MMA
インタビュー

【修斗】女子スーパーアトム級挑戦者決定戦へ、SARAMI「私と中村さんが試合をすることで、黒部さんのベルトに挑むストーリーを作ってきたことは一切無い。それでも……」=7月25日(日)後楽園

2021/07/23 12:07
 2021年7月25日(日)、後楽園ホールにて、プロフェッショナル修斗公式戦が開催される。  セミファイナルでは、女子スーパーアトム級戦(5分3R)として、SARAMI(同級2位/パンクラスイズム横浜)が、中村未来(同級4位/マルスジム)と対戦する。同試合は、世界王者・黒部三奈への挑戦権をかけた試合となる。  SARAMIは、DEEP JEWELSからONE Warrior Seriesを経て、2020年11月に修斗に初参戦。インフィニティリーグ優勝者の杉本恵と対戦し、打撃で右ストレートを当てるなど付け入る隙を与えず、1Rに得意の腕十字で一本勝ちしている。その後、2021年3月のQUINTETでも吉田綾子を腕十字に極めるなど、組みの強さも見せている。  DEEP JEWELSではアトム級(-47.6kg)で戦っていたが、修斗では王座を目指しスーパーアトム級(-50.0kg)で参戦。25日の中村戦に向け、「試合3日前の今日はオフで、体重はあと1kg。アトム級のときよりは全然、余裕です」と語る。  現在の練習環境は、「基本的にはパンクラスイズム横浜で練習していて、柔術とかグラップリングは、CARPE DIEM三田に会員として通っています」という。  QUINTETではCARPE DIEMチームの一員として総合格闘技で培った「身体の強さはチーム1」とのキャッチコピーで参戦し、坂元和子(反則勝ち)、吉田綾子(腕十字)を相手に2人抜き。フィジカルだけではないトップポジションの強さを見せて優勝に貢献した。  現在でもCARPE DIEM三田で石黒遥希、菅里実らと練習するが、その最大の目的は、「女の人と向き合うこと。やっぱり男性だと大きいからやりやすかったりするところもあるんです。女性だと柔らかくて抑えづらかったり、思ったより力強かったりするので、そういうことを感じる練習、慣れる練習ですね」と、女子選手特有の身体や動きを体感することが重要だという。  富山のクラブバーバリアンからパンクラスイズム横浜に移籍して以降も、女子選手との練習は限られてきた。自身より大きな男子選手を相手にMMAを磨いてきたが、出稽古では同階級のライバルとも練習せざるをえない。そうすることで、日本の女子MMAファイターたちは切磋琢磨し、鎬を削ってきたのが現実だ。9月のRIZINでは、浜崎朱加と練習仲間の藤野恵実との対戦が発表されたばかり。  いまもSARAMIは、いずれ戦うであろう選手と週1回、練習をしているという。 「出稽古で……日曜日にMASTER JAPANで黒部三奈さんと練習をしています。練習でも気持ちが強いので、試合も練習も変わらない。互いにすごいなと思いながら、練習をしています」  黒部との3度目の対戦にこだわりはないが、その先にベルトがある。DEEP JEWELSで王座に挑戦し、ONE Warrior Series(OWS)では1勝1敗も、コロナ禍で活動が停止。目標が見えなくなった。OWSでのキム・ソユルとの苦い敗戦は、「周囲と自分の気持ちとの食い違いもあって負けてしまった。それから、もっと自分を信じて試合ができるようにと作ってきました」と糧となっているという。 [nextpage] 中村選手? 富山にいたときの私に似ているなって  2020年11月の前戦、修斗初参戦となった杉本恵との試合では、打撃・組み技ともに圧倒。1R 2分46秒、腕十字で一本勝ちした。 「思ってた以上に簡単に勝ってしまって、ビックリしました。自分が強くなったのも実感できた試合でした」  細かいステップとフェイントから、鋭い踏み込みでの右ストレートで杉本を崩したSARAMI。 「足の使い方、ムーブメントトレーニングとフィジカルトレーニングを(大宮司)岳さんみてもらっていて、男子のトップ選手と同じことをやらせてもらっています。そこはほかの女子選手とは違うと自信を持って言えます」  レスリング出身の杉本に対し、ケージレスリングでは得意の柔道の組みだけではなく、ムエタイクリンチからのヒジ打ちも見せた。 「打撃は全体的にレベルアップしています。ムエタイの動きを特別に取り組んでいるわけではないですけど、パンクラスイズムの選手練習でマモルさんに教わったり、ロータス世田谷で八隅(孝平)さんに習ったり、そのなかで覚えた動きのひとつだと思います。いろんな刺激が自分のなかに入っていて、自分にいいものを採り入れて充実した練習ができていて、試合のなかでも出ているのだと思います」  動画では、9月にPANCRASEでの復帰戦が発表された川村亮にパウンドを打ち込む姿をアップ。「打撃は、川村さんともいっぱい話して変えた部分ではあります。先日も『自由に打っていいよ、合わせられるから』と言われて、川村さんのミットが無いところに……ヒジを打ってしまって」と苦笑するほど、MMAのなかでバリエーションが増えている。  25日の対戦相手は、ストライカーの中村未来だ。 「6月に話を聞いて、いつかやると思っていたので『やります』と答えました」  その印象は「富山にいたときの私に似ているなって。