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レポート

【修斗・第2部】扇久保が清水に勝利「RIZINでやり残したことがある」。斎藤、宇野がオランダ勢と熱戦。根津が祖根をKO

2019/05/06 17:05
5月6日(月・祝)後楽園にて、プロフェッショナル修斗公式戦「SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR Supported by ONE Championship」第2部が開催された。 メインイベントでは世界フライ級チャンピオンシップが行われ、王者・扇久保博正(パラエストラ松戸)が挑戦者の清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A.)を4R KOに下し、2度目の防衛に成功。RIZINでの元谷友貴戦をアピールした。 オランダとの国際戦に臨んだ斎藤裕と宇野薫は熱闘を繰り広げるもいずれも判定負け。また、根津優太と祖根寿麻の元環太平洋バンタム級王者対決は、右ローキックを効かせた根津が3Rにテイクダウンから立ち際にサッカーキックを当て、左右ラッシュでKO勝ちした。 ▼メインイベント 第6試合 世界フライ級チャンピオンシップ 5分5R○扇久保博正(王者/パラエストラ松戸)[4R 0分40秒 KO]→[テクニカル判定 3-0]×清水清隆(挑戦者・同級1位/TRIBE TOKYO M.M.A.)※扇久保が2度目の防衛に成功※6月24日に日本修斗協会が裁定変更を発表※4R 0’40”偶発的なアクシデントにより試合続行が不可能となった為。[レフェリー]豊永 稔[サブレフェリー]福田正人 40-37(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-10/4R 10-9)片岡誠人 40-36(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9/4R 10-9)横山忠志 40-36(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9/4R 10-9) 1R、ともにオーソドックス構えから。ひとまわり大きく厚みのある扇久保が左ローで牽制。清水の右はかわす。清水は左フックも。詰める扇久保は清水の右にカウンターのダブルレッグテイクダウン! 清水の蹴り上げにