をキープされていますが、減量も問題ない?

「若いころよりも減量幅は増えていますけど、コツを掴んでいるので特に苦しいこともないです」

――ご結婚されて2年とのことですが、奥さまやご家族の理解は?

「うちのヨメは『気が済むまでやってきなさい』と応援してくれています。だからこそ、思い切りできますし、感謝しかないです。だから、ますます後悔するようなことはできないなって。『キリがいいからこの辺でやめて』って引退しながら数年後に「あの時、こうすれば、ああすれば』って悔いは残したくないんです」

――揺るぎない強い哲学をお持ちだと思います。そんな信念にモデルケースはおありなのでしょうか?

「8年くらい前(2011年8月7日)、有明コロシアムでタイファイト(ムエタイビッグイベント「THAI FIGHT EXTREME JAPAN」)があったじゃないですか。そこで白須康仁さんがヨードセングライ・フェアテックス(この10年、ムエタイ重量級最強の一角として君臨し続ける伝説的な王者)にダウン獲って勝って、そのままスパッとやめられた引き際は見事でした。ヨードセングライに勝ったのだから、その後、色んな良い話が殺到したでしょうに、おそらく「出し切った」んじゃないんですかね。あれは、カッコ良かった!」

――翔選手もスアキム戦で「出し切れれば」最後の試合となるかもしれない?

「そうですね、それはあります」

――たとえ激勝してハイレベルなオファーが殺到しても?

「うっ、ONEとかから破格のオファーが来たらやっちゃいそうだなぁ(笑)。けど、その試合をやりたいって思えるなら、まだ出し切ってないってことですよ」


――和製ムエタイスタイルの第一人者として長らくトップシーンにおられますが、その自負は?

「ムエタイだからこそのヒジ打ち、ヒザ蹴り、首相撲が得意だっていうプライドは確かにあります」

――それはスアキム戦でも通じる?

「真正面からテクニック合戦でいったらやられるでしょう。けど、最近、ヤツはダウンするじゃないですか。ヒジやヒジに行く刹那、組際にパンチが入ると思うんです。それは、ムエタイにこだわってきた自分だからこそ掴めるタイミングで」

――「ムエタイを知るからのこそのタイミング」、非常にワクワクします。

「期待していてください。あっと驚かせますよ!」

―そんな翔選手が出し切ってグローブを壁に吊るしたその次のステージは何か考えられておられますか?

「今は、水道工事関係で働かせていただいていますが、お金が貯まったらヨメとラーメン屋をやります」

――ラーメンがお好きでしたか?

「はい、ヨメと出会ったのも一緒に働いていた職場のラーメン屋で」

――どんなラーメンかお決めになられていますか?

「清湯(チンタン)系の醤油ですね。有名店で言うと飯田商店みたいな」

――セカンドライフの明確さ、とても素敵です。開店の暁には、多くのファンが来られるのではないでしょうか?

「それはもちろん大歓迎ですけども、ムエタイや選手の実績には関係なく、純粋にラーメンの味で勝負します! そうそう、その前にスアキムを美味しく料理しなくっちゃ!」

(取材・文:BOM広報部)

リングネーム:翔・センチャイジム
フリガナ:ショウタ・センチャイジム
所属:センチャイムエタイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1982年10月24日(36歳)
出身地;山形県
身長:174cm
戦績:62戦36勝(17KO)23敗3分
ステータス:INNOVATIONライト級王者、蹴拳ムエタイライト級王者、初代WMC日本ライト級王者、初代MuayThaiOpenライト級王者、元NJKFライト級王者、元全日本ライト級7位

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