2021年7月24日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.127』の一夜明け会見が、25日(日)都内で行われた。
今大会から開幕した「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」で勝ち上がった4選手が出席。前夜の試合を振り返ると共に9月24日大会で行われる準決勝・決勝戦へ向けての意気込みを語った。
東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)を判定2-0(30-29×2、30-30)で破った弘輝(team ALL-WIN)は「ベルトが近付いたので獲ります」とシンプルなコメント。 川﨑真一朗(月心会ラスカルジム)を2R2分54秒、3度のダウンを奪ってKOした里見柚己(team NOVA)は「川崎選手は本当に強くて、ここに川崎選手が座っていてもおかしくない状態でした。試合には勝ちましたが、勝ちよりも川崎選手の気持ちの強さを称えて欲しい」と、相手を称えた。
対戦相手の昇也(士魂村上塾)が計量オーバーのためトーナメント失格となり、ワンマッチという形で対戦して判定3-0(30-27、30-26、30-25)で勝利した瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)は「あまり満足のいく内容ではなかったです。全然ダメだなという、課題が残る試合でした。里見選手はKO、弘輝選手は怪我無く自分のペースで試合をして、昨日の中では自分が一番下かなと思っています。自分が下で挑戦していく気持ちで9月は頑張ります」と、自分が一番ダメな内容だったと反省しきり。
堀井翼(K-1ジム五反田チームキングス)が計量後に体調不良で欠場となり、不戦勝で駒を進めた南雲大輝(八光流柔術総本部)は「堀井選手が体調不良で試合がなくなってしまいました、挨拶をさせていただき後楽園ホールの景色はいいものだと思いました。勝った選手も敗れた選手も戦っている姿が本当にカッコよかったです。羨ましいと思いました、その分も9月に向けてやらせていただきたいと思います」と、試合がなくなった無念さを語った。
以下、質疑応答。
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――準備してきたことを出せたか?
弘輝「前の会見で言った通り足を使って触らせずに勝つというテーマをもって練習の延長でやったつもり。まだあのスタイルが完ぺきではないし、30%くらいなので9月までには100%に仕上げていって触らせずにノーダメージで2勝したいと思っています」
里見「自分は全然20~30%くらいしかな出せなくて。でも絶対KOでインパクトある戦いがしたかったので、結果的に勝ってKO決着だったことにはホッとしています」
瓦田「今までの自分の試合を見てもらっても分かる通り全然ダメダメだなって感じです」
――準決勝の対戦相手の試合を見ての感想は?
弘輝「僕、里見選手の次の試合やったんでめちゃくちゃアップしとったんですよ。だから見ていません」
里見「自分も試合が終わったばかりで見れてなかったので、これからしっかり見て対策を練ろうと思います」
南雲「試合モードのまま会場に入らせてもらって、リングチェックもさせてもらったんですが、後楽園ホールで試合ができることが本当に羨ましかったです。その流れで瓦田選手の試合を見させてもらって、男らしい戦い方されていましたね。グローブハンデも付けずに打ち合って。見習うことが多いなって。ダメージがないのでこのまま練習を再開していい試合が出来るように、お客さんにも昨日試合が出来なかった分もお見せすることが僕の仕事だと思います」
――決勝に向けてどんな準備をする?
弘輝「里見君は1回戦の東本さんと同じサウスポーなのでやることは変わらないけれど、僕の新しいスタイルに、昨日も要所で効かせていたと思うんですけれど、そこを倒せるプランを何個か作ってぶつけたい」
瓦田「初代(王者)の(梶原)龍児さんのベルトを自分たちのジムに取り戻す。その気持ちで毎日練習をやって内容どうこうより意地でも奪い取ってやろうという気持ちで練習していこうと思っています」
南雲「やっぱりラウェイサンダーですね。ラウェイサンダーの打ち込みを1000回やってきた、んですが 明日からは1万回に増やしてやります」
里見「優勝するための準備をすぐにでもしたいんですが、Krushの舞台なので昨日のKOを超えるような試合を2試合して、自分が小さい頃から見てきたKrushはあんなもんじゃないと思っているので、今の時代に合うような凄いKOがまた見せられるように仕上げたいと思います」
――弘輝選手に質問です。昨日の試合では弘輝選手らしさが見られなかったとのファンの声もありますが?
