RISE EVOL.92021年8月28日(土)東京・新宿FACE
▼メインイベント(第7試合)ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R○中島将志(新潟誠道館/同級6位、ウェルター級2位)KO 1R 1分51秒 ※右ストレート×森 興二(FJ KICK ASS/第2代ZSTフェザー級王者)
ミドル級6位・新潟の中島とハードパンチャーの第2代ZSTフェザー級王者・森がメインで対戦。中島はウェルター級でも2位にランクインしており、“ブラックパンサー”ベイノア(3RKO負け)、渡部太基(判定勝ち)、廣野祐(判定負け)らトップ選手と拳を交えた。戦績は8勝(4KO)5敗。森はキックボクシングでは3勝(3KO)3敗の戦績を持つサウスポー。
1R、森は左の強いパンチを繰り出していき、中島は左右のハイキックを蹴る。森の大きな左フック、前へ踏み込むと同時に放たれる左ストレートで後退する中島だったが、森が右フックを放った直後に一瞬遅れて左フックを振り抜き、これでダウンを奪う。
立ち上がった森へ中島は左フックからの狙いすました右ストレート一閃。もろに喰らった森は後方へ吹っ飛ぶように倒れ、レフェリーがここでストップした。
鮮やかな初回KO勝ちを飾った中島は「今日はハイキックを狙っていて右ハイで倒そうと思っていたんですがあんなことになりました。一発もらって倒そうと思って。第1試合に出た細野選手も同門でやっていて、2Rで勝ったから自分は1Rで勝ちたいと思って倒しに行きました。
新潟に帰ったらぽっぽ焼きを食べます(笑)。RISEで初めてのメインということで気合いが入っていて絶対にKOで勝つと決めていたので嬉しいです。10月のナンバーシリーズが空いていたら自分に言ってください」と出場をアピールした。
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▼セミファイナル(第6試合)ミニフライ級(-49kg) 3分3R延長1R×大倉 萌(大道塾吉祥寺支部/同級2位)判定0-3 ※27-29×3○宮崎若菜(TRY HARD GYM/同級3位)
今大会では女子のカードが3つ組まれ、中でも注目はミニフライ級上位戦線となる同級2位・大倉vs同級3位・宮崎の一戦。両者ともここで勝利し絶対王者として君臨する寺山日葵戦に向けアピールしたいところだ。
大倉は2017年北斗旗全日本空道体力別選手権大会女子-215クラス優勝の実績を持ち、RISEではミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント2021で準優勝している。宮崎は空手をバックボーンに持ち、アマチュアキックでは2019年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝。RISE QUEENアトム級王者・宮崎小雪の姉。戦績は4勝(1KO)2敗。
1R、大倉は右ミドルを軸として右インローを蹴り、サウスポーの宮崎が蹴ってくると右ストレートを合わせに行く。宮崎はローを軸にしてパンチでのアタックを仕掛けるが大倉のミドルに止められた。
2R、大倉は右ミドル、前蹴りで距離を保ち、右ミドルからの右ストレートも繰り出す。大倉の距離で試合は進んでいたが、途中から宮崎が距離を潰してボディを中心に攻め始めると大倉が後退。チャンスと見た宮崎が左右ボディで攻めていく。
3R、大倉は左ミドルで突き放しにかかるが、宮崎は接近戦を仕掛けて打ち合いに持ち込む。間合いを潰してのボディ連打、ヒザ蹴り、左ミドルで徹底的にボディを攻め、これで大倉が完全に失速。コーナーに詰まって連打をもらう場面が多くなり、ついにスタンディングダウンを奪われる。
ボディをかばいながらも蹴り返す大倉だが、宮崎がすぐに間合いを潰して打ち合いに持ち込み、優勢のまま試合終了。判定3-0で宮崎が勝利をもぎ取った。
