キックボクシング
レポート

【ビッグバン】駿太が9年ぶりタイ人選手との対戦で2度ダウン奪って快勝、FUMIYAは山際和希を初回KOで返り討ち

2021/08/29 22:08
ビッグバン・統一への道 其の392021年8月29日(日)東京・後楽園ホール ▼第11試合 メインイベント第2試合 フェザー級 3分3R ビッグバンキックルール○駿太(谷山ジム/Bigbangキックルール・スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※29-27×3×ジョムラウィー(タイ/Kcrony gym/元タイ国9ch&パタヤスタジアム認定バンタム級王者)  駿太は2003年2月にプロデビューし、国内とタイのトップ選手を相手に渡り合ってきた大ベテラン。2019年6月に琢磨をKOしてベテラン健在ぶりを示したが、8月の安本晴翔戦、20年2月の栗秋祥梧戦と若い選手に連続KO・TKO負け。しかし、同年11月のビッグバン10周年記念興行では宮崎勇樹を判定で下してBigbangスーパーバンタム級タイトル3度目の防衛に成功すると、3月には元新日本キックボクシング協会ライト級4位の渡邊涼介をヒジ打ちで2RにKOした。戦績は39勝(15KO)23敗4分。  ジョムラウィーは元タイ国9ch&パタヤスタジアム認定バンタム級王者の肩書を持ち、2020年11月の『ジャパンキック』で瀧澤博人に判定負け、12月の『BOM』では朝陽・P.K.SaenchaiMuayThaiGymにダウンを奪われて判定負けしている(いずれもフェザー級での試合)。本来のバンタム級での試合となった1月10日のジャパンキックでは、ジャパンキック フライ級王者の石川直樹と引き分けている。前戦は3月の『ホーストカップ』で滉大に判定負け。戦績は55勝(10KO)13敗2分。  アヌワット、シリモンコン、トーンら一流ムエタイ戦士と拳を交えてきた駿太だが、タイ人との対戦は2012年6月のカイムックカーオ戦以来、約9年ぶり。久しぶりのムエタイ戦で積み上げてきたテクニックの真価を発揮することができるか。  1R、駿太が右ローで先制し、続いてジャブ。ジョムラウィーは右ミドルを蹴り、さっそく首相撲からのヒジとヒザ。ヒジをもらった駿太は“効いてないよ”とおどける。  2R、前に出る駿太は得意の右ストレートを顔面とボディへ。ジョムラウィーは右ミドルと組んでのヒザ、駿太が近付いてくるとヒジを狙うが駿太は距離をとってこれを防ぐ。  3Rはさらに圧力をかけていく駿太。右ストレートを何度もヒットさせ、縦ヒジも繰り出す。ロープを背負ったジョムラウィーに右ヒジ打ちからの左フックをヒットさせてダウンを奪う。  追撃の手を止めない駿太は打ち合いに持ち込み、左フックで2度目のダウンを追加。さらにラッシュをかけようとしたところで試合終了となり、仕留め損ねた駿太は悔しそうな表情。  マイクを持った駿太は「すいません。自分たちがリングに上がれるのも会場へ足を運んでくれる皆さん、マッチメイクしてくれる会長であり、設営してくれる人たちがいるから試合が出来ます。昔は自分だけ頑張ればいいやと思っていましたが、皆さんのお力でリングに立っているんだと思っています。今回不甲斐ない試合でしたがまたYouTubeで流します」と、大会に関わる全ての人たちにお礼を言い、最後はYouTubeを宣伝した。 [nextpage] ▼第10試合 メインイベント第1試合 67.5kg契約 3分3R×山際和希(谷山ジム/第7代Krushウェルター級王者、元Bigbang同級王者)KO 1R 1分44秒 ※左ボディブロー○FUMIYA(ポゴナ・クラブジム)  山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨。しかし、王者として臨んだ11月の『Bigbang』でFUMIYAにKO負けを喫し、続く今年1月の初防衛戦で加藤虎於奈に敗れて王座を失った。続く6月のKrushでも寧仁太・アリに敗れて3連敗中。戦績は32勝(13KO)17敗4分。  FUMIYAは水泳でジュニアオリンピックに出場し、陸上でも関東大会出場を果たしたフィジカルエリート。2017年3月にKrushでプロデビュー。勝っても負けても全てKO決着というレコードで戦績は7勝(7KO)8敗。  両者は2020年11月の『スーパービッグバン2020』にて67kg契約で対戦し、FUMIYAが2R3分ちょうどにバックハンドブローでKO勝ちしている。  1R開始と同時にFUMIYAはバックキックの奇襲。それを見せておいて接近するとバックブローを繰り出す。山際はバックブローを注意しながら回り込み、右ミドルを蹴っていくがFUMIYAの圧力に下がる。  FUMIYAは山際がロープを背負ったところでバックキック。モロにボディへ喰らった山際は吹っ飛び、FUMIYAがすかさずラッシュをかけて左ミドル、左ボディ、さらに左右フックで山際をコーナーへ釘付けに。最後は右アッパーと左ボディが決まり、山際はその場に崩れ落ちて10カウントを聞いた。山際は担架で運ばれるほどのダメージ。  FUMIYAは「べしゃりが苦手なんですけれども」と前置きしながら、「前回山際選手とやってもう1回対戦するとオファーをいただいた時はちょっとマジかって気持ちでしたが、もう1回バックハンドでぶっ倒してやろうって気持ちで試合をしました。山際選手はお腹が痛い状態ですけど、オファーを受けていただきありがとうございました。いま見てもらって分かったと思いますが、K-1のベルトを狙っているのでオファーよろしくお願いします。僕はいつでも出られるのでオファーください」とアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーウェルター級 3分3R△ジョージ(T.G.Y)ドロー 判定1-1 ※29-28、28-29、29-29△松下大紀(BELIEVE MAN)  松下はスーパー・ライト級で戦い、2019年1月には鈴木勇人と第7代Krushスーパー・ライト級王座決定戦を争ったが、その試合を最後に一気に2階級上げてのスーパー・ウェルター級に転向。第1戦では1月にEITOを初回KOに降したが、3月の城戸康裕戦では1Rに先制のダウンを奪うも2Rに逆転KO負けを喫した。戦績は10勝(8KO)6敗1分。対するビッグバンで活躍するジョージは12勝(5KO)10敗1分の戦績。  両者は2018年7月の『Krush』で対戦し、松下が3度のダウンを奪ってKO勝ちしている。  1R、ショートのパンチを繰り出して前に出るジョージを松下はジャブ、右ストレート、左右ボディとヒザ蹴りで迎え撃つが、ジョージは下がらず前へ出てパンチを当てに行く。  2R、右ローを狙い撃ちにする松下だが、ジョージの手数と接近戦に後退。ボディを攻めるジョージに松下は消耗が見え、手数も少なくなる。  3Rは両者足を止めての打ち合い。ジョージは松下のパンチに一歩も退かないどころか逆に押していく。松下も必死の形相で打ち返す。両者動きがスローになりながらも打ち合いを続ける。松下はつかんでのヒザも見せるがジョージのパンチは止まらない。最後までフラフラになりながら打ち合った両者に拍手が送られ、判定は三者三様のドローとなった。 [nextpage] ▼第8試合 Bigbangフェザー級王座挑戦者決定戦 3分3R延長1R×亀本勇翔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangスーパーバンタム級王者)KO 3R 2分34秒 ※左ボディブロー○稲垣 澪(K-1ジム大宮チームレオン)  亀本は2015年12月に瀧谷渉太、2018年1月に森坂陸、2019年2月に出貝泰佑から勝利を収めている。また、敗れはしたものの武居由樹、玖村将史とも拳を交えた。2019年11月にはトーナメントを制してBigbangスーパーバンタム級王座を獲得。2020年12月にK-1初参戦し、軍司泰斗と対戦したがKO負け。5月のK-1では斗麗に判定負けを喫して戦績を10勝(2KO)10敗とした。  稲垣はテクニックに定評があり、2020年4月にプロデビューすると3戦全勝(2KO)。早くもタイトルに絡むチャンスが巡ってきた。  1R、サウスポーの亀本はカーフを蹴りつつ左ミドル、稲垣はワンツーで切り込んでいく。稲垣の右のフックが2度入るが、亀本は変わらずミドルを蹴っていく。終盤、クリンチしてきた亀本が頭を下げたところへ稲垣がヒザを突き上げ、これでフラふいた亀本に稲垣がラッシュ。プッシュして倒れた亀本は立ち上がろうとするもふらついて倒れ、ダウンを取られる。  2Rは互いにパンチとヒザでボディを攻め合い、至近距離でフックを打ち合う。離れると稲垣の右が何度も命中。亀本もパンチを打ち返すが稲垣のヒットが目立つ。  3R、亀本は左ストレートとヒザ蹴りで逆転を狙うが、稲垣はクリンチで止めて亀本に多くの手数を出させない。逆に強い右を打ち込み亀本をグラつかせる。最後はロープを背にした亀本に連打からの左ボディ。一瞬遅れて亀本がうずくまり、そのまま立ち上がることができず稲垣のKO勝ちとなった。  マイクを持った稲垣は「4戦目で挑戦者決定戦の舞台に上げてくださった関係者の皆さん、ありがとうございます。11月14日、みなさんぜひ応援に来てください」とタイトル奪取へ向けて意気込んだ。 [nextpage] ▼第7試合 ライト級 3分3R○琢磨(東京町田金子ジム/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3×平澤優聖(士道館植野道場)  1R、琢磨はパンチを出しながら前へ出ていくが、平澤の前蹴りに押される。ならばと右ローを蹴るとこれが連続してヒット。平澤がパンチを出してくると琢磨もパンチで応える。  2R、琢磨が右ローとボディへのヒザで平澤を消耗させ、コーナーに追い詰めて右ストレートと右フックを何度もヒットさせてヒザも突き上げる。平澤もパンチを打ち返すが、消耗しているのが明らか。  3Rも右のパンチを顔面とボディに打ち分け、右ローを蹴る琢磨。