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【UFC】マクレガーの「試合は終わってない」発言に、ATT名将ブラウンが「コナーの足が折れていようがいまいが、誰が勝者かは明らか」。ポイエーは「SNSを止めて快適」

2021/07/14 13:07
 2021年7月10日(日本時間11日)米国ネバダ州ラスベガスにて行われた『UFC264』にて、元UFC世界ライト級暫定王者ダスティン・ポイエー(米国)と、元UFC二階級同時王者コナー・マクレガー(アイルランド)が3度目の対戦。1R終了間際にマクレガーが左足を捻り、下腿骨骨折のため2Rに向かえず。ドクターストップによりポイエーがTKO勝利し、戦績を2勝1敗と勝ち越した。  試合後、「戦いは終わっていない!」と叫んだマクレガーの足の負傷を不運のアクシデントとし、それが無ければ反撃のチャンスがあったとする意見に対し、堀口恭司やポイエーが所属するアメリカントップチーム(ATT)の名将マイク・ブラウンが、「コナーの足が折れていようがいまいが、この試合で誰が手を挙げることになるかは明らかだった」と、ポイエーの完全勝利だったことを、自身のSNSで長文投稿した。 「この男、そして彼が成し遂げたことを、とてつもなく誇りに思う。この4年間、ダスティンほど過酷なスケジュールをこなし、素晴らしい経歴を持つ選手はいなかったんじゃないだろうか。彼は、コナー・マクレガー(2回)、ダン・フッカー、マックス・ホロウェイ、エディ・アルバレス、ジャスティン・ゲイジー、アンソニー・ペティス、ジム・ミラーなどに勝利してきた。この期間中の唯一の敗北は、今は引退したハビブ・ヌルマゴメドフ戦のものだ」と、2017年以降、8勝1敗1NCの結果を残しているポイエーの戦績を列挙。  続けて、「土曜日の夜は、ダスティンの持っている能力を新たに垣間見た。今回も元世界チャンピオンを一方的にドミネートするパフォーマンスだった。マクレガーの足が折れていなければ、何らかのカムバックのチャンスがあったと思っている人たちは勘違いしていて、これは歴史が物語るものとはかけ離れている」と、左足を捻ってダウンしたマクレガーは、それ以前にノーチャンスだったと語った。  その意図は、ATTでマクレガーを徹底研究し、1Rの時点で陣営が勝算を得ていたことにある。 「コナーが(10-8というスコアで)圧倒的に支配されて1Rを落とした後でカムバックできるチャンスはごくわずかだ。コナーはコンディショニングに定評のある選手だったことはなくて、むしろ、ディアス戦やメイウェザー戦のように、実際のところ後半になるとフェードアウトする傾向のある選手として知られている。ダスティンの過去の試合を見れば、彼が試合が進むにつれて本当に強くなっていき、血みどろの戦いの中でハートを燃やして成功する男だと気づくだろう。 コナーの足が折れていようがいまいが、1R目の半分も過ぎたら、この試合で誰が手を挙げることになるかは、明らかだった」  前戦で勝負を決めたポイエーの蹴りに対し、マクレガーが蹴り返してくるであろうカーフキックへのチェック(防御)。ケージレスリングでのテイクダウン&パウンド・鉄槌、そして、王座戦の5Rまで見据えての消耗戦も想定をした上で、1Rの時点で前半に強いマクレガーを相当削っていた時点で、勝負は見えていた。 「ダスティンとドリーム・チームは再びやり遂げた! なんてすごい冒険なんだろう。次の目的地は、UFCライト級王者だ」と、ブラウンが語るように、ポイエーの次戦は、現ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラとのタイトルマッチが濃厚だ。  オリヴェイラは「ポイエーとの戦いになると思っていた。やるよ。戦争になるだろう」と語り、マクレガーを2度退けた勝者は、「オリヴェイラは偉大なチャンピオンで、その力を発揮してきた。お互いにUFCでの経験も長い。僕も長い間、彼を見てきた。いい試合になるだろうね」と、王座戦について語っている。  今回の試合結果は、様々なファイターたちにも波紋を呼んでいる。  2018年10月のUFC世界ライト級タイトルマッチでマクレガーにネッククランクで一本勝ちし、現役を引退している元UFCライト級世界王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)は、自身のSNSで「常に善は悪を倒す」と辛らつな投稿。勝者のポイエーには「年内に君がベルトを取ることを期待している」とメッセージ。  一方、2016年12月にUFC世界女子バンタム級タイトルマッチでアマンダ・ヌネスに1R TKO負けも、UFC歴代最高のファイトマネー300万ドルとPPVボーナスを獲得。その後、プロレスリングのWWEに転身したロンダ・ラウジー(米国)は、マクレガーに向けて「グラウンドに倒れながらも次の試合に向けてプロモーションをするなんて凄い。私でもそんな気持ちになれない。あなたがいることで、ほかのファイターやUFC、メディアの人達は幸運だ」と、UFC PPVのトップ9のうち7つを記録するマクレガーの試合を売る行為を称えた。  しかし、「皆、俺のような人間を求めている」と、4度目の対戦も望むマクレガーの声は、再びベルトを目指す勝者には届かない。  ポイエーは試合後、「周りの雑音が気にならなくなり、自分の力を発揮できていると感じている。誰がなんと言おうと僕は僕だ。先月からソーシャルメディアも止めたんだ。すごく気分はいいよ」と語っている。
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