Cygames presents RISE WORLD SERIES 20212021年7月18日(日)エディオンアリーナ大阪・第一競技場
▼メインイベント(第13試合)RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント 一回戦○大崎一貴(OISHI GYM/第2代RISEスーパーフライ級王者、初代WMC日本フライ級王者、LPNJフライ級王者)判定3-0 ※29-28、29-28、29-27×石井一成(ウォー・ワンチャイプロモーション/BOMスーパーフライ級王者、IBFムエタイ世界フライ級王者、WPMF世界フライ級王者、KING OF KNOCK OUT初代フライ級王者)
大崎はタイ・ルンピニースタジアムで8連続KO勝利を飾り、同スタジアム王座に挑戦したこともある。2018年には「KING OF KNOCK OUT初代フライ級(51kg)王座決定トーナメント」で準優勝。RISEには2020年2月に初参戦し、9月に田丸辰を破って王座を奪取。今年2月大会ではWBCムエタイ日本統一バンタム級王者・一航を破り、現在5連勝中で戦績は33勝(17KO)5敗2分1無効試合。5・16『RISEonABMEA』で志朗と55kg契約での対戦が決まっていたが欠場。
石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。タイを主戦場に6連続KO勝利を飾り、2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2017年6月からは『KNOCK OUT』に参戦し、2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座も保持し、那須川天心に対して“西の神童”と呼ばれている。今年2月の『NO KICK NO LIFE』では麗也を判定3-0で破り、4月のBOMではサンチャイを三日月蹴りでKO。そのキャリアのほとんどをムエタイルールで戦ってきたが、今回はRISEルールに挑戦。戦績は33勝(17KO)10敗2分。
1R、圧を懸けていくのは大崎。ロープを背負う石井はパンチのコンビネーションを出して離れる。ミドル、ローを蹴る石井に圧を懸けてパンチの距離に持ち込む大崎。そのパンチで石井は早くも鼻血を出す。
2R、石井はギアを上げてスピードのある左ボディ。終盤間際の打ち合いで、石井のコンビネーションの打ち終わりに大崎が左フックを打ち込んでダウンを奪った。
3Rは開始から足を止めての打ち合い。逆転を狙う石井がコンビネーションを回転させる。ボディ、ローでガードを下げさせてのフックを狙う石井だが、大崎もフックを打ち返す。圧をかけ続ける大崎。最後まで勝ちに行く石井の右フックでダメージがあったように見えたが、大崎も必死に食らいついて試合終了。判定3-0で大崎がリベンジに成功した。
大崎はマイクを持つと「過去3回試合して、1敗2分けで1回も勝ったことがない相手で。前回負けてしまって悔しい想いをしていたので、今回トーナメントに参戦されるとのことでやっと借りを返すことができました。これで1勝1敗2分になったので、次またどこかでやることがあると思いますが決着をつけましょう。3R目のフックが効いて覚えてないですが、ダウンを取ったのが大きかったです。9月、今回僕の前で試合していて強い選手ばかりですが、しっかり練習して僕が優勝するので楽しみにしていください」と語った。
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▼セミファイナル(第12試合)RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント 一回戦×滉大(及川道場/HOOST CUP 初代日本スーパーフライ級王者、第2代DEEP☆KICK 53kg王者)延長R 判定0-3 ※8-10×3○志 朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント~優勝、ISKAムエタイ世界バンタム級王者)※本戦の判定は※30-30、29-30、30-30。
滉大は関西で活躍するファイターで2017年4月に現在K-1で活躍する玖村将史、7月に現在RISEで活躍する政所仁、12月にKNOCK OUTで活躍したタネヨシホを連続撃破してDEEP☆KICK 53kg王者となった。さらに、2019年5月のホーストカップではJ-NETWORK&WMC日本スーパーフライ級王者で大崎一貴の弟・孔稀から延長戦で勝利を収め、HOOST CUP日本スーパーフライ王座に就いた。戦績は15戦無敗を誇っていたが、2019年10月のHOOST CUPで大崎一貴に判定2-0で敗れて初黒星。再起戦となった昨年10月の大阪大会ではMA日本バンタム級王者・KING剛をフルマークの判定で下して初防衛に成功。その実力者ぶりは以前から轟いていたが、今回ついにRISE参戦を果たす。
