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レポート

【Krush】瓦田脩二がダウンの応酬を制して師匠と同じベルトを巻く、橋本実生が因縁の対決に圧勝

2021/09/24 22:09
Krush.1292021年9月24日(金)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第10試合)第6代Krushライト級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R○瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)判定2-0 ※28-27、28-28、28-27×里見柚己(team NOVA)※瓦田が第6代王座に就く。  準決勝で南雲大輝を3RでKOした瓦田と、弘輝を判定で降した里見が決勝を争う。  1R、前に出てくる里見に瓦田は左回り。里見が右ローを蹴ると瓦田は急にスイッチが入ったようにワンツーの連打で前進。それを里見が右フックでストップする。瓦田は右ローを蹴るとすぐにワンツーにつなぐ。  2R、瓦田は左右ボディ、左右フックで里見を追っていき、ロープを背負わせると左ボディ。その後も追っていき、右ストレートと左ボディ、そして三日月蹴り気味の右前蹴りでついに里見がダウン。瓦田の刺すような前蹴りに苦しむ里見。そこへ瓦田が左右ボディを叩きつける。瓦田が里見にコーナーを背負わせた。  3R始まってすぐの打ち合いで、里見が左フックでダウンを奪い返す。ダウンじゃないとアピールする瓦田。再開すると里見が右ストレートと左フック、瓦田はガードを固めての右ロー。瓦田が再びボディを攻め、里見はロープを背負う。  判定は2-0で瓦田が勝利。ダウンの奪い合いを制して、師匠である梶原龍児が初代王座に就いた、Krushライト級王座の第6代王座に就いた。  瓦田はマイクを持つと、声を途切れさせながら「今回優勝候補ってずっと周りの方が言ってくれていて、毎日眠れない日が続いて、初めて苦しかったです。でもこうやってKrushのチャンピオンになれることができました。里見選手の方が準決勝で消耗していてそれを倒し切れない自分の甘さと里見選手の気持ちが強かったです。龍児さん、約束通りKrush王者になれました。次はライト級のK-1王者にさせてください」と言うと、「朝久選手、福岡同士でかなり強いのは知っていますけれど、挑戦を受けてください」と中継の解説を務めていたK-1ライト級王者・朝久泰央へ挑戦宣言。  すると朝久がリングに姿を現わし、「涙が出そうなくらい感動しました。素晴らしい試合でした。62.5kgのチャンピオンは世界中に俺しかいらないと思うので、全力で叩きのめします。戦う日が来るのを楽しみにしています」と笑顔で“待っている”と話した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合) Krushバンタム級 3分3R延長1R○橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※29-27×2、30-27×鵜澤悠也(K-1ジム五反田チームキングス/DREAM KHAOSバンタム級トーナメント優勝)  橋本は幼少期から空手を学び、中学時代には全日本大会で優勝。高校卒業と同時に滋賀から上京し、第7回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kgで優勝。2019年にABEMAの『格闘代理戦争』に出演し、TEAM武尊の一員としてトーナメント優勝に貢献したサウスポー。同年9月のデビュー戦と2戦目では松本日向に敗れたが、その後は4連勝。2020年10月からスタートした「第6代Krushバンタム級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するも吉岡ビギンに敗れた。今年5月に開催された「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では優勝候補の一人と目されながらも感染症拡大防止のため、一定の待機期間を設ける必要のある選手に該当することが判明したため無念の欠場となっていた。戦績は4勝(1KO)3敗。  鵜澤は小学5年生でボクシングを始め、アマチュアボクシングの強豪校で知られる習志野高校・東洋大学で活躍する。キックボクシング転向後は第27回K-1アマチュア・チャレンジAクラスで優勝。