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【K-1】城戸康裕と引退試合の山内佑太郎「折れない心を見てもらいたいです」

2021/09/17 23:09
 2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~』の第15試合、スーパーファイトのK-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1Rで城戸康裕(谷山ジム)と対戦する山内佑太郎(HALEO TOP TEAM)が公開練習を行った。  試合まであと1週間を切り、既にハードトレーニングは先週で終えたという山内。この日は2分1Rのミット打ちでパンチ、キック、膝蹴りなど一連の動きを披露したが、「今、疲労回復に努めているんで、だいぶ戻ってきています」と、3年8カ月ぶりの試合に向けて、コンディションも徐々に整いつつあるようだ。  2002年に全日本キックのリングでデビューした山内は現在43歳。試合をしたのは3年8カ月前の2018年1月「Krush.84」でのジョーダン・ピケオー戦が最後だ。この試合でKO負けを喫した山内だったが、その後は現役引退か続行かで長い葛藤があったという。 「前回のピケオー戦でなかなか見事にやられたんで、その時点では『もうダメかな?』という気持ちと『まだまだできるかな?』っていう気持ちの葛藤がずっとあったんですけど、僕が凄い尊敬している方に『もういいんじゃないか』と背中を押してもらって、そっから考えも定まってきて引退を決めました」と、引退を決断。  そのままフェードアウトするのではなく、「応援してくださる方がたくさんいるので、その仲間たちに『これが山内佑太郎の最後だよ』っていう試合を見せたくて」と、K-1 JAPAN GROUPに引退試合のお願いをしたところ、今回の城戸との試合が決まった。  城戸は山内と同時代を戦ってきた同世代のファイター。「格闘家としては強い人とやりたいし、名前のある人とやりたいっていうのがあったんで、最後にワガママを言わせてもらいました。(城戸は)強豪ともさんざんやってますし、誰もが認める実力者なんで、その方と最後に試合をできるのはめちゃくちゃ嬉しいです」と、自身の最後を飾るのに相応しい相手に喜びを隠せない様子だった。  城戸とは2013年8月の「Krush.30」で対戦し敗れており、その頃からもう一度戦いたいという想いがあったという。「負けた選手がまたやろうぜって言うのはずるいというか、あんまり僕は好きじゃなかったんで。ただ、ずっと再戦したい想いはあって、最後だからワガママ言わせてもらおうと思ってお願いをしたら二つ返事で受けてくれたと聞いたんで、(城戸は)人間としてもいい人だなって思いました」と、対戦を受けてくれた城戸には感謝の気持ちもあるようだ。  その城戸に関して、「一言で言うと超器用。頭もいいし、本当に劣勢なのか、劣勢に見せかけているのか分からないですけど、そこからの反撃だったりカウンターだったり倒す技も持っているし、真っ向勝負をしても普通に強いし、完璧に近いトータルファイターのイメージです」と印象を語った山内。  これまでは毎日夢に出てくるぐらい相手のことを研究して試合に臨んでいたそうだが、今回は「自分が20年間やってきたものを全てこの試合に出したいっていう気持ちが強い。自分の全てを出して、その中で城戸選手とのテクニック対決になればお客さんも楽しいんじゃないかなって思います」と、格闘技人生の集大成として全てを出し切ることにこだわる。  最後を飾るのに相応しいのは対戦相手だけではなく、会場となった横浜アリーナも同じだ。  山内はかつて2007年4月4日に開催された「K-1 WORLD MAX 2007~世界最終選抜~」に出場し、ドラゴと激闘を繰り広げているが、その会場が今回と同じ横浜アリーナだった。山内がK-1に出場したのはこれが最初で最後だったが、「K-1 MAXに出た時は全日本キックのチャンピオンだったんですけど、『山内がK-1 MAXに出たらどうなるんだ?』という期待を背負って挑んで、結果ボッコボコにされてだいぶがっかりさせちゃったんで、そういう反応も受け止めていろいろ考える時期ではありました」と悔しい想いをした試合だった。  また「当時、友人たちが応援に来てくれたんですけど、その中に娘さんを連れきた人がいて。当時7歳とかそんなもんだったと思うんですけど、僕がボッコボコにやられて負けちゃったんで、『私のせいで負けたんだ』ってボロ泣きさせたんですよ」という苦い思い出もある。 「その後も付き合いが続いていて、今回も最後だからってことでだいぶ大人になったその子も応援に来てくれるんですよ。だから、今度は勝ったところを見せて嬉し泣きしてくれたらいいなって思っています」と、思い出深い会場で長い年月を経てのリベンジにも燃えている。 「持ってる技術を全部、そして気持ちの部分、折れない心を見てもらいたいです」。折れない心で20年続けてきた格闘技人生。その集大成のリングに、様々な想いを抱えて、山内は上がる。
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