志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。新日本キックボクシング協会で活躍し、2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からは「打倒・那須川天心」を掲げてRISEに参戦。2019年9月の「RISE WORLD SERIES」-58kg級決勝戦でついに実現したが、判定3-0(30-28×3)で敗れた。打倒・那須川天心を近い、2020年11月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント」で植山征紀と鈴木真彦を破って優勝。今年2月に再び那須川に挑んだが、判定で敗れた。戦績は22勝(10KO)3敗4分(タイの試合は除く)。
1R、滉大は左ミドル、志朗は右ロー。滉大が蹴ると必ず蹴り返す志朗。自分からはジャブを突き、まずは様子見か。滉大は積極的に左ハイも蹴っていく。
2R、ジャブと右ローをしっかり当てていく志朗に、滉大はフェイントをかけつつコンビネーションの中でハイキックを蹴る。志朗のワンツーには左フック。打ち合いでは負けていない。
3Rはジャブと右ローに加えてワンツー、右ストレートも繰り出す志朗。この右をもらって滉大はクリンチが増える。それでも顔面前蹴りをヒットさせ、左フックも打って対抗。
判定はジャッジ1名が志朗を支持したがドロー。延長戦へ突入する。前に出る滉大は左ハイ、左ボディをヒットさせる。手数も多く滉大に流れが傾き始めたかのように見えたが、志朗が矢のようなワンツーでダウンを奪う。立ち上がった滉大はそれでも前に出るが、志朗の右をもう一度もらう。志朗はステップを使って距離を保ち、そのまま試合を終えて1回戦をクリアーした。
志朗はマイクを持つと「本当は53kgでも強い志朗を見せたかったんですけど、滉大選手強かったです。全然今回の動きは合格点に及びませんが、出るからには55kgに続いて53kgも制覇したいと思います。9月、横浜で応援お願います」と、苦戦に苦笑いしながらも二階級制覇を宣言した。
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▼第11試合 RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント 一回戦×江幡 睦(伊原道場/第5代新日本キックボクシング協会フライ級王者、WKBA世界バンタム級王者)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10×2○風 音(TEAM TEPPEN/RISEスーパーフライ4位)※本戦の判定は29-29、29-30、30-30。
江幡睦は双子の弟・塁と共に幼い頃から極真空手を学び、中学生でキックボクシングを始めた。2007年9月に兄弟そろって新日本キックボクシング協会でプロデビューすると連戦連勝ですぐに頭角を現し、2010年3月に19歳で日本フライ級王者に。2012年7月には当時国内バンタム級最強の男と目されていた藤原あらしをヒジ打ちによる初回KOで破り、一躍その名を轟かせた。2014年4月にはWKBA世界バンタム級王座も獲得。2019年10月、最大の目標とするラジャダムナンスタジアム王座に4度目の挑戦を行ったが、王者サオトーとドローで王座獲得はならなかった。長年にわたって新日本キックのエースとして活躍し、破壊力抜群のパンチ&ローで国内外の強豪をマットに沈め、ほぼムエタイルールで37勝(27KO)3敗3分の戦績を誇る。昨年9月にRIZINに初参戦し、RISEバンタム級1位・良星から2度のダウンを奪って勝利している。
風音はプロキャリア前半は関西を中心に活躍し、2019年3月にTEAM TEPPENに移籍。同年9月には元新日本キックボクシング協会フライ級王者の麗也からTKO勝利、11月には元NJKFフライ級王者の松谷桐に判定勝利を収め5連勝をマークしていたが、昨年2月の大崎一貴戦で2度のダウンを奪われ連勝がストップ。2月大会で1年ぶりの試合を迎え、元新日本キックボクシング協会バンタム級&フライ級王者HIROYUKIからダウンを奪って勝利した。戦績は13勝(6KO)5敗。RISEスーパーフライ級4位。
1R、江幡は強い右ローと左ミドル。風音は右ボディストレートを打っていく。打ち合いになると風音が最後に一発を当て、江幡のパンチにも合わせていく。
2Rも江幡が強い右ローと左ミドルを蹴っていくが、風音はそのミドルに右ストレートを合わせる。江幡も右ストレートを繰り出していくが、パンチの打ち合いになると風音の右がヒット。パンチで風音、蹴りで江幡。
3R、風音は前へ出てパンチを当てに行く。江幡もパンチで対抗するがヒットするのは風音の右。江幡の蹴りの距離を潰すようにパンチで勝負する風音。江幡も左フックを打つがパンチは風音が優る。
延長Rは江幡もパンチ主体で前に出る。ワンツー、左フック。しかし風音は距離を詰めて細かくパンチを出し、右フックで江幡の顔が仰け反る。雄叫びを上げてながら左右フックを振って前へ出る風音。
