ニュージャパンキックボクシング連盟「NJKF 2021 3rd」2021年9月19日(日)東京・後楽園ホール
▼ダブルメインⅡ WBCムエタイ日本統一フェザー級王座決定戦 3分5R×松本龍斗(京都野口/NJKFフェザー級王者、WBCムエタイ日本フェザー級2位)TKO 3R 0分46秒 ※ドクターストップ〇安本晴翔 (橋本道場/WPMF世界フェザー級級王者、KNOCK OUT-REDフェザー級王者)※安本が新王座に就く。
松本は2019年9月にTKO勝ちでNJKF王座に就くと、2020年11月にはKO勝ちで初防衛に成功。前戦は『BOM』で川原龍弥から勝利を収めている。「もっとヒジに特化して『アイツのヒジはすごい』と言われるようになりたいですね。『ヒジだけや』と思われても、そのヒジが全部当たって全部切れるようになりたい」と、ヒジ打ちにこだわりを持つ。戦績は15勝(6KO)4敗。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りKNOCK OUT-REDフェザー級王座を戴冠。そこからの快進撃でKNOCK OUTをホームに活躍し、今年1月に行われたKNOCK OUT年間表彰式では2020年MVPを獲得。7月大会では竹内賢一を左ハイキックでKOし、怒涛の10連勝をマークした。戦績は20勝(10KO)1敗2分。
1R、安本が左ハイを何度も当て、松本をロープ際に詰めてはパンチ連打で襲い掛かる。パンチを被弾しながらも前に出る松本も、安本は左ハイ、組んではこかして削っていく。
2Rも安本が右ハイ、右ロー、左ハイと多彩な蹴り技。右ローで前に出る松本に、安本はパンチもまとめていく。なかなか倒れない松本に対し、安本は苦笑い。
3R、安本が右ローから一気に詰めてコーナーでラッシュ。松本のフックを交わして、安本が右ヒジを入れてると松本がテンプルをカット。この一撃で流血したためにドクターチェックが入る。ここで試合がストップし、安本がTKO勝ち。11連勝となった安本はWBCのベルトを腰に巻き、「これからも勝ち続けて、もっと有名になりたいです」と笑顔で語った。
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▼ダブルメインⅠ WBCムエタイ日本統一ライト級王座挑戦者決定戦 3分3R〇健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)判定3‐0 ※30-29×3×鈴木翔也(OGUNI/NJKFライト級王者)
健太は2005年にプロデビューすると、2008年5月にNJKFウェルター級王座を獲得。その後、NJKFスーパーウェルター級王座、初代Krush -70kg王座、WBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。NJKFを代表する選手として『ONE Championship』など世界を舞台に戦ってきた。1年半に渡って勝ち星から遠ざかっていたが、今年2月、NKBライト級王者・高橋一眞に判定2-0で勝利して連敗脱出。4月のBOMでも晃希にKO勝ちと連勝したが、6月の新日本キックでは重森陽太に完封負けを喫した。前戦となった7月、NOBU BRAVERY戦でも敗れている。今回がちょうど100戦となった大ベテラン。
対する鈴木はスーパーフェザー級に続いてライト級を制した二階級制覇王者で、戦績は24勝(8KO)18敗1分。6月大会では吉田凜太朗に判定勝ちで2度目の防衛に成功している。
1R、鈴木の右ローに対し、健太も右ローを返しつつ強烈な左ボディブローで対抗。お互いにアグレッシブに攻めて攻撃の手を緩めない。
2Rも攻撃を散らす健太が前へ。ヒジ打ち、右ミドル、ボディブローと多彩な攻めで前に出続ける。鈴木も右ローを出しつつ前進するもやや押され気味。
3Rも打っては交わす健太が前へ。ヒジも交えつつ手数の減らない健太に、鈴木も右ローを当てていく。危なげなく判定勝ちした健太がWBCムエタイ日本統一ライト級への挑戦権を獲得した。
