永末ニック氏の指導で共にトレーニングする那須川と井上 撮影/若原瑞昌
2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.30』にて、RIZINバンタム級(61.0kg)トーナメントの2nd ROUNDで金太郎(パンクラス大阪稲垣組)との対戦が決まった井上直樹(セラ・ロンゴ&ワイドマンMMA)。
小学生の時から総合格闘技、キックボクシング、シュートボクシング、柔術のアマチュア大会に出場し、16歳でプロデビューしてからMMA1勝、シュートボクシング2勝1敗の戦績で出場した「DEEPフューチャーキングトーナメント2014」のフライ級で優勝。高校2年生にして、腕十字で連続撃破してトーナメントを制した。
そのままDEEPで8連勝を飾ると、2017年6月に日本人最年少(20歳と3日)でUFCデビュー。勝利を飾ったがその後は2連敗し、2019年12月に国内復帰。RIZINには2020年2月から参戦し、トレント・ガーダムに判定勝ちして以降は渡部修斗、元谷友貴、石渡伸太郎に連続1Rで勝利を収めている。
現在は永末“ニック”貴之氏の元でトレーニングを積み、志朗ともスパーリングを行っている井上だが、永末氏とのトレーニングでは那須川天心(TARGET/Cygames)とも同じ場所でトレーニングに励んでいるという。その情報を『ゴング格闘技』がキャッチ。合同トレーニングの様子を取材した。
那須川は井上の打撃について「上手いです。普通に同じ階級のキックボクサーにも全然勝てると思います。それくらいのレベルです」と絶賛。特にステップが素晴らしいとし、それは自分と同じくジュニアキックを経験していることが根本になるとする。
(写真)那須川天心のシャドーを見つめる井上
「僕も含めて、これくらいの世代のジュニアキックをやっていた人たちはステップを使います。アマチュアのキックはステップを使わないと勝てなかったですし。タイプ的には僕と直樹君は似ていると思います。打ち合うというよりかは距離を取ってカウンターを狙っていくタイプですね。だからそういう幼少期に仕込まれたものがずっとあるのだと思います」(那須川)
(写真)ダンベルを持って高く飛び上がる那須川の驚異のジャンプ力
井上はジュニア時代から「頭にはもらわないようにというのは昔から言われていました」との指導を受けたと言い、「攻・防はしっかりしたいですよね。攻・攻ではなく。したいというか、ちゃんとしないとダメだと思います。攻・攻だと我慢大会じゃないですか。どっちかいいのが先に当たった方が倒れるみたいな。見てる側からすればそれが面白いのかもしれないけれど、こっちは勝つためにやっているわけですからね」と、自分が攻めることばかり考えるのではなく、しっかり守ることが大事だとの考えを示した。
これには那須川も「僕と一緒ですね。それが普通じゃないといけないと思います。避けられて当たり前、自分がディフェンス出来て当たり前というところがベースにないとやっていけないですよ」と防御の大事さを説いた。
『ゴング格闘技』の対談では那須川の井上vs石渡戦の分析から始まり、両者の格闘技感、トレーニングを通じてのお互いの姿勢や考え方をぶつけ合ったほか、那須川がバンタム級トーナメントでの井上と他の選手の打撃の比較などを語っている。