「打ち合いして負けたらガードせんだ、足を使わへんだ言われて、ファンの声を真摯に受け止めてガードの練習してきたら面白くないだの無茶苦茶じゃないですか(笑)。でもまあ、俺らしさも、昨日は新しいスタイルで勝てたのは自分の中でめちゃくちゃデカくて、グチャグチャってなって打ち合っても僕は勝てる自信があるし、どっちでもいいよって感じで。足を使っても勝つ自信があるし。場面によっては打ち合うし、足使うしって選択肢が広がって倒せるパターンも一気に増えたと思うんで、それを煮詰めようかなと思っています。でも、ファンは無茶苦茶です(笑)」
――里見選手としてはどっちのスタイルで来て欲しい?
「全然それはどのスタイルでも対応できるように自分も準備したい。トーナメントなので早い段階で決着を付けたいのと、会場を盛り上げたいので出来れば打ち合って、倒し合いで会場を爆発させられたらなって。そういう試合が自分と弘輝選手は出来そうな気がします」
弘輝「打ち合いたくない(笑)。打ち合うのしんどいので。でも、早い段階で倒したい気持ちはお互い一緒なので、俺は打ち合いたくないですけれど、おのずと打ち合うことになると思いますね。それしたらKrushファンもK-1ファンも認めてくれるでしょ。俺はあいつらを黙らさなあかんから」
――瓦田選手は南雲選手がしきりに口にするラウェイサンダーについては気になる?
「ラウェイサンダーより金的を気を付けたいなって(笑)。リアルにそれをやられると勝ち進んだら決勝もあるので、そこは蹴られたくないなっていうのがあります」
――対戦相手が計量オーバーしたことは、精神的な影響はあった?
「そこはどういう状況になってもプロとしていろいろな状況があると思いますし、今後もそういう上手くいかない状況はあると思うのでいい勉強になりました。昨日の自分が試合で上手く見せられなかったのはそれが原因じゃないです」
――南雲選手、金的に気を付けたいと言われてましたか?
「僕の代名詞と言えば金的蹴りとラウェイサンダーなんですけれど(苦笑)。この場ではっきりさせておきたいのは、ラウェイサンダーは金的蹴りではないです。堀井選手と戦って金的蹴りじゃないぜってところを証明したかったんですけれど、9月にお預けになってしまったのでラウェイサンダーを1万回素振りしてきます」
瓦田「金的蹴りを1万回素振りするんじゃないでしょうね?」
南雲「1回も素振りしないです」
中村K-1プロデューサー「多分、堀井選手とやった印象が強すぎるだけで、それ以外はほとんど蹴ってないと思いますよ」
南雲「堀井選手、3回目があるならやりましょう、って感じですね」
――南雲選手、優勝候補と言われている瓦田選手と次に戦うことにはどのような意気込みですか?
「優勝候補と言われている選手であろうが、戦績的に優勝候補ではない選手であろうが、僕がやることは変わらないですし、とにかくラウェイサンダーのみですね。昨日の試合のために全部時間を使って稽古してきたんですが、まさかのマイクのみだったのでどうしたらいいのかって思いました。試合で面白いものを見せるために引き続き頑張りたいと思います」
――最後にファンへメッセージを。
弘輝「昨日勝ててホッとしていて、いつもやったら試合が終わって遊びに行こうと思うけれど、次を向いているので、昨日勝って自分の悪いところがまだまだ見えたし、煮詰めなあかんところが見えたので、ベルトを獲って足を使って倒すスタイルをしっかり作って、ファンのみんながコイツには誰も関てないと思うくらいのスタイル作って、9月は2人と。誰が来るか分からないけれど俺は瓦田君ととやりたいから待っています。で、ベルトを獲ってずっと防衛するつもりです」
瓦田「優勝候補と言ってもらっているのに満足のいく試合ができなくて。完璧に自分は逆転されて挑戦者になったと思っているので、挑戦者のつもりで全力で9月は戦いたいと思います」
南雲「昨日の試合を見て本当にカッコいいなと思いましたし、凄いなと思いました。格闘技ってやっぱりいいもんだなと思いました。昨日試合モードだったんですけれど、9月にはそのままいきます」
里見「いまオリンピックが開催されていますけれど、自分と同世代の人たちが出ていて、自分はそれすらも悔しいというか、自分が一番目立ちたいので、それを超えられるのがKrushやK-1の舞台だと思っているので、すぐに練習してまた9月に衝撃的な2試合をして同世代の中で一番目立ちたいと思います」