元・剣道日本一の肩書を持つ吉野がプロ初黒星からの再起戦に臨む
2021年8月22日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX 2021 vol.3~BLACK FIGHT~』(夜興行)の対戦カード発表記者会見が、7月5日(月)都内にて行われた。
KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級3分3R延長1Rで、吉野友規(STURGIS新宿)vs鈴木健太郎(E.S.G)が決定。
吉野は剣道(高校3年生時に国体で優勝、大学4年生時には団体戦で全日本選手権3位)からキックボクシングに転向し、豪快なパンチでデビューから5戦5勝4KOと負け知らずの重量級期待の新星だったが、3月大会で田村聖から先制のダウンを奪うも逆転TKO負けを喫してプロ初黒星。今回が再起戦となる。戦績は6勝(4KO)1敗。
鈴木はNJKF所属で4勝(1KO)無敗の戦績を持つ。身長は188cmで吉野よりも2cm高い。今年3月のイノベーションでは馬木樹里と3戦無敗対決を行い、馬木に2RでTKO勝ちしている。その前蹴りは“バズーカ前蹴り”とジム内では呼ばれているらしい。KNOCK OUTには初参戦となる。
会見は鈴木が所要により欠席し、吉野のみ出席。吉野は「私のこの試合に対する意気込みは頑張る、その一言だと思います」と挨拶。宮田充KNOCK OUTプロデューサーは「吉野選手は1回でも敗れたら現役は…と話していて、時間を置いて所属ジムさんと相談したところすぐというより8月辺りでどうか、との返事をいただきました」と、吉野が負けたら引退の覚悟で臨んでいたことを明かした。
それについて吉野は「こうしてチャンスをもう一度いただいて。私一人で決められることではないですし、周りの方の気持ちを背負っていたので。、もう一度チャンスをいただけるとのことなので頑張りたいと思います」と、周りからの支えがあって復帰を決意したと説明。
「前回の試合へ向けてかなり支援だったり周りの力が大きかったんです。それに対してどうやって応えていくか、そこが一番変わったかと思います。今まで以上にみんなが協力してくれたこともあって前回の敗戦で崩れたものが多かったので、そこはプロ格闘技はシビアだと思いました。こうしてまた試合に呼んでもらえるとは思っていませんでしたし、コロナの時期でいろいろなプロキックボクサーも苦しんでいる中で当たり前のように試合ができるというのはないと思っています。そういったことをもっと真剣に考えて取り組みたいと思っています」と、もっと真剣にキックボクシングと向き合いたいという。
(写真)屈強な肉体から放たれる強打が持ち味の吉野
そして「私の(試合)結果はどんなに無様でも必ず勝っていたので、そこがメンタルや練習に凄く影響があったんですけれども、たかが1敗と言う方も多かったんですが、その試合に懸けていた気持ちが大きかったので、そこに対してどうしたらいいかと考える時間もなく整理がついてなかった。最初に思ったのは私自身が弱かった。それだけでした。また練習で頑張っていけばいいかと思っております」と、負けを受け入れて強くなっていきたいとした。
変化については「また基礎からやっていて、身体に染みついてしまっている癖があるので一気に全部を変える期間はないので伸ばせるところは伸ばそうと思っています」と、一から作り直すと同時にいいところを伸ばす作業をしているようだ。
対戦する鈴木については「4戦全勝で会長からも動画を拝見させていただきましたが気持ちもあるし、パワーもあるし、そんな簡単に勝てる相手じゃないとは思っていますが、ここで噛ませ犬にされるかそれを逆に取るかは、今後に大きく影響すると思うのでしっかり結果を残せるように頑張りたいと思います」と、噛ませ犬にはならないとする。
再出発について「必ず勝ちに行くそれだけです。結果につなげられるように死ぬ気でいきたいと思います」との覚悟を語った吉野。今後については「軽々しく言えることではないですが、もう一度タイトルマッチに挑戦したいことを目標に置いています」と、王座を目指していきたいとした。
7月18日(日)東京・後楽園ホールでの『KNOCK OUT 2021 vol.3』では、吉野に勝った田村聖(拳心館/NKBミドル級1位)と松倉信太郎(TRY HARD GYM)が初代KNOCK OUT-BLACK スーパーミドル級王座決定トーナメント決勝を争う。その予想を聞くと吉野は「僕には言えないですけれど、田村選手も松倉選手も一つ上の存在だと思っていますし、勝った方が王者ですし、負けた手前複雑な気持ちで言えませんいが、どちらともやらせていただける機会があれば挑戦させていただきたいと思います」と、どちらとも戦って王座に就きたいと話した。