2019年にABEMAの「格闘代理戦争」に出演し“ビッグマウス”として注目を集める。2020年2月にKHAOSでプロデビューし、同年9月のKHAOSで行われたワンデートーナメント「DREAM KHAOS」では2連続KO勝利で優勝したサウスポー。「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で松本日向に敗れた。戦績は2勝(2KO)3敗。  両者は5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」の記者会見で舌戦を展開し、因縁が生まれていた。  にらみ合いを経て1R、サウスポー同士の両者はまず鵜澤が左ローとパンチのコンビネーション、パンチの連打で橋本にコーナーを背負わせる。さらに鵜澤は橋本が右フックを打ってくるところへカウンター。  2R始まってすぐ、左右の連打で前へ出た橋本に鵜澤がダウン。鵜澤は立ち上がると左フックをヒットさせたが。橋本は左ハイ、鵜澤はワンツー。橋本は右、右、とパンチを出していき、左フックでダウンを奪う。フックを振り回した橋本だが、ラウンド終了。  3R、ジャブの鵜澤に橋本は左フック。最後まで倒しに行った鵜澤だったが、橋本に一太刀を浴びせることができず、判定3-0で橋本の勝利となった。 [nextpage] ▼第8試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R○松谷 桐(ALONZA ABLAZE/元NJKFフライ級王者)判定3-0 ※30-25×3×豊田優輝(B.W/K-1カレッジ2019 -60kg王者)  松谷はジュニアキックで活躍し、Bigbangアマチュア-45kg王座、WBCムエタイアマチュアU18-52kg王座などを獲得。2017年10月にプロデビューすると、無敗のまま僅か6戦目でNJKFフライ級王座に就いた。そこからさらに連勝記録を伸ばしていったが、2019年7月の仲山大雅戦で初回KO負けを喫し、10戦目にしてプロ初黒星。11月にRISEで風音にも敗れて連敗を喫したが、12月のシュートボクシングで伏見和之にKO勝ちして再び勢いに乗り、その後は4連勝。ジムを移籍しての初参戦となった。戦績は14勝(7KO)2敗。  迎え撃つ豊田はK-1カレッジ2019 -60kg王者。2019年12月のデビューから池田幸司、橋本実生(いずれも5月のK-1トーナメント出場)に連敗を喫したが、3戦目で山脇飛翼に判定で初勝利。前戦はK-1トーナメントのリザーブファイトで大石和希に勝利している。戦績は2勝3敗1分。  1R、両者サウスポー。松谷は左カーフキックを蹴りつつ、左ボディからの右フックをヒットさせる。豊田は右ミドルから左ストレートを繰り出すが松谷のガードは固い。  2R、豊田が打ち合いに来たところで松谷がカウンターの左フックでダウンを奪う。立ち上がった豊田は打ち合いになると右フックをヒットさせて松谷を仰け反らせる。しかし、ラウンド終了間際で右ローに右フックを合わされて2度目のダウン。  3Rが始まってすぐ、豊田の左ストレートに松谷が右フックを被せてこの試合通算3度目のダウンを奪う。このラウンドは両者蹴りをほぼ使わずパンチを打ち合う。フックの打ち合いでは豊田が右フックをヒットさせる。最後まで打ち合いは続き、判定3-0でダウンを3度奪った松谷の勝利となった。 [nextpage] ▼第7試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R○西林翔平(K-1ジム福岡チームbeginning)判定3-0 ※30-28、29-28×2×倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、両者きびきびとした動きからローを蹴る。倉田は右ミドルで快音を響かせ、右フックから右ハイと蹴りを多用。西林は右へ大きく回り込んでいくが、倉田の左ミドルをもらう。前へ詰めていく倉田が左右フックを当てていく。  2R、西林が右フックからの右アッパー、倉田は右ローを蹴っていく。入り込んでショートのフックとアッパーを放っていく西林だが、倉田の右ローにバランスを崩す。  3R、前に出て蹴っていく倉田だが、西林の右フックを連続で被弾してダウン。立ち上がった倉田が左フックを打てば、西林は右アッパーを返す。倉田が左右ミドルで逆襲に出るが、西林も飛び込むような右ストレート。ダウンを奪った西林の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)判定2-0 ※29-30、29-29、28-30○宮崎勇樹(相模原Sジム/MA日本キックボクシング連盟フェザー級王者)  1R、前に出ていくのは宮崎。