負けん気が強くて運動神経が良くて、対戦相手を選ばず試合をしていれば……それなりのところには行けますよ」という。  我武者羅に試合をこなせば“それなり”のところまでいくが、「トップ選手に勝っていない。なので、それだけという感じです」と、まだ厳しい相手との試合経験はないとした。  2021年2月の「Road to ONE」で中村は、ONE本戦で活躍中の平田樹と対戦した。平田のアトム級GP前のチューンナップ・ファイト的な位置づけの試合を、中村が健闘し爪痕を残す形となった。  しかし、SARAMIの評価は冷静だ。 「あれは中村選手がどうというよりは、平田さんがちょっと思っていたのと違って上手くいかなかった、というだけの試合だと思います。1R目は中村選手が打撃を当てたり、組みを凌いだりということは出来ていたかと思いますが、2R目以降に結局、疲れちゃったから出来なくなって負けたので、それは実力だったと思います」  平田が勝ち方にこだわった試合のなかで、右利きサウスポー構えの中村は打撃で圧力をかけた。続く北野きゅう戦では左ストレートをクリーンヒットさせ、2R TKO勝ちを収めている。 「思い切りのいい打撃はするな、とは思いますよ。でも打撃が強い、というよりは消去法で、寝技をやらないから打撃を思い切り振っているだけの強さ」と、打撃のための打撃の穴があるとした。  平田の組みを凌いで立ち上がった中村だが、SARAMIは、「立ち上がってもまた組んで倒せばいいし、立って勝負してもいい。私も倒せる打撃を持っているので、そこでも負けるつもりはありません」と全局面で勝負できるという。  差がある? と聞かれ「はい、もちろん。トータル点数は私の方が遥かに高い」と気負うことなく語った。  杉本を圧倒したSARAMIに対し、1年前は杉本に一本負けしている中村には「抜擢」感がある。しかし、そのチャンスに存在感を示してきたのも確かだ。  SARAMIは自身にとって、「このマッチアップに特に意味はないです」と、淡々と語る。 「私と中村さんが試合をすることで、黒部さんのベルトに挑むストーリーを作ってきたことは一切無いと思うんです。それは仕方ないよな、とは思いますけど、私がその先に進むのに対戦相手として組まれたら、負けられない試合であり、勝つだけです」 「試合をする場があって、最高の試合をするだけ」というSARAMIは、2012年のJEWELSから10年目のプロファイターとしての試合を、仕事を持つ社会人として戦う。 「もちろん、専業格闘家になれればなりたいです。でもそんなに甘くない。デビューして10年。富山のときにやりこんでいたこととかも、今になって気持ちも安定して、身体も調子が良くてフィジカルやムーブメントが全部繋がって、いまそれが試合で出せる状況なのかなと実感しています」  プロ27戦目、中村の3倍のキャリアを誇るSARAMIは語る。 「簡単に勝てるとは考えていません。でも、私とはレベルが違います。すべてで圧倒します。女子ですけど、完成されたMMAの試合を見てほしい」。 [nextpage] プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5 Supported by ONE Championship2021年7月25日(日)後楽園ホール[開場]17:15 [開始]18:00※全席完売、当日券販売は無し※ABEMA「格闘チャンネル」生中継 ▼メインイベント 第8試合 世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5RSASUKE(同級1位・環太平洋王者/マスタージャパン東京)工藤諒司(同級7位/TRIBE TOKYO MMA) ▼セミファイナル 第7試合 女子世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦 5分3RSARAMI(同級2位/パンクラスイズム横浜)中村未来(同級4位/マルスジム) ▼第6試合 バンタム級 5分2R論田愛空隆(心技館)中村倫也(EX FIGHT)※デビュー戦 ▼第5試合 ライト級 5分2Rエドモンド金子(BRAVE)岡澤弘太(佐山道場) ▼第4試合 フェザー級 5分2R仲山貴志(総合格闘技津田沼道場)結城大樹(マスタージャパン福岡) ▼第3試合 バンタム級 5分2R齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)野瀬翔平(マスタージャパン福岡) ▼第2試合 フライ級 5分2R山内 渉(FIGHT FARM) ※デビュー戦植木“令和”新(シューティング宇留野道場)※デビュー戦 ▼第1試合 トライアウトルール フェザー級 3分2R村山大介(マスタージャパン東京)スソン(KRAZY BEE)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.316
2021年9月22日発売
表紙は10.2「RIZIN LANDMARK」で対戦する朝倉未来×萩原京平。創刊35周年企画として「王者たちが選ぶ、魂が震えた名勝負」を78選手が語る! また「コロナ禍のJ-MMA」では各団体代表が登場。
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント

関連する記事