2021年8月13日(日本時間14日)、米国コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナにて「Bellator 264: Mousasi vs. Salter」が開催された。
メインイベントでは「Bellator世界ミドル級選手権試合」として、王者ゲガール・ムサシ(オランダ)に、ジョン・ソルターが(米国)挑戦した。
▼Bellator世界ミドル級選手権試合 5分5R〇ゲガール・ムサシ(オランダ)王者:185ポンド/83.91kg[3R 2分07秒 TKO] ※パウンド×ジョン・ソルター(米国)挑戦者:185ポンド/83.91kg※ムサシが王座防衛
ムサシは、アルメニア人の両親が亡命したイランのテヘランで生まれ、イラン・イラク戦争の影響で4歳の時にオランダ・アムステルダム郊外のライデンへと移住した。
MMA47勝7敗2分け。UFCで5連勝後にBellatorに移籍し、2018年5月にハファエル・カルバーリョを1R TKOに下し、ミドル級王座獲得に成功。2018年9月に1階級下のBellator世界ウェルター級王者ローリー・マクドナルドの挑戦を受け、2RにパウンドでTKO勝ち、初防衛に成功した。
2019年6月に、ラファエル・ロバト・ジュニアに判定負けで王座陥落も、その後リョート・マチダとの再戦で判定勝ち。ラファエル・ロバトの王座返上に伴い、2020年10月のBellator世界ミドル級王座決定戦で、ウェルター級王者ドゥグラス・リマに判定勝ちで、王座再獲得に成功している。
現Bellator世界ミドル級王者、元Strikeforce世界ライトヘビー級王者、元DREAMライトヘビー級&ミドル級王者の肩書を持ち、キックボクシングでも、K-1 Dynamite!! で武蔵との同名対決で1R KO勝ち、京太郎に判定勝ちするなど5戦全勝。
「MMAルールでも立ち技ルールでも戦える」ことで、伝説の二刀流剣士・宮本武蔵にならって「若きバガボンド」とも呼ばれてきた。計量後、ムサシは「フィニッシュするか、フィニッシュされるか。覚悟してすべてをかけて戦う。今が最高の状態だが、まだすべてを見せていない。最高の勝利を見せる」と意気込みを語っている。
対するソルターは、MMA18勝4敗。レスリングをベースにNAGAなど様々なグラップリング大会で活躍。Bellatorでは8勝1敗と勝ち星を積み上げており、Bellator唯一の黒星は、2018年9月にラファエル・ロバト・ジュニアにリアネイキドチョークで一本負けしたもの。以降、同年11月にチディ・ンジョグアニをリアネイキドチョークで極めると、2019年11月にコステロ・ヴァン・ステニスに判定勝ち、2020年8月の前戦ではアンドリュー・カペルに肩固めで一本勝ち。現在3連勝中だ。
計量後のインタビューでは、「これまで何度も王座挑戦のタイミングがあったが実現しなかった。今回はパーフェクトなタイミングだ。娘が生まれるし、自分の人生にとって必要なものが揃うときが来た。いまこそベルトを獲るときだ。ミスをせずに、5R通してハードに動けるように準備をしてきた」と、王座戦の5Rを戦い抜き勝利する覚悟を語っている。
ハファエル・ロバト・ジュニアに2-0で判定負けしたムサシと、一本負けしたソルター。26KO・12サブミッション勝ちのムサシと、7KO・10サブミッション勝ちのソルターはいずれも打撃・グラウンドともに穴の無いウェルラウンダーだ。サウスポー構えのソルターに対し、オーソドックス構えのムサシはいかにテイクダウンを切り打撃で上回るか。
1R、サウスポー構えのソルターに圧力をかけるムサシはオーソドックス構え。シングルレッグに入るソルターは金網まで押し込み、右足を小外がけでテイクダウン!
両足を束ねると自身の足でまとめるが、金網背に座るムサシは上体を立てて足を抜き立ち上がりに。そこに左足の踵を掴んでバックテイクするソルター。足をかけさせずに立つムサシ。背後のソルターに正対。クラッチを組むソルターは持ち上げようとするが、右腕を差し込んだムサシは右ヒザ! さらに頭を上げて押し込むソルタにヒジを打ち下ろす。ソルターは押し込んだままゴング。
2R、圧力をかけるムサシに頭を下げて左オーバーハンドはソルター。もらったムサシだが前進。右ローを打つソルターに圧力をかけるムサシは右ハイ。ブロックするソルターに左ジャブ、左前蹴り、右ストレート。しかし、ソルターはダブルレッグからシングルレッグへ。切ったかに見えたムサシだが、踵を指一本引っ掛けているソルターは金網際でテイクダウン!