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▼ダブルセミファイナルⅡ NJKF 57kg契約 スーパーファイト 3分3R×波賀宙也(立川KBA/IBFムエタイ世界ジュニアフェザー級王者)判定0‐3 ※29‐30×3〇大田拓真(新興ムエタイ/元WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
波賀は第2代・第4代NJKFスーパーバンタム級王座、第5代・第7代WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座に就き、2019年9月にトンサヤーム・ゲッソンリットを破り日本人4人目のIBFムエタイ世界王者となった。今回は2020年2月にフアサン・オーユッタチャイにTKO勝ちして以来の試合となる。戦績は26勝(4KO)11敗3分。
大田は2019年は5戦全勝、S1ジャパントーナメントも制すなど飛躍の年となったが、2020年は2月大会でバンラングーンに判定負けして黒星スタート。しかし、9月にWBCムエタイ王座の防衛に成功した。今年1月にはRISEに初参戦し、RISEフェザー級王者・工藤政英に判定で敗れている。7月に『KNOCK OUT』で小笠原瑛作との対戦が決まっていたが、感染症拡大防止のため、一定の待機期間を設ける必要のある選手に該当したため欠場。戦績は19勝(5KO)6敗。
1R、大田は右ミドル、波賀は左ミドルとお互いにミドルを交換。大田はパンチでも有効打を当て、波賀のバランスを崩していく場面も。
2R、右ミドル、左ストレートなども当てる大田。波賀は左ミドルを返して譲らない。ここまでのラウンドは二者がドロー、一人は大田を支持。
3R、大田は右ミドル、組んでのヒザ、こかしてでも優勢を印象づける。波賀は左ミドル返すが、決定的な場面を作れない。
判定勝ちした太田は「みっともない試合をしてすきません。いい試合を見せられるように頑張ります」とマイクを握った。
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▼ダブルセミファイナルⅠ NJKF 57kg契約 スーパーファイト 3分3R×国崇(拳之会/ISKA世界ムエタイフェザー級王者)TKO 3R 2分58秒 ※レフェリーストップ〇前田浩喜(CORE/元NJKFスーパーバンタム級王者)
国崇は小学生で少林寺拳法を学び、グローブ空手に転向。2000年7月にNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)でプロデビューした。2003年7月にNKBバンタム級王座を獲得すると、NJKFバンタム&フェザー級王座、WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座、ISKAムエタイ世界フェザー級王者、WKAムエタイ世界フェザー級王座など数々のタイトルを獲得。また、ムエタイの二大殿堂であるラジャダムナンスタジアムとルンピニースタジアムでそれぞれランキング入りを果たし、両スタジアムのタイトルに挑戦したこともある。今年4月に地元・岡山にてTENKAICHIライト級王者・翔平をTKOに破り、100戦目を勝利で飾っている。
対する前田も2004年8月プロデビューのベテラン選手で、第6代NJKFスーパーバンタム級王者、第8代・第11代NJKFバンタム級王者。サウスポーから繰り出す左の蹴りとストレートを得意としており、2020年2月にはISKAムエタイ・インターコンチネンタル・フェザー級王座にも挑戦した(判定2-1で惜敗。戦績は27勝(16KO)14敗3分。
1R、左ミドル主体の前田に対し、国崇は左フックを当てつつ圧力をかける。2Rも前に出る国崇に前田は左ミドル。国崇は左フック、ボディブロー、右ストレートと次々に強打を当てるが、前田は変わらず下がりながら左ミドルを当て左ハイ。接近戦で前田が左ミドルを当てて国崇は腰を落とすもののダウンと見なされず。
3Rも前田は左ミドル、ハイと上下に打ち分けながら下がる展開。国崇が詰めたところで、前田が左ストレートでダウンを奪う。立ち上がっても変わらずプレスをかける国崇に、再び左ストレートを当てた前田が追加のダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