宮崎は「ジムのみんなとサポートしてくれる方々が一生懸命に対策を立ててくれて、私一人では勝てなかったと思うのでみんなの勝利です」と感謝の言葉を述べ、セコンドの平岡琴からは「気持ちが折れたら試合中にグーで殴ると言われていて、インターバルで戻るたびにここで行けよと圧が凄かったので行くしかなかったです(笑)」と檄を飛ばされていたと笑った。
「減量中にめかぶをけっこう食べていました」と“粘り強さ”の理由を語り、「大倉選手に勝ったのでランキングが上がると思うので1位の選手に近いうちにリベンジと、チャンピオンの寺山選手に挑戦したいので2人とも待っていてください」と、1位のAKARIと王者の寺山日葵に宣戦布告した。
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▼第5試合 ミドル級(-70kg)3分3R○康輝(キング・ムエ)KO 1R 2分59秒 ※右フック×鈴木清照(ドージョー☆シャカリキ)
康輝は松倉信太郎、憂也、アラン・ソアレスらとも拳を交えており、戦績は3勝(2KO)4敗。鈴木は5勝(4KO)4敗で倒すか倒されるかの激闘派。
1R、最初からパンチを打ち合い、ローを蹴り合う両者。ミドル級ならではの迫力ある攻撃に場内からはどよめきが起こる。鈴木はジャブを巧みに当てていき、ジャブとワンツーを使い分ける。
鈴木がジャブで流れをつかんだかと思われたが、右フックで康輝がダウンを奪う。続いて鈴木がバックハンドブローを繰り出そうと回転したところに右フックを合わせて2度目のダウンを奪い、最後も右フックで倒して康輝がKO勝ち。
リングアナウンサーのベイノアからどうしてそんなに大きくなったかと聞かれると、「食べ物というよりは夜の9時に寝ていたことが身体がデカくなった理由だと思います」と答えて笑いをとった康輝。
「前回3RKOで負けてしまって今回キングムエの仲間たちと練習してきたんですけれど、練習の成果を出せていないところがいっぱいあるので。ミドル級にやり返さないといけない相手がいて、その相手と組んでもらえるように今後も練習を頑張っていきます」と、今後の目標を語った。
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▼第4試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R○三輪力斗(真正会/第281回新空手道交流大会 K-2JAPAN CUP選抜トーナメント 65kg以下優勝)KO 3R 0分23秒×塩川琉斗(TOP STAR GYM)
三輪は第281回新空手道交流大会K-2JAPAN CUP選抜トーナメント65kg以下優勝の実績を持つ21歳のサウスポーで戦績は1戦1勝。対する塩川もフルコンタクト空手出身で、今年5月に極真会館所属の樋口知春とデビュー戦対決で敗れている。
1R、序盤から塩川は左右ハイを連発、三輪はローを蹴り返していく。塩川は前蹴り、ローも蹴り、三輪はワンツーで切り込んでいくが長身の塩川の顔面をなかなか捉えられない。塩川のローブローで一時中断。再開後、三輪が左フック、塩川が右フックを同時に放ったところで三輪の左フックが先に当たりダウンを奪う。
2R、塩川は掛け蹴りで太ももを狙い、その後もローを連発。三輪もローを蹴り返してローの蹴り合いとなる。塩川はハイ、ミドル、前蹴りと蹴りを多用して三輪を近付けさせない。
3Rが始まってすぐ、打ち合ったところで三輪の右フックがヒット。塩川は立ち上がったものの足元がおぼつかず、レフェリーがストップした。
一発でKO勝ちを飾った塩川はリングアナウンサーのベイノアに「空手家ということであなたにとっての押忍は何ですか?」と聞かれると「押忍は僕の全てです」と答える。
そして「めちゃローとか蹴り技が強くてきつい試合になりましたがなんとか勝ててよかったと思います。今日はお菓子とかジュースとか好きなものを食べて頑張りました。上の舞台で戦えるようにこれからも応援よろしくお願いします」とアピールした。
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▼第3試合 アトム級(-46kg) 3分3R×上真(=じょうま/ROAD MMA GYM)判定0-3 ※29-30×2、28-30○狂猫yokko(BRING IT ONパラエストラAKK)
