2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~』に出場する、城戸康裕(谷山ジム)と谷山俊樹(同)が神奈川の所属ジムにて公開練習を行った。
城戸はスーパーファイトK-1スーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで山内佑太郎(HALEO TOP TEAM)と、谷山はスーパーファイトK-1ライト級3分3R延長1Rで篠原悠人(DURGA)と対戦する。
現在はK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフが練習の拠点となっている城戸だが、現在も月2~3日は谷山ジムで汗を流している。城戸と谷山が同日にK-1に出場するのは、2010年以来、約11年ぶり。この日は8月29日のBigbang後楽園大会に出場する第7代Krushウェルター級王者・山際和希を交え3人でマススパーリングを行い、インタビューに応じた。
城戸・谷山・山際は谷山ジムの同門というだけでなく、国士舘大学キックボクシング部出身という共通点もある。大先輩である城戸の背中を追い国士舘大学へ進んだ谷山が、大学で知り合った山際をジムに誘って以来、3人の付き合いは15年来となるという。
年下の2人に後輩・弟分としての愛情を見せる城戸と、城戸を実の兄のように慕う谷山、畏怖の念を持ちながらもスタイルを真似するほど城戸を尊敬する山際。息の合った3人は、学生時代の思い出から恩師・谷山歳於会長への思いなど、多くの話題に花を咲かせた。
城戸は3人揃ってのインタビューに、お馴染みのカツラ&眼鏡&ちょびひげの“おじいちゃんスタイル”で登場。城戸は来年40歳を迎えるK-1の大ベテランだが、谷山・山際も現在33歳。より年長者としての存在感を示すためのスタイルだという。城戸はインタビューだけでなく谷山とのマススパーリングも“おじいちゃんスタイル”で行い、ジム頭としての威厳(?)を示していた。
その城戸はK-1横浜アリーナ大会において、山内佑太郎の引退試合の相手を務めることとなった。アマチュアで1戦、2013年8月のKrushで1戦と過去2回対戦した経験から、手の内は知り尽くしているという城戸。Krushで対戦した時でも城戸が30歳、山内が35歳。そこから経過した8年を振り返り、城戸は「35歳と43歳の山内さんなら、35歳のほうが強いはず。でも30歳の城戸康裕と38歳の城戸康裕なら、100%今の方が強い!」と豪語。圧倒的に有利だという見解を示し「圧勝してみようかな」と、引退の花道を飾らせない構えを見せた。
城戸は今回の試合で78戦目。K-1日本人選手最多試合数記録である佐藤嘉洋の80戦まで3戦と迫った。「ベルトを獲りに行くタイミングは全然狙っている」とK-1王座奪取への意欲も強く、カード発表記者会見では「5年10年喜んで」と宣言するほど、長期の現役継続も強く意識している。K-1王座、最多試合、最年長の“K-1三冠王”に向け「負けても引退は考えません!」と、さらなる現役続行を強くアピールした。
谷山は2017年2月以来、約4年7カ月ぶりのK-1本戦参戦となる。K-1 JAPAN GROUPでは5戦目となる一戦に用意される相手は篠原悠人。谷山は「才能がすごいし頭もいい」とその素質を高く評価。3連敗中の篠原だが「負けているといっても、相手はゴンナパー、卜部功也君、西京佑馬君。ゴンナパーには一度1RKOで勝っているし、あとも僅差なので、連敗している選手とは思っていない」と、警戒心を最大限に強める。
今回は自身が赤コーナーとなるが「自分が赤コーナーとは思っていない。挑戦するつもりでやります」と、あくまで難敵・篠原へ挑む姿勢を強調。「僕の生き様をリングで見せます」と、持ち味である真っ向からの勝負を仕掛ける構えを見せた。
ジム・大学の先輩であり、K-1のレジェンドである城戸の前では若手として扱われるものの、谷山もすでに45戦のキャリアを持つベテランの域にある。他団体で数々のタイトルを獲得し、世界王者にも輝いた。今では「目の前の一戦にすべてを懸ける。意識があるうちは骨が折れようが戦い抜く」という姿勢に行き着いた。かつては父である谷山会長に引退時期を相談したというが、今では「終わるタイミングは神のみぞ知る」と、燃え尽きるまで戦い抜くと決心。篠原戦にも全身全霊を懸けて挑む決意は揺るがない。
城戸と谷山の公開練習のパートナーを務めた山際は、8月29日にBigbangでの試合を控える。相手は、昨年11月の『スーパービッグバン2020』で2RKO負けを喫したFUMIYA。9カ月を経てのリベンジマッチに向け「しっかりリベンジしたい」と決意を語った。
その山際が戦うK-1ウェルター級では、K-1横浜アリーナ大会で第2代ウェルター級王座決定トーナメントが開催される。山際は直近の2試合で、トーナメント出場選手である加藤虎於奈、寧仁太・アリに連敗。元Krush王者の肩書きを持ちながらも本戦出場選手には選出されなかったが、「悔しいけど自分のせい」と、現実を真摯に受け止める姿勢を見せた。
一方で、現時点においてはトーナメントのリザーブ枠が未定。また開催までの1カ月、出場選手が負傷する可能性もある。ウェルター級における存在感を示すためにも、今回の試合の目標に「KOでクリア」を掲げる山際。「リザーブ枠、できれば欠場が出たら本戦に出て、3回勝って優勝したい」と、チャンス到来に向けてスタンバイするつもりだ。
K-1三冠王への第一歩を踏む城戸、4年7カ月ぶりのK-1参戦で存在感を示す谷山と、横浜大会にはそれぞれ大きなテーマがある。山際もまたトーナメント参戦のチャンスを虎視眈々と狙う。