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▼第4試合 ミネルヴァ 47.5kg契約 スーパーファイト 2分3R〇erika♡(SHINE沖縄/ミネルヴァ アトム級王者)判定3‐0 ※30-28×3×Ayaka(健心塾/ミネルヴァ ピン級王者)
アトム級(46.25kg)王者のerika♡とピン級(45.36kg)王者のAyakaのミネルヴァ王者対決。erika♡は介護福祉士として働き3人の子供を育てるママさんファイター。今年1月には王者・百花に判定勝利しミネルヴァ アトム級王座を奪取した。対するAyakaは昨年2月にRISEのリングで伊藤紗弥に3RKOし一躍名を広めた。前戦となった6月の奥脇奈々に判定勝ちしている。
1R、左ミドルを飛ばすerika♡に対し、Ayakaはパンチを振って突進しロープに押し込みながらヒザ。
2R、erika♡は左ストレートをヒットさせ組んでのヒザ。Ayakaはバックブローも決定打とならず。
3R、11㎝も身長で上回るエリカは左ストレートを当てて、得意の首相撲に持ち込みもがくAyakaを振り回して圧倒。パワー差を見せ付ける戦いぶりでAyakaを翻弄し、erika♡が判定勝ちした。
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▼第3試合 NJKFフライ級王座挑戦者決定戦 3分3R×EIJI(E.S.G/NJKFフライ級2位)不戦勝〇谷津晴之(新興ムエタイ/NJKFフライ級3位)
EIJIが感染症拡大防止のため一定の待機期間を設ける必要がある選手(本人または同居人が陽性者、濃厚接触者、濃厚接触者の疑いがある者、発熱など体調不良である者など)に該当することが判明し、大会への出場を見合わせることとなり欠場。
不戦勝で王座挑戦権を獲得した谷津は12月のNJKFで優心(京都野口)とタイトルを行うことが決定。マイクを握った谷津は「自分は高校3年でまだまだクソガキですが、応援してくれる人がいるので、ベルトを獲って最大の恩返しをしたいと思います」とあいさつした。
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▼第2試合 NJKFフライ級 3分3R△吏亜夢(ZERO)ドロー 判定1‐0 ※30-28、29‐29×2△嵐(キング)
吏亜夢は昨年12月、16歳でプロデビューし現在の戦績は5戦3勝(2KO)2敗。フライ級ながら178㎝の長身で左ミドル、ヒザ蹴りを得意とする。前戦となった6月には、地元・栃木大会で山口隆弥に1RTKO勝ち。対する嵐は今年3月にプロデビューし、2勝2敗の戦績を持つ16歳。
1R、右ストレートの嵐に対し、吏亜夢はテンポよく左ハイ、左ミドル。2Rには、吏亜夢が奥足への左ローを効かせて嵐の動きを止めて左ハイを何度も当てる。接近戦でも吏亜夢が組んでのヒザ、嵐はパンチを当て返す。3R、打ち合いに持ち込む嵐のパンチが何度も捕らえるが、吏亜夢は左ミドルから組んでのヒザ。お互いに決定打はなく、ドローに終わった。
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▼第1試合 S1レディーススーパーフライ級トーナメント1回戦 2分3R×梅尾メイ(B9gym)判定1‐2 ※29‐30×2、30-28〇KOKOZ(TRY HARD)
梅尾は昨年9月のS-1バンタム級トーナメントに参戦し一回戦で、優勝した☆SAHO☆に判定負け。6月の『KNOCK OUT』では喜多村美紀に判定負けしており、連敗脱出を狙う。対するKOKOZはNJKF初参戦。寺山日葵、小林愛三、水野志保とトップ選手相手に3連敗を喫している。
1Rから梅尾がバチバチの打ち合いを仕掛けて組み付いてからのヒザ連打。劣勢気味のKOKOZだが、2Rから左ミドル、右ストレートを当て勢いを取り戻していく。梅尾も打ち合いに持ち込むが押されてします。
3R、変わらずKOKOZが連打で押し込み有効打を奪ったが、梅尾も打ち合いで負けない。判定2‐1でKOKOZが勝利した。
▼オープニングファイト EXPLOSION Aクラス -45kg 1分30秒2R〇堀田優月(闘神塾/中学1年生)判定3‐0 ※20‐18×3×池田想夏(MIYABIジム/中学2年生)