上真は2勝4敗で現在連敗中。yokkoはタイ国チェンマイボクシングスタジアム認定ライトフライ級王者にも就いたことがあり、4勝(1KO)3敗の戦績。前戦は7月29日に撫子に判定勝ちしている。
1R、yokkoが前に出るが、上真は下がりながらのワンツーをしっかり当て、打ち合いでも左右フックをヒットさせる。しかし中盤を過ぎるとyokkoのパンチが当たり始め、右のヒザ蹴りが効果的にボディへ突き刺さる。さらに連打で畳みかけるyokko。
2Rも前へ出て攻めるのはyokko。上真をコーナーへ追い詰めてパンチとヒザ蹴りで徹底的にボディを攻める。両者クリンチを挟みながら超接近戦で打ち合い、yokkoは密着した状態から左右のボディ連打を繰り出す。
3RもYokkoのしつこいボディ攻めが続く。上真は左フックで応戦。前へ出るyokkoが離れようとする上真を逃さず超接近戦に持ち込みボディをパンチとヒザで攻める。最後はyokkoも左右フックを繰り出し、両者消耗しながらの熱戦はyokkoが判定3-0で制した。
yokkoが「アツいファイトを見せたかったんですが、アツかったでしょうか?」と観客に問うと場内からは拍手。リングアナウンサーのベイノアに、狂猫のリングネームは猫が好きだからか嫌いだからかと聞かれると「狂うほどに猫を愛しています」と答え、「では肉よりも魚派なんですね?」と聞かれると「完全に肉派ですね」と答え、笑いを誘った。
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▼第2試合 -47kg契約 3分3R×紗彩(ドージョー☆シャカリキ)判定0-3 ※28-30×3○撫子(Grabs kickboxing studio)
17歳の紗彩は1勝1敗、撫子は北海道出身の21歳で1戦1敗。
1R、撫子がパンチから蹴り、思い切った左右フックとアグレッシブに攻め込むと紗彩は左ミドルで対抗する。
2R、両者前蹴りを使って距離を取り、パンチで攻め込んでいく。アグレッシブなのはやはり撫子だが、紗彩も左右ミドルと右フックをヒットさせる。
3R、序盤に紗彩が蹴りからパンチ、右ミドルからの右フックでヒットを奪うが、撫子は猛然と攻める。顔面とボディの連打で紗彩をコーナーへ追い詰める場面も。最後は紗彩が右ストレートをヒットさせて試合終了。終始アグレッシブに攻めた撫子が勝利を収めた。
撫子は「1カ月前に同じ場所でデビュー戦で負けてしまったんですが、会長と一緒に練習してきてその成果が出たと思います。このリングネームは会長が付けてくれて、最初にジャパンと撫子どっちがいいかと聞かれてジャパンはスケールが大きすぎるので撫子にしました(笑)。理由は分かりません。これから北海道に戻ってまた練習して強くなります」と笑顔で語った。
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▼第1試合 ライト級(-63kg)3分3R×小川悠太(誠真会館 所沢支部)KO 3R 2分35秒 ※3ノックダウン○細野登弘(新潟誠道館)
小川は2勝(1KO)と無敗、対する細野は1戦1敗。
1Rはジャブの突き合いとローの蹴り合い。お互いにジャブを多く出す中、小川が右カーフキックを効果的に決めていった。
2Rもジャブの突き合いとなる中、小川が右の強打を繰り出す。ジャブのヒットは細野が多いが、小川がパンチのコンビネーションとカーフキックでヒットを奪う。被弾も目立った小川だが、ローにタイミングよく合わせたジャブでダウンを奪った。
3R、逆転を狙う細野がジャブから左フック、右ストレートでアグレッシブにパンチで攻めていく。小川の右をもらいながらも前へ出てパンチを浴びせていき、ヒザ蹴りをボディに突き刺すと小川が失速。連打で立て続けにスタンディングダウンを3度奪い、細野が逆転KO勝ちに成功した。
プロ初勝利をKOで飾った細野は「とりあえず勝ててほっとしました。新潟名物の笹団子を喰ってきました。これからこのまま勝ち続けてナンバーシリーズに出られたらいいなと思います」と笑顔で語った。