右ストレート、右フックと右のパンチを中心に当てていく。立基も右フックを繰り出すが、距離がつかめておらず空振りさせられる。接近戦で優位に立つ宮崎。  2R、右ローを蹴る宮崎に立基は左ストレート。このジャブのような左ストレートを宮崎の蹴りに合わせていく。  3R、宮崎はジャブからワンツー、ジャブから左ボディとジャブからの攻撃。立基も負けじとワンツーを返す。宮崎の右フックが連続ヒット、右ストレートも当たる。立基はヒザ蹴りで応戦して、右ボディを攻める。残り10秒で宮崎がラッシュを仕掛けてパンチをまとめ、判定2-0で勝利した。 [nextpage] ▼第5試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R×芳美(OGUNI-GYM)判定0-3 ※27-30×3○池内紀子(POWER OF DREAM)  1R、池内は右ミドルから右ストレートで前へ出る。下がる芳美は右フックを狙い撃ち。  2R、芳美はガードを固めて頭を低く下げて左右に振るが、池内はそこをヒザで突き上げる。左フックをヒットさせる芳美に池内は右ミドルと右ストレート。さらにヒザ蹴り。終盤、左右ヒザ蹴りで芳美を追い込む。  3R、頭を振って入ろうとする芳美だが頭を下げたところをミドルや蹴りに狙われ、右ハイキックももらう。池田は前へ出て右の攻撃を当て続け、判定3-0で完勝した。 [nextpage] ▼第4試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R×赤田功輝(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)判定3-0 ※26-29×2、25-29○児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)  児玉は前日計量で契約体重-60.0kgから650gオーバーでクリアすることができず、以下の形にて双方合意の上、試合を実施することとなった。第1R、児玉は減点1から試合開始。規定では、赤田は8オンス、児玉は10オンス着用のグローブハンデとなるが、赤田がこれを拒否したため双方とも8オンスグローブを着用。児玉はファイトマネーから20%減額。  1R、サウスポーの赤田に序盤からパワフルなパンチ打つ児玉。右ストレートでダウンを奪うと、強い右ミドルもヒットさせる。  2R、前へ出て左ストレートを打ちに行く赤田。お互いにローブローがあり、児玉は右ロー、右ミドル、そしてヒザ蹴りと力強い攻撃を繰り出す。しかし、児玉の右ローがまたもローブローとなって試合は中断。再開後、左右ボディとヒザで徹底的にボディを攻める児玉。  3R、児玉は右ローとヒザ蹴り。赤田はワンツーを繰り出すが、児玉がすぐにパワフルは左フック、ヒザを突き刺す。児玉の強い右ロー、赤田がローを蹴り返すとこれがローブローに、。赤田には度重なるローブローで減点1。最後は打ち合いに行った赤田だが、パワーと命中率で優り判定勝ち。体重オーバーの減点を巻き返した。 [nextpage] ▼第3試合 第6代Krushライト級王座決定トーナメント準決勝(2)3分3R延長1R○里見柚己(team NOVA)判定2-0 ※30-29、29-29、30-28×弘輝(team ALL-WIN)※里見が決勝へ進出。  里見は15勝(8KO)9敗1分の戦績を持つ23歳。2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。スーパー・フェザー級からライト級に階級を上げて連敗を喫したが、2020年1月の金子大輝戦では得意の右のパンチを炸裂させてKO勝ち。7月の瓦田脩二戦で敗れ、ジムを移籍しての再起戦では堀井翼に勝利。7月の1回戦では川崎真一朗にKO勝ちした。  弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負け。3月のK-1では龍華にKO負けと、勝っても負けてのKOのファイター。7月の1回戦では慎重な戦いぶりで東本央貴を判定2-0に降した。戦績は7勝(5KO)3敗1分。  1R、サウスポー同士。左ローを蹴る里見に弘輝は左カーフキック。大きなフックで突っ込む弘輝だが、かわされて里見の左ストレートをもらう。弘輝が飛びヒザ蹴りを放つと里見は受け止め、抱きかかえられる形となった弘輝は客席を見てニヤリと笑う。  2Rも低い体勢から左右フックで入り込む弘輝。