消耗が見える平澤はなかなか攻めに転じることができず、琢磨の連打をもらって右フックで倒れる。最初はスリップ判定だったが、平澤がなかなか立ち上がらなかったためダウンに。立ち上がった平澤は最後の力を振り絞ってパンチを打ちに行ったが、琢磨が翻弄する形で試合を終えて判定3-0での勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級 3分3R○戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本スーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-27×3×戸塚昌司(C'rush)  1R、戸塚は徹底して右カーフキック。前へ出てくる戸塚に戸井田は下がりながらの右フック、右ストレート、ヒザ蹴りを打っていく。  2R、戸井田は左ボディからの右フックでボディを狙い撃ち。よほど威力を流すのに自信があるのか、ノーガードで顔に戸塚のパンチを受けて仁王立ち。ヒザ蹴りも突き刺し、終盤には戸塚をダウン寸前まで追い込む。  3R、戸塚も勝負をかけて打ち合いに行く。両者が足を止めての打ち合いが何度も繰り広げられ、戸井田はノーガードで顔面にもらっても微動だにせず打ち返す。右フックでダウンを奪うと、粘る戸塚をヒザ、右ローで痛めつけ、判定勝ちした。 [nextpage] ▼第5試合 ウェルター級 3分3R×降旗健嗣(士道館ひばりヶ丘道場/MA日本スーパーウェルター級1位)判定0-3 ※28-29、28-30×2○野村太一(K.Bスポーツジム)  1R、ローの蹴り合いが続き、野村はワンツー、左右フックで前へ出ていく。降旗はガードが低くフックをもらうが効いた様子はなくローを蹴っていった。  2R、手数が少ない降旗だったが、中盤を過ぎると左ミドルからワンツーで前へ出て再び蹴ると前へ出る。野村はワンツー、左右フック狙いだがこちらも手数が少ない。  3Rは両者ともパンチで勝負を懸ける。ワンツーを放ちながら前へ出る降旗に野村は左右フック。降旗のワンツーをかわしての野村の右フックが入り、ほぼノーガードでもらってしまう降旗。判定3-0で野村の勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級 3分3R×佐野祐馬(創心會)判定0-3 ※29-30、28-29、28-30○鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)  1R、サウスポーの佐野は左ミドル、鈴木は右ミドルを蹴っていく佐野の左ミドルにワンツーを合わせる鈴木は、佐野がパンチで入ってきたところに右フックを合わせてフラつかせた。  2R、佐野が左ボディで攻め始めると接近戦が多くなり両者クリンチが増える。離れると鈴木は右ロー、右ミドルと蹴りを多用。  3Rは左ストレート、右フック&アッパーとパンチ主体で攻撃する佐野に対して、鈴木は右ローの集中砲火。このローに佐野は身体を傾ける。判定3-0で鈴木の勝利となった。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級 3分3R△小嶋匠一(湘南格闘クラブ)ドロー 判定0-1 ※29-29、28-29、29-29△水越夏気(K.Bスポーツジム)  1R、小嶋は蹴り主体で左ミドル、前蹴り、左右ロー。水越はフック主体で左フックを一発ヒットさせてグラつかせる。  2R、左ミドルと左ローで距離を取って戦う小嶋に水越は飛び込んでのフック。右フックで2度、小嶋が大きく後方へ吹っ飛ぶ。水越は左フックからの右ローも多用する。  3R、左ミドルと前蹴り、水越が前へ来るところにヒザを合わせるなどペースを握り始めた小嶋だが、水越はバランスを崩しながらも思い切りフックを振り回し、最後は組んで崩して蹴り上げるラフファイトを見せたが、判定0-1のドローで痛み分けとなった。 [nextpage] ▼第2試合 スーパーフライ級 3分3R ビッグバンキックルール○ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)TKO 3R 0分48秒 ※右ヒジによるカット→ドクターストップ×拓真(治政館)  1R、サウスポーのナカムランチャイに拓真は右の攻撃を主体に攻めていく。右ストレートでクリーンヒットを奪い、左ローも蹴る。  2R、拓真は右ストレートがヒットするとヒジ&ヒザの猛攻を見せるが、後半になると下がり始め、ロープを背負ったところにナカムランチャイが逆ワンツーをヒットさせた。  3R、下がる拓真にナカムランチャイの右ヒジが炸裂。拓真の左頭部から大量の出血があり、ドクターチェックでストップ。前半の劣勢を一発のヒジで引っ繰り返した。 ▼第1試合 52kg契約 3分3R○大鹿統毅(湘南格闘クラブ)判定3-0 ※30-27×2、30-26×増子泰成(大石キックボクシングクラブ)
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