sasori選手は今の私にとっては負ける段階の相手じゃない
──負傷したこと、試合前に十分に打てなかったことなど、全部がいい方向に働いてますね。さて、試合が行われる7・18後楽園大会は、タイトルマッチが3つ、他の階級のチャンピオンも多数出る豪華な大会です。他の試合のことは意識しますか?
「全く意識はしてないですね。全然です」
──あ、そうなんですか! 「自分が一番目立とう」とか、そういう意識もない?
「『一番目立とう』とはいつも思ってないんですけど……でも前回のMIREY戦でもYouTubeでの再生回数は群を抜いて多かったりして、『数字を持ってる』とは自分で思ってはいます(笑)。だから試合順とかも第1試合でも全然いいぐらいですし、応援してくれる人とかファンの方の数も圧倒的に多いので、絶対に他の選手よりも負けられないとは思ってますね。今は自分のためだけに戦ってないし、いろんな人を動かす力を持ってると思っているので、それをいろんな人に見せたいと思いますね。会場だけじゃなくて、会場外で応援してくださっている方々にも届けられるようにという気持ちなので、他の選手、他の試合は意識してないです」
──それだけに、ここで勝つとさらに視野が広がっていく試合だと思いますが。
「そうだと思います。sasori選手は、今の私にとっては負ける段階の相手じゃないと思っていて、もっと強い選手はたくさんいると思うし、そういう選手に挑戦していきたいので。だから正直、この試合は絶対落としちゃいけないなと思ってます。そうでないと次につながらないので」
──そこだけ取っても、「sasori戦」についての意識がすごく変わっていることが分かりますね。
「はい。ちょうど1年ぐらい前に映像を見て『すごい選手だな』と思ったんですけど、今は正直、そんなにすごいとは思ってないというか。面白い試合をする選手なのは確かですけど、今は自分の方が強いと自信を持っているので」
──いろんな側面がある試合ですが、ご自分が一番注目してほしいポイントは?
「私はやっぱり、この階級では身長がすごくデカいんですよ。誰とやってもデカいので、いろんな人が『上の階級でやってほしい』っていう声がすごく多かったんですね。実際、今回の契約体重は48.4kgで、こんな体重ではやったことがないんですけど、ここでも通用するというところを見てほしいと思います」
──「通用するかどうか」ではなく、「通用するところ」を、ですね。
「そうです。ここで通用することが証明できれば、戦える選手の幅も広がると思うので。基本的には今後も46kgでやっていこうと思ってはいるんですけど、同階級の選手には絶対負けないとも思っているので。今回、『勝てるのか分からない、負けるんじゃないか?』と思われるような試合をやっと組んでもらえたのがすごくモチベーションになったし、そのおかげでこの1カ月、さらに強くもなれたかなと思うので、『負けるんじゃないか?』と思いながら見てほしいです。皆さんの予想を覆したいので(笑)」
「そうです。今、何より自信があるのは、全部一流の人に見てもらっているということなんですよ。キックの鈴木秀明会長だけじゃなくて、パーソナルもボクシングもそうですし、栄養士さんも体のメンテナンスも、全て一流の方に見てもらってる選手って、男子でもいないと思うので。これだけ違う環境でやってれば、負ける気がしないです」
──「男子でもいない」と言えば、最初に話した地上波バラエティでの密着も、まさにそうですからね。それだけ環境が整ったから、改めて注目を浴びているわけで。
「そうなんです。それに、運が悪いんだけど、いい運も持ってるんです(笑)。試合が延期になったからKOもできましたし、延期になったから密着も2回にわたって放送してもらえたと思ってますし。ケガをしたからボクシングジムにも通うようになったし、ケガをしたからいいパンチが打てるようになったし。悪いように見えて、全部がいい方向に進んでいるのかなとも思うし、この運も味方にして、負けられないなと思いますね」
──怖ろしい人ですね(笑)。
「今は本当に楽しみしかないです。1試合ごとに楽しみが増えていって、不安がどんどんなくなっていってますね。それだけやっているし、見てもらっているしという感じで。強気です(笑)」