里見の左ストレートを頭を動かしてかわすと左フックを打ち込む。その後もフェイントしての左フック、飛び込んでの左フックと弘輝の左フックのヒットが目立ち始める。里見は左を空振りさせるとワンツー。  3R、里見はジャブを多用し始め、弘輝の出鼻を挫こうとする。頭を下げた弘輝にはヒザ蹴り。それでも弘輝は前へ出て左のパンチを狙う。里見をコーナーへ詰めて左右ボディを打つ里見。離れようとする里見を追う弘輝は左ストレート。里見は左ストレート、左ミドルで弘輝がバランスを崩す。さらに左ストレートでクリーンヒットを奪い、弘輝は下がらなかったがダメージが見えた。 [nextpage] ▼第2試合 第6代Krushライト級王座決定トーナメント準決勝(1)3分3R延長1R×南雲大輝(八光流柔術総本部/Air KBZゴールデンベルトチャンピオンシップ 2017年67kg級王者)KO 3R 1分33秒 ※左ボディブロー○瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)※瓦田が決勝へ進出。  南雲はMMA(総合格闘技)からミャンマーの頭突きありの超過激格闘技ラウェイに転向し、2017年12月にはミャンマー・ヤンゴンで開催されたAir KBZ(エアカンボーザ)チャンピオンシップにて67kg級の2017年王者となった。2019年6月、K-1への参戦を表明し、11月に初参戦したがKO負け。2020年6月の堀井翼戦は反則負け、8月の東本央貴戦では初回KO負け、今年3月のK-1ではゴンナパーに2RでKO負けと5連敗ながらチャンスを得た。7月の1回戦は不戦勝で勝ち上がっている。キックボクシングの通算戦績は1勝6敗。  瓦田は 伸びのある右ストレートを武器にアグレッシブなファイトスタイルでデビューから5連勝。東本央貴、川崎真一朗、ワン・ジーウェイに敗れたが、その後は覚醒して稲垣柊、里見柚己、SEIYA、大沢文也、東本央貴に5連勝と絶好調。K-1ジム総本部の若手リーダー格で、今回の優勝候補と言える存在で7月の1回戦では昇也に判定勝ち。戦績は11勝(5KO)3敗。  1R、サウスポーの南雲が前に出て左右フック、左ミドルを繰り出すが、瓦田はガードを固める。南雲の左ストレートをブロックした瓦田はロープ際へ押されるが、右ストレートで南雲を仰け反らせる。終盤には右フックもヒット。  2R、左右フックを振り回す南雲に瓦田は右ハイ、右ストレート、右ボディ。ジャブを打ち、南雲が右フックを打ってくるところへ右フックのカウンターもクリーンヒットさらに左右ハイキック。南雲はパンチを振り回すが、空振りに終わり南雲の右を中心に被弾が目立つように。 3R、瓦田が飛びヒザ蹴りから左右フック、右アッパー、右ボディと一方的に攻めるがタフな南雲は倒れない。しかし、左ボディで両手のガードが落ち、下がるところに瓦田が再び左ボディ。ついにダウンした南雲はカウント7で立ち上がるも、レフェリーは試合続行不可能と見て試合をストップした。 [nextpage] ▼第1試合 第6代Krushライト級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R×SEIYA(MAD MAX GYM)判定0-3 ※9-10×3○鈴木孝司(K-1ジム五反田チームキングス)※鈴木がリザーバーに決定。本戦の判定は28-29、29-28、29-29。  1R、SEIYAは左ミドル、鈴木は右ストレート。左フックを出そうとしたSEIYAに鈴木が右のカウンターをヒットさせる。そこから鈴木が前に出て、SEIYAが蹴りで迎え撃つ展開に。  2R序盤、SEIYAのワンツーがきれいにヒット。ガードを固める鈴木にSEIYAは左ミドル、左ボディだ。鈴木の右ストレートを警戒して右へ回り込むSEIYAは右ロー。右ローを蹴って密着してくる鈴木にSEIYAはショートアッパーを突き上げる。  3RもSEIYAは右へ回り込んでの左インロー、左ミドルと蹴りを多用。密着した状態でフックとアッパーを打ち合う両者。鈴木は右ローを蹴る。両者クリンチが多く減点1。再開後も密着状態で鈴木がフックをガムシャラに出してて試合終了。  本戦の判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入すると、またも両者密着した状態でヒザを蹴り合い、フックを出す。鈴木はワンツーからヒザ、SEIYAは手が出ない状態が続き、声を上げながらパンチをガムシャラに出した鈴木が判定で勝利した。
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