判定は2-1で気迫を見せた風音が勝利。見事、大番狂わせを起こしてみせた。
狂喜乱舞する風音は涙ぐみながら「ホントにヤバい。会長に勝つって約束していたから。死んでも。僕を信じて応援してくれた皆さん、ほんまにありがとうございます。知らんヤツに予想とかされて、トーナメントに出ることがおかしいとか言われて。見たかボケ! 優勝候補に勝ったやろ! すいません、口が悪くなっちゃて。2カ月後、僕はトーナメントの中でほんまに一番強いと思っているのが(政所)仁なので、仁と僕が凄い作品を作り上げる予定なので僕を信じて横浜でお会いしましょう。まだまだこんbなところで止まりません」と、高らかに宣言した。
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▼第10試合 RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント 一回戦○政所 仁(魁塾/WBKF世界スーパーフライ級王者、J-NETWORKフライ級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×2×田丸 辰(TRY HARD GYM/初代RISEスーパーフライ級王者、同級1位)※政所が準決勝へ進出。
政所はKNOCK OUTフライ級王者・石井一成にも勝利したことがあり、止まらない手数とバックハンドブローなど相手の意表を突く技を繰り出す。2018年11月にJ-NETWORKフライ級王座を獲得。2019年5月に田丸の初防衛戦で挑戦して判定で敗れているが、11月には一貴の弟・大崎孔稀からダウンを奪い、殊勲の勝利を収めた。しかし、2020年7月大会で大崎一貴とのスーパーフライ級王座挑戦者決定戦で敗れており、今回が再起戦。戦績は12勝(2KO)8敗。WBKF世界スーパーフライ級王者、J-NETWORKフライ級王者。
田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃を続けてきたが、2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫した。所属ジムを変えて7カ月ぶりの再起戦となった2020年7月のMASAKING戦で勝利するも、9月の2度目の防衛戦で大崎に敗れて王座を失った。
1R、田丸はサウスポー。両者ミドルを多用して蹴り合う中、政所はいきなり飛び込んでのフックやヒザ蹴りとトリッキーな動きを織り交ぜる。
2R、田丸は随所でヒザ蹴りを入れるが、パンチは空を切る。政所も変わらずミドルを蹴るがパンチはかわされるという展開が続く。最後にもパンチをまとめ、このラウンドは政所が前に出て手数を出した。
3R、政所が前に出てきて距離が詰まると、タックルのように組み倒してしまう田丸。政所は接近して手数を出すごちゃごちゃした展開を作り、そこで右のパンチを当てる。両者ミドルを蹴るが、政所の乱戦に持ち込まれる田丸。そして右フックでバランスを崩した田丸が下がって離れようとしたところに追いついた政所の右ストレートがヒットし、倒れた田丸に痛恨のダウンが宣告される。
判定3-0で政所が田丸にリベンジ成功。政所はマイクを持つと「RISEのタイトルマッチで田丸選手に負けちゃってそのリベンジだったんですけど、現王者の大崎選手の方が圧倒的に倒したんじゃないですかね。僕はこのトーナメントで圧倒的に優勝しようと思うので僕を覚えて帰ってください。政所仁です。これから僕に注目してください」とアピールした。
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▼第9試合 SuperFight! フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R○鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級王者)判定3-0 ※29-28、30-28×2×テーパリット・ジョウジム(JOE GYM/元WBA世界スーパーフライ級王者)
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、19連勝という驚異の記録を打ち立てた。しかし、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」準決勝で江幡塁に勝利も、決勝で志朗にダウンを奪われて約5年ぶりの黒星を喫した。2月大会で溜田蒼馬を初回KOに下して再起。
テーパリットはムエタイで200戦以上を経験し、160勝を収めてボクシングに転向。2011年に世界初挑戦でWBA世界スーパーフライ級暫定王座に就いた。同年12月には亀田大毅の挑戦を受け、判定勝ちで初防衛に成功。2012年4月には正規王者の清水智信にTKO勝ちして王座統一。同年9月には名城信男の挑戦も退けた。同年12月、河野公平に敗れて王座を失い、現在は大阪に住んでおり、キックボクシングの試合に出場。2019年5月にはABEMAの番組企画『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円』に出場し、那須川と3Rのボクシングルールで拳を交えた(勝敗なし)。