上体は金網に立て座るムサシは立ち上がり。足うぃ広げるムサシにダブルレッグを仕掛けるソルターだが、ついに切ったムサシが上に。金網に押し込みながら背中を着いたソルターに中腰から強いパウンド! さらにハーフの中に入った強いパウンド&ヒジ! レフェリーはストップのタイミングを見るがゴング。
3R、前に詰め、回るソルターを追うムサシ。左の関節蹴りも見せる。ソルターの最初の組みを切ると、圧力をかけられるのを嫌ったソルターのダブルレッグを頭を押して切ってすぐに上に。ハーフのソルターは防戦一方。右の鉄槌を打ち続けるムサシに、ようやくレフェリーが間に入った。ムサシはこれでBellator3連勝をマーク。
ケージの中でのインタビューで、「私は彼に背中を向けたくなくて、でも私の側にケージがあることを知っていたのでそうしました。彼はサウスポーだったのでパンチを入れるのは少し難しかったですが、気分は良かったです」と試合を振り返った。
また、試合後、ムサシはケージに呼び込まれたMMA11勝無敗(Bellator5勝)の新星オースティン・ヴァンダーフォード(米国)と向き合った。36歳にして強さを見せ続けているムサシの次戦は、31歳ヴァンダーフォードとの試合が濃厚か。会見では今後について「ライトヘビー級GPの優勝者とも対戦したい。一番いいのはアンソニー・ジョンソンだ」とも語っている。
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▼ウェルター級 5分3R〇アンドレ・コレシュコフ(ロシア)170.75ポンド/77.45kg[判定3-0] ※30-27, 30-26×2×サバ・ホアシ(米国)171ポンド/77.56kg
1R、ボディロックから金網に押し込むホマシを突き放し右ヒザを突き上げるコレシュコフ。2R、右ローをカーフに突くホマシ。コレシュコフも右ハイから一気にラッシュし金網際でダブルレッグテイクダウン。立つホマシの左右の前進に、コレシュコフは跳びヒザ!
辛うじて蹴り足を掴むホマシだが、それを切ったコレシュコフがスタンドバックに。正対したホマシに尻下でクラッチしたコレシュコフは、ホマシをリフトしマット中央まで歩いてテイクダウン! バックから片足をかけて中腰のホマシに強いヒザを突く!
3R、右ストレートを当てて、ホマシのシングルレッグを切るコレシュコフ。ホマシはスイッチを狙うが、これも小手に巻いて防ぐコレシュコフはヒザ!
たまらずガードに入れるホマシ。足を解くと、コレシュコフは腰を抱いて長い腕でパウンド。亀になるホマシのバックを奪うが、ここはホマシが正対で上に。コレシュコフはラバーガードからゴゴプラッタを狙いゴング。
判定は元王者のコレシュコフが大差3-0(30-27, 30-26×2)で勝利。1年4カ月ぶりに復帰した前戦に続く勝利で2連勝とした。10位のホマシは4月のポール・デイリー戦のTKO負けに続く連敗となった。
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4位のスタッツが3位のマゴメドフにテイクダウンで競り勝つ!
▼バンタム級 5分3R〇ラフェオン・スタッツ(米国)136ポンド/61.68kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×マゴメド・マゴメドフ(ロシア)135.75ポンド/61.57kg
堀口恭司が返上した王座奪還を狙う(※現王者はセルジオ・ペティス)、注目のバンタム級では、前UFC世界バンタム王者ピョートル・ヤンと1勝1敗、3位のマゴメド・マゴメドフ(ロシア)が登場。2度のNCAAディビジョン2王者で、MMA8連勝中、現4位のラフェオン・スタッツ(米国)と対戦する。
Bellaor バンタム級ランキング(※試合前の8月12日時点)王者 セルジオ・ペティス (21-5)1位 フアン・アーチュレッタ (25-3)2位 パトリック・ミックス (14-1)3位 マゴメド・マゴメドフ (18-1)4位 ラフェオン・スタッツ (16-1)5位 レアンドロ・イーゴ (21-5)6位 ジェイムス・ギャラガー (11-1)7位 ジョシュ・ヒル (20-4)8位 ジョーネル・ルゴ (6-0)9位 キャス・ベル (5-2)10位 ダリオン・コールドウェル (15-5)
ダゲスタンの武術寄宿学校パエ・ストロン・スヴェタ出身のマゴメドフは、12月の前戦で元ACBファイターのマテウス・マトス(ブラジル)を判定3-0でドミネート。2021年4月の前戦ではTitan FC、LFA、DW's Contender Series出身のシージェイ・ハミルトンに2R リアネイキドチョークで一本勝ちしており、Bellator3連勝で一気に王座戦線に名乗りを挙げるか。マーク・ヘンリー門下生として、ザビット・マゴメドシャリポフ、エディ・アルバレスらと練習を積んでいる。
対するスタッツもBellator5連勝を賭けてマゴメドフと激突する。ルーファスポートの同門セルジオ・ペティスが同階級の王者に君臨するなか、いかに上位戦線に食い込むか。
今回の試合に向けて、UFC同級のコリー・サンドヘイゲンと練習を積んできた。サウスポー構えから、相手のテイクダウンを切り、長い左ストレート、左ハイも得意とするスタッツ。オーソドックス構えから前足にシングルレッグ、ダブルレッグに移行するマゴメドフは、スタッツをテイクダウン出来るか。
“黄金のバンタム”に注力するBellatorでは、怪我で王座を返上していた堀口恭司の参戦や、GP開催も視野にタレントを揃えている。果たして、誰がバンタム級の主役になるのか。
