ドラムミットに渾身の右を叩き込む小倉。得意のパンチでトーナメント制覇を狙う(C)K-1
2021年8月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.128』で開幕する「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」。その1回戦で内田晶(チーム・タイガーホーク)と対戦する小倉尚也(スクランブル渋谷)が所属ジムにて公開練習を行った。
小倉は2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦しているファイターで、パンチを武器に16勝(8KO)8敗2分の戦績。2020年9月、2021年1月、5月と3連勝している。5月大会では同じくトーナメントに出場する小巻海斗(真樹ジムAICHI)と“これぞKrush”という激闘を繰り広げて勝利した。
2分1Rのミット打ちで得意のパンチを披露した小倉。試合までまだ約1カ月ほどあるため、「疲れはありますけど、コンディションを調整していくのはこれからだし、減量もこれからですからね」と本格的に試合に向かって整えていくのはこれからとのこと。しかし、「調子は悪くないですね」と鋭いパンチを見せつけた。
小倉の前回の試合は5.30『Krush.125』での小巻海斗戦。大激戦を展開し評判となった試合で判定勝利を収めているが、「戦前からKrushらしい試合をやりたいと小巻選手も言っていたので、お互いに盛り上がる試合がしたくてその通りの試合になってくれたかなと。久しぶりに技術よりも真正面から気持ちでぶつかってくれる選手とやったので、自分自身も前回は楽しかったですね」と充実感のある試合だったようだ。
また、小倉はこの試合を含め昨年から3連勝中。「自分自身のレベルも上がってきた証拠なのかなと思いますね。以前は違う団体に出てたので、細かいルールなんですけどルールも変わって、意外とやっぱり難しいのかなというのを感じながらずっとやっていたんですよ。でも、いい意味で馴染んできたというか、そういうところもあるのかなと思います」と、Krushのルールに慣れてきたことが3連勝という戦績を生んだ要因だと自分では考えているようだった。
この勢いに乗った状態でエントリーされた今回のトーナメント。「タイトルマッチができるのかなという気持ちではいたんですけど、全員倒せば誰もが認めるチャンピオンになれると思うのでこれはいいチャンスだなと思いますね。これで勝ったら文句なしだろうって思います」と、モチベーションも高い。
そのためにもまずは1回戦突破が必須となる。対戦相手の内田は宮城県仙台市を拠点にする選手で、先日の5.30『Krush.125』で三井大揮にKO勝利を収めた。これがKrushでは初勝利と、ここまでKrushでの戦績は振るわないが「技術もあって、全然弱い選手ではないので。むしろ自分にとっては相性が悪いぐらいの選手だと思っています。技術でポイントを取っていくっていう形の試合をしてくると思うので、そこを自分がどう崩すかですね」と、小倉に油断するところはない。
とはいえ、苦手なタイプの克服にはこれまでも時間を費やしてきた。「そういう選手を倒すことはずっと意識していたし、そういう練習はしてきたので、その成果が出せるんじゃないかなと思います」と、1回戦突破に自信を見せる。
10月31日の後楽園ホール大会で行われるワンデートーナメントの準決勝では「相性的にも噛み合うと思います。準決勝で当たっちゃうとちょっときついと思いますけど、やりたいですね」とアグレッシブなファイトが持ち味の鬼山桃太朗との対戦を希望。また、決勝戦は「55kgで実績のある選手なので倒したら文句ないと思います」と、ここまでプロでは1敗しか喫していない璃明武との対戦を望んでいる小倉だが、誰が勝ち上がってきてもKrushのベルトを譲るつもりはない。
小倉は2012年に初めてKrushを観戦。翌年から格闘技を始め、現在に至る。「自分が初めて見た次の大会ぐらいの時に-58kg(現フェザー級)のKrushのトーナメントが始まって、それを見てKrushのベルトへの憧れも出た」と、格闘技を始めるきっかけになったのがKrushだった。「格闘技をやっていなかった自分からすると、これほど長く格闘技を続けるとも思っていなかったですし、ここまで来たこと自体が夢のような話なので、本当に夢ですね」と、憧れでもあり夢でもあるのがKrushのベルトなのだ。
「もちろんK-1のベルトも欲しいんですけど、その中でもKrushのベルトはどうしても欲しいですね」と、他のベルトと比べてもKrushのベルトは小倉にとって格別な存在のようだ。そして、あと3試合勝てば、その夢を掴むことできる場所まで来た。「まず8月の大会で必ずKOで勝って、準決勝・決勝につなげたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と夢の実現のため、KO勝利での一回戦突破を誓った。