1Rはローの蹴り合いからスタート。テーパリットは左ミドルも蹴る。テーパリットがフックを放つと鈴木はセコンドの「まだ早い」の声を無視して打ち合いに挑む。両者足を止めての打ち合いで鈴木の右がヒット。
2R、テーパリットは右フックを繰り出して鈴木を脅かせる。鈴木はコーナーへ詰めての連打を見舞ったが、テーパリットはノーガードで上体を振ってパンチをかわし、場内が大きくどよめく。
3R、勝負に出た鈴木は右ストレート、左右フック、左ボディ、ヒザ蹴りと攻撃を繰り出し、テーパリットにコーナーやロープを背負わせるが、テーパリットは右フックを打ち返してくる。最後まで倒しにいった鈴木だったが、タフで試合を諦めないテーパリットを仕留めることが出来ず、判定勝ちにも喜びはなかった。
鈴木はマイクを持つと観客とABEMA視聴者に感謝の言葉を述べると「今回57.5kg契約やったんですけれど、僕は55kgでやり残していることがるし、階級を上げることは考えてないですが、胸を張ってRISEを引っ張っていくって言うためにやるべきことをしっかりやりたいと思っています」と話した。
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▼第8試合 -62kg契約 3分3R×大雅(チームドラゴン/第3代K-1WORLD GPスーパー・フェザー級王者)判定0-2 ※28-28、28-29×2○中村 寛(BK GYM/前DEEP☆KICK -60kg王者)
大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。RIZINには2018年9月から参戦。2020年8月の『RIZIN.23』で原口健飛にまさかの初回KO負けを喫するなど泥沼の3連敗を経験したが、11月の『RIZIN.25』でDEEP☆KICK -63kg王者・山畑雄摩、基山幹太に連勝中。戦績は22勝(6KO)12敗。
中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される23歳。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群の右ストレートを武器に、2019年6月のRIZIN で元RISEフェザー級王者・一刀を相手に壮絶な2RKO勝利を収め、一気に注目株となった。戦績は8勝(8KO)2敗。昨年7月にRyuki戦でプロ初黒星を喫し、2020年7月の復帰戦でも判定負け。11月のRISEで魚井フルスイングを初回KOして復活の狼煙をあげたが、今年3月の試合前日計量で脱水症状を起こして緊急搬送。試合が中止となった。
1R、両者サウスポー。開始からすぐに左フックで遅いかかる中村。大雅は左カーフを蹴り、飛びヒザ蹴りも狙う、中村は大雅の身体が宙に舞うほどの強烈なカーフキック。飛び込んでのパンチを連発しておいて、飛び込んでの左ハイでダウンを奪う。ラウンド終了間際にも左フックをもらってダウンしたが、これはゴングの後との判断に。
2Rも前へ出てボディを叩く中村。大雅もボディを打ち返す。大雅の飛びヒザで中村は右目上をカットして流血。前に出て左のパンチを放つ中村に大雅はカーフ、そして左フックを狙う。
3R、手数と勢いが衰えた中村だが、それでも前へ出る。大雅はフェイントを混ぜながら左右フックをヒットさせるが、中村は下がらない。打ち合いはハンドスピードに優る大雅が有利。逆転の機運が高まり場内が沸くが、判定は2-0でダウンを奪った中村の勝利となった。
中村はマイクを持つと「ほんまにプロとしてやってはいけないことやってもうしわけありませんでした」と、前回の計量オーバーを謝罪。続いて「煽りから大雅のファンも来てくれていると思うし、僕のファンもSNS通じて沸いてくれて。大雅選手のファンの方々も一緒に戦ってくれてありがとうございました。盛り上げってくれてありがとうございました。大雅選手に勝った以上、キックボクシング界のトップの一人に慣れたかなと思います。拳を怪我してしまったのでしっかり治して帰ってきます」と、大雅とそのファンにお礼を述べた。
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▼エキシビションマッチ 3分1R―山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)勝敗なし―山口侑馬(山口道場)
山口兄弟がこれぞ“ガチ”というエキシビションマッチ。お互いにフルスイングで打ち合い、最初に侑馬が裕人をグラつかせれば裕人もボディを連打してのフルスイングフックで侑馬をグラつかせる。本気の倒し合いに場内がどよめき、拍手に包まれた。
エキシビションを終えた侑馬は「どうですか? すべった? 楽しんでいただけたら嬉しいです。裕人の相手が試合に出れないみたいな状況やったんですけど、その中でRISEにも恩を感じてますし、出来ることがあればと兄弟エキシビションを提案させていただきました。自分で提案しといて何なんですけれど夢のような時間でした」と笑顔。