1R、サウスポー構えのスタッツに、オーソドックス構えのマゴメドフ。圧力をかけるのはスタッツ。マゴメドフのローに、スタッツは左ハイ! ブロックするマゴメドフはスタッツのローを掴みに行く。さらに右ローを蹴り返す。
右ジャブで前手を伸ばすスタッツ。最初のレベルチェンジからのテイクダウン狙いはマゴメドフも。すぐにスタッツもスプロールで切る。
左ジャブを伸ばすマゴメドフ。右ローを当てるスタッツ。マゴメドフは右後ろ蹴りをヒット。さらに右バックフィストは空振り。スタッツは右ジャブのダブルで前に出る。右インローを当てるマゴメドフ。さらに右ストレートの飛び込み。さばくスタッツ。さらにマゴメドフは右を伸ばし、左のスタッツの蹴り返しを掴んでシングルレッグへ。
金網まで片足で立ち背にするスタッツ。いったんハイクロッチで足を上げるマゴメドフだが、足を戻すスタッツは力を抜き金網背に。マゴメドフはかなり力を使うがテイクダウン出来ず。
足を抜き突き放すスタッツが、今度はマゴメドフの右ミドルを掴んでテイクダウン! 金網際での立ち際にバックについたところで緊張感あふれる初回がゴング。
2R、右ジャブを突くスタッツ。右イドルを当て、左ジャブはマゴメドフ、その打ち終わりに組みに行く。さらにシングルレッグから左足を抱えて押し込むマゴメドフは放し際にバックフィスト! しかしその打ち終わりに右を打ち込むのはスタッツ! なおも左で差して大腰気味に乗せてテイクダウンはマゴメドフ!
脇を差してまたいでリバーサルで立ち上がるスタッツ! 今度はスタッツが左を差すが、マゴメドフもすぐに体を入れ替え離れる。右ハイを見せるマゴメドフ。ガードするスタッツは右の長いジャブをダブルで突く! 左前蹴りはかわしたマゴメドフが遠間からダブルレッグも2度切るスタッツはがぶり。首を抜くマゴメドフに離れ際に両者打撃。
マゴメドフの入りに左ハイを狙うスタッツ。互いの左と右が交錯。マゴメドフは右ミドルを当てると、スタッツがヒザ着きのシングルレッグを狙ったところでゴング。
3R、ジャブからスイッチも見せるマゴメドフ。オーソに戻すとスタッツは大きな左で牽制。右をダブルで振り右のスイッチキックから遠間でダブルレッグもがぶるスタッツはマゴメドフの踵を掴んでシングルレッグ、バックテイク! 足を巻かせず、後ろ手を剥がすマゴメドフ! しかしスタッツは右手を喉下に巻き肩を抱く。背後のスタッツの左手を両手で掴んで伸ばすマゴメドフは腰をズラして正対し上に!
すぐに片足をまたぎハーフから攻めるマゴメドフ。パウンドを打ちたいが、スタッツも抑え込まれず。エビを打ち続け左手で差すが、そこにマゴメドフは首を抱えてギロチンがぶり。体を起こそうとするスタッツのバックを奪い、腕十字を狙ったところでゴング。ポジションを奪い合う激しい攻防でゴング。判定へ。
判定はレスリング、テイクダウンゲームで上回ったスタッツが3-0で勝利。ビッグジョン・マッカーシーのインタビューに「俺はこの階級でベストのMMAレスラーなんだ。俺が聞きたいのは、みんながバンタム級の100万ドルトーナメントをどう思うかということだ。もし(同門の)セルジオと戦うことになったら......セルジオ、僕が君を好きなことを知っているだろう。でも、そうでなければトーナメントをやろう!」と呼びかけ、フェザー級に続き、バンタム級ワールドGPの開催をリクエストした。
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▼ヘビー級 5分3R〇ダヴィオン・フランクリン(米国)264ポンド/119.74kg[1R 0分21秒 KO]×エヴェレット・ガミングス(米国)257ポンド/116.57kg
圧力をかけるフランクリン。下がるカミングスにフランクリンは関節蹴りも。金網まで詰めたフランクリンは走り込んでの右ハイをガードの上に打ち込むと、一気に左右連打のラッシュ! カミングスがダウンするとパウンドで21秒 KO!
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▼ミドル級 5分3R〇カジムラット・ベスタエフ(米国)185ポンド/83.91kg[判定3-0] ※29-28×3×タイ・グワーダー(米国)185ポンド/83.91kg
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【プレリミナリー】
▼女子フェザー級 5分3R〇パム・ソーレンソン(米国)145.75ポンド/66.11kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ホベルタ・パイム・サマージ(ブラジル)146ポンド/66.22kg
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▼142ポンド契約 5分3R〇ジェフリー・グロスナー(米国)142ポンド/64.41kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×セバスチャン・ルイズ(ペルー)141.75ポンド/64.29kg
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▼195ポンド契約 5分3R〇ジョン・マクニール(米国)195ポンド/88.45kg[3R 3分57秒 TKO]×オーランド・メンドーザ(米国)194ポンド/87.99kg