MMA
インタビュー

【DEEP JEWELS】ケイト・ロータス「オリンピックで空手は見ませんでした、もうMMAにぞっこんなので」

2021/09/04 16:09
 2021年9月4日(土)新宿FACE『skyticket Presents DEEP JEWELS 34』にて、ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)が、ミッコ・ニルバーナ(AACC)とフライ級(-56.7kg)5分2Rで対戦する。  柔道、糸東流空手の型、ボディビル、スポーツインストラクターを務めていた経験をバックボーンに持つケイトは、2020年12月のプロデビュー戦で熊谷麻理奈を腕十字で極める一本勝ち。3月大会でHIMEの打撃に後退し、プロ2戦目で初黒星を喫した。  再起戦に向け、自身と向き合ったケイトは、セミファイナルでの試合にどんな思いで臨むのか。 伊澤選手と練習して、本当にこのままじゃ駄目だと ――計量を無事パスしました。ここまでの身体づくりはいかがでしたか。 「前回の試合を3月に終えてから、普段だったらナチュラル体重が63kgくらいあるんですけど、今回は60kgくらいを常にキープして、フィジカルトレーニングとか、その他のトレーニングもずっとやっていたので、今回は減量という減量も特になく、いいペースで落ちて、体調もバッチシです」 ――フライ級が56.7kg。通常体重をそこに近くキープしていると。 「そうですね。変に食べなくなったといいますか(苦笑)、ちゃんとプロとして気を使わないといけないな、と」 ――そう思ったきっかけがあったんですか。 「前回、54kgの契約体重でやらせてもらったんですけど、試合のリングに上ってから、すごい息切れが早かったんです。でもプロでやっている以上は、受けた数字に対して出なくてはいけないし、出る以上は最高のパフォーマンスを出さないといけない。そこが今までの考え方が甘かったと感じています。普段からもっと自分がアスリートだという意識を持たないといけないかった」 ――HIME戦は、打撃の中で厳しい展開にもなりました。そこが途中で息切れしたところもあった? 「息切れしたのもあったんですけど、最後30秒くらいでまとめてもらって、そのうち1発がけっこう効いていて、脳が揺れてるときにパンパンパンともらってしまったので、最後手が出なくなってしまったんです」 ――あのラッシュが決め手となりました。前手のジャブも受けていましたね。 「けっこうきついジャブでした。でも、それをなぜもらったかというのを、この半年ですごく考えましたし、自分の癖がよく分かったので、いい経験になりました。この半年間、休んだことで友達から“病んでる?”と心配されたんですが、本当にそんなんじゃなくて、ただただ準備期間が欲しかった。アマチュアデビューする前から元々基礎がそこまでついていなかったので、それをしっかりと今回は作っていこうと思ってやってきました」 ――そのひとつが東京出稽古だったんですね。ベルトを巻いた伊澤星花選手とも練習したようですね。 「はい、横田一則さんの指導で、K-Clannで伊澤選手や古瀬美月選手、長野美香選手らと練習をさせていただき、伊澤選手はデビュー時期が一緒だったんですけど、こんなに差があるんだって……。もう悔しいを通り越して、本当にこのままじゃ駄目だと思いました。  試合の1カ月半前くらいに出稽古に行かせていただいたんですけど、伊澤選手からも対策を教えていただいて、もう徹底して基礎からやり直しました。打撃を活かすには、組まれたときにどうするか、寝技に持ち込まれたときにどうするか。自分の悪いところ、戦えるところが、めちゃめちゃ見えましたね、この半年間で」 ――そういう中で今回の試合では、AACCのミッコ・ニルバーナ選手と対戦します。 「全体的なバランスがいい選手だと思っています。正直簡単に倒せる相手とは思っていないです。ただ、自分が勝てると思って、今回受けさせていただいたので、組み、寝技、打撃、全部含めて私が圧勝するつもりです」――ところでオリンピック期間中は、ご自身のバックボーンのひとつである空手競技の型などもご覧になったのですか。 「見てないんです。私、普段自分からテレビをつけることをしなくて、それくらい、メディアに興味がなくて、たまたま母がとつけたときに体操が映っていて、筋肉すごいなって。筋肉を見るの好きなんです(笑)」 ――それは、もういまMMAをやることに集中しているから気にならなかった? 「はい。もうMMAにぞっこんなので」 ――セミファイナルでどんな試合を見せたいですか。 「今回は“見せる”とかそういうんじゃなく、本当に、もう周りの期待に応えるとかじゃなくて、自分が勝ちたいから勝ちにいく、それだけですね。元々すごい負けず嫌いの性格で、誰かが自分より上にいるのが嫌なんです。ファイターはみんなそうだと思うんですけど、前回負けて、こんなところで負けたらあかんやんってなって、もう火がめっちゃついた感じですね。  もう底辺やんって。わかってたんですけど、改めて、本当に周りがヨイショしてくれてるだけやなと思って。それに自分も気付いてなかった。もっともっと下からちゃんと自分の実力で這い上がらないといけない。  デビューしたての頃は、まだ基礎も何もないのに注目されてすごく迷いはあったし、今ももちろん自分の実力以上に、Instagramのフォロワーさんが増えてしまってたまに怖くなります。周囲が自分のことを気にかけてくださっている分、実力がついてきてないなと感じていました。  でも簡単な話、じゃあ実力をつければいいだけやんと。それが一番、大変なことも分かっていますが、シンプルです。強くなれば、もっと格闘技を広められる。今はもうだいぶ落ち着いて、周りが何を言っても、自分は自分のことをやるだけという感じで、格闘技で強くなることだけを考えてやっています」
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