裕人も「感動しましたね。僕の試合が中止になったのにリングに上げてもらってありがとうございました。こいつOFGマッチで左手を骨折して全く練習してなくて2カ月半ぶりくらいにグローブを着けてやったんですよ。俺らがエキシビションやって盛り上げようかと言ってくれて、コイツには感謝です」と、兄弟愛を見せる。
そして「僕は仕上げてきているので怪我もないし、9月の横浜、11月大阪どっちも出たいです。もちろんOFGで」と連続参戦をアピールした。
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▼第6試合 RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント リザーブマッチ 3分3R延長1R○大﨑孔稀(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級3位、BOMバンタム級王者、WMCスーパーフライ級王者、J-NETWORKスーパーフライ級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×金子 梓(新宿レフティージム/RISEスーパーフライ級9位)
大崎はトーナメント出場権を懸け5月16日の『RISEonABEMA』で風音と対戦予定だったが、試合前に新型コロナウイルスに感染し無念の欠場。本戦エントリーを逃した。しかし、6月13日の『RIZIN』東京ドーム大会で『那須川天心vs3人』の対戦相手に自ら応募して選ばれ、1Rに天心と拳を交えたばかり。戦績は24勝(16KO)5敗1無効試合。
対する金子はRISEスーパーフライ級新設時からこの階級を盛り上げてきた第一人者で、田丸辰と初代王者を争った経験もある。空手とレスリングをバックボーンに持ち、田丸に敗れるまではデビュー以来8連勝を記録していたが、タイトルを逃してからは55kg転向などでスランプが続いた。しかし、最近は匠朗、鳩に連勝中だ。戦績は11勝(1KO)5敗。
1R、大崎は力強い右ミドルを連発、金子が前へ出てくると前蹴り、ヒザ、左フックで迎え撃つ。右ミドルで腕を蹴られながらも前へ出てパンチを当てに行くサウスポーの金子だが、大崎は終盤にコンビネーションをまとめる。
2R、大崎はヒザを次々と命中させ、コンビネーションのパンチで左ボディを打つ。パンチだけにならずしっかりと蹴りを混ぜる流れるような動き。しかし、金子も下がらず前へ出て右ストレート、左右フックを放っていく。
3Rも前に出るのは金子。両者とも前蹴りを多用し、大崎はテンカオを連発。それでも金子は下がらず前へ出続け、ワンツーと蹴りを繰り出していく。大崎は左フックもヒットさせるが下がらない金子に手を焼き、判定3-0で大崎の勝利となった。
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▼第5試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×京谷祐希(山口道場/同級5位)判定0-3 ※29-30×3○川上 叶(龍生塾/初代シュートボクシング日本バンタム級(52.5kg)王者)
京谷は強打と当て感の良さで連戦連勝。2010年に『DEEP☆KICK』で皇治と対戦し、当時無敗だった皇治に初黒星を付けた。2012年6月には『Krush』で武尊と対戦し、当時5戦5勝の武尊から2度のダウンを奪った末にドクターストップでTKO勝利、武尊にプロ唯一の黒星を付けている。2016年10月には『HOOST CUP』にて玖村修平からも勝利を収めるなど実力者ぶりを発揮した“伝説の壊し屋”。その後、怪我のため試合から離れたが2019年9月のRISEで約3年ぶりに復帰。いきなりRISEバンタム級8位・金子梓をKOした。2020年は1月に志朗に判定で敗れたが、8月は知花デビット、11月は鷹介から勝利。今年5月大会では寺山遼冴に判定負け。戦績は16勝(10KO)8敗1分。
川上は大阪在住のシュートボクサー。2019年11月のシュートボクシング愛知大会で佐藤執斗にKO勝ちして初代SB日本バンタム級(52.5kg)王座を戴冠。2020年11月にRISE初参戦し、メインイベントで大崎一貴と対戦したが判定で敗れている。
1R、両者サウスポー。序盤から京谷がローからのパンチで仕掛ける。強打のフック、アッパーを振るう京谷に序盤はペースを握られた川上だが、終盤はロー&ミドルからパンチを繰り出して京谷を下がらせた。
2R、手数を増やして前へ出る川上に京谷は待ちの姿勢。しかし、パンチがクロスすると川上の返しのフックをもらう。終了間際に左と左を打ち合った直後、川上の返しの右フックがヒット。
3Rも前に出るのは川上。京谷はコーナーを背にすることが多く、川上のジャブや蹴りをもらう。京谷は左ストレートを放つが川上にかわされ、手数も多く出ず、川上の判定勝ちとなった。
