勝った試合は全てKOという“KOマシーン”の西元。村越の「盾」をその「矛」で打ち破ることができるか(C)K-1
2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~』にて、第2代K-1フェザー級王者・村越優汰(湘南格闘クラブ)とスーパー・フェザー級3分3R延長1Rで対戦する西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が神奈川県内の所属ジムにて公開練習を行った。
公開練習のミット打ちではパンチ、キック、ヒザ蹴りと力強い打撃を存分に披露した西元。気合いの入った公開練習だったが、その源となっているのは元K-1フェザー級王者・村越というビッグネームとの対戦のチャンスを得たことだ。
「村越選手は戦い方が塩(※つまらない)とか言われている選手ですけど、(体重が)下の階級でK-1の世界チャンピオンを獲っているだけあって、いろんな人から『マジで!』って言われることが多かったですね」と、試合が発表された段階で周囲の反響が凄かったことを明かす。
前回の試合は5・30K-1横浜武道館大会でのMOMOTAROとの一戦だった。MOMOTAROもONE Champion Shipなどの海外の団体で実績を残した強豪選手だったが、今回の村越は元K-1王者。「MOMOTARO選手はキックボクシングの中だと有名な方だと思うんですけど、K-1だけ見ているファンからしたら誰かなっていうのはあったと思うので。村越選手はK-1の中で名前のある選手ですし、武尊さんとかとも試合をしている選手なんで反響は凄かったですね」と、前回以上の反響に驚いているという。
そんな村越の存在を西元はこれまで意識したことがいなかったという。「同じ階級で自分とやる可能性もあると言えばあったんですけど、タイプが違いすぎますし、レベルも高いですし、やるにしてもワンマッチで、しかもこんなに早くやるとは思っていなかったです」と、自身でも驚くまさかのマッチメイクだった。
だが、ビッグネームを相手に迎えても一歩も引くつもりはない。下馬評でも不利とされたMOMOTARO戦もKO勝利を飾り、勝った試合が全てKOの記録も更新している西元だ。
村越の相手の持ち味を封じ込めるファイトスタイルについても、「僕がやろうと思ってもできない戦い方。テクニックがあって、一般には伝わりにくい巧さが凄く詰まっていると思うんですよ。凄い選手ですよね」と、その技術には一目を置いているものの、「ツイッターとかでも面白かったのが、判定マシーンとKOマシーンの対決だって書かれていて、座布団一枚だなと思うぐらい面白かった。やっぱりこういう選手を倒してこそK-1ファイターだと思う」と、自身のKO力を見せつけるにはもってこいの相手と言わんばかりだ。
SNSなどでも「普通に塩漬けにされそう」や「(村越が)普通に勝ちます」といったファンの声が耳に届いているそうだが、「番狂わせではなく、普通に勝ちます」と自信満々に言い放ってみせた。
2018年11月3日に開催された前回のK-1横浜アリーナ大会は山崎秀晃のセコンドとして花道を歩いた。試合後には山崎から「俺も先輩にセコンドに入れてもらって大舞台を歩かせてもらったから今ここにいるし、お前も俺の背中を見てこうなってほしい」という言葉をもらったという。そして、今回は西元自身が選手として大舞台の花道を歩く。「僕のことを知っている人がまだまだ少ないので、K-1と言えば西元と名前が出てくる選手になりたいですね」と、大舞台でのブレイクを目論む。
目標はスーパー・フェザー級でトップに立つこと。「僕は正直、どの階級の中でもスーパー・フェザー級が激戦区だと思っているんですよ。一番強い人がいて、強い人が集まってきて、その中で一番になることに意味があると思うので、ここでしっかりトップになりたいですね」と激戦区の頂点を目指す。
そのトップ戦線に浮上するためにもこの村越戦突破は必須だ。MOMOTARO、村越とビッグネームを連続でKOすれば、それも夢ではない。「負けたけどたまたまチャンスが来てとかじゃなくて、結果を出して一歩ずつ上がってこれたという実感は凄くありますし、このまま駆け上がりたいですね」と、実力で掴んできたチャンスを無駄にするつもりはない。「元チャンピオンの村越選手より僕のほうがK-1ファイターっぽいと思うので、僕が勝ちます」と必勝を誓っていた。