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▼第4試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R×門口佳佑(EX ARES/同級2位)判定1-2 ※29-30×2m、30-29○魁斗(立志會館/SB日本フェザー級2位、RKSスーパーフェザー級王者)
門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れて初黒星。5月の『RISEonABEMA』で平野凌我に勝利して再起を果たした。
魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されている19歳のテクニシャン。2020年2月には笠原友希と2度の延長戦を戦い、判定2-0で敗れはしたものの笠原を苦しめている。戦績は10勝(1KO)2敗。
1R、魁斗は左ミドルを多用して離れた距離で戦う。ジャブ、ストレートも伸ばす。サウスポーの門口はロー、前蹴りから左ストレートを繰り出すが魁斗の長い距離で攻撃が当たらない。
2R、魁斗はコンビネーションをまとめ、アッパーも繰り出す。門口は右をヒットさせるが単発が多く、手数で魁斗が優っていたが門口が左ミドルを何度もヒットさせてペースを掴み始める。
3R、右ストレートと右アッパーを当てていく魁斗に門口はヒザ蹴りで対抗。長い距離の攻撃、コンビネーションで当てる魁斗に対して門口は単発で終わり気味。終盤は門口が前へ出てミドルとパンチで攻めていったが、判定2-1で魁斗が勝利を収めた。
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▼第3試合 -58kg契約 3分3R延長1R○平野凌我(MTS/RISEフェザー級8位)KO 1R 2分45秒 ※右ストレート×YU-YA(魁塾/元RKSライト級王者、元double clutchライト級王者)
1R、平野は左右ミドルと前蹴りを使いながら右のパンチを打ち込んでいく。サウスポーのYU-YAはボディへのヒザ蹴りをグサリと突き刺し、以後はボディ攻め。これにロープを背負う平野だが、しっかりとミドルを蹴り返していく。
YU-YAが左フックをヒットさせ、ボディへのパンチでコーナーへ追い詰めていくと、打ち合いを挑んだ平野の右ストレートがカウンターで鮮やかにヒット。後方へ吹っ飛ぶように倒れたYU-YAは後頭部を激しくマットに打ち付けて失神。いびきをかく危険な状態で担架で運ばれた(その後、意識は回復したという)。
戦慄のKO劇を見せた平野はマイクを持ち「腹効かされてダサい姿見せちゃったんですけど、大阪大会に出たかったので出していただきありがとうございます。本当にRISEのベルトだけが欲しいので絶対に強くなるので僕のことを忘れずにまた応援してください」と満面の笑顔でアピールした。
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▼第2試合 -48.5kg契約 3分3R延長 1R○田渕涼香(拳聖塾/RISEフライ級1位)判定3-0 ※30-29、30-29、29-28×花田麻衣(GROUND CORE)
1R、田渕はローと前蹴り、蹴りを多用してパンチへつなげていく。花田はよく見てパンチを返す。いつも通りステップで動き回る田渕だが、終盤に花田のフックをもらって一瞬腰を落とす。
2R、田渕はいいタイミングで前蹴り。しかし、パンチは空振りが目立つ。花田は距離を詰めて気迫あふれるパンチを繰り出していく。田渕はいつもと比べて動きが悪い。
3R、田伏は単発ながら右ストレート、右フックを当てていくが、コンビネーションが出ずクリンチも多い。花田は気合いの声を発しながらパンチを繰り出すもヒットは奪えず、田渕の判定勝ちとなったが動きに精彩を欠いた。
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▼第1試合 アトム級(-46kg) 3分3R延長1R○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/同級1位)判定3-0 ※30-27×2、30-26×百花(魁塾/同級3位)
1R、両者ともパンチ主体。小林が前に出て右ストレートを打つと、百花は猛然と反撃。これに小林も応える。小林は予告通りにボディへの連打。終盤には両者打ち合いを見せる気の強さ。
2Rになると小林は蹴りの数を増やす。さらに飛び込んでの右フックを多用;最初に仕掛けるのは小林だが、百花は下がらずすかさず打ち返してくるため小林は被弾もする。終盤。打ち合いの中で小林が右フックでダウンを奪った。
3R、ダウンを取り戻そうとワンツーで前に出る百花。小林は右のパンチを狙い撃ちし、セコンドの指示通りオーバーハンドの左右フックもヒットさせる。百花も負けじと打ち合い気迫のぶつかり合いに。最後は小林が胴廻し回転蹴り。
激しい打ち合いが繰り広げられたが、有効打が多くダウンも奪った小林が関西女子キック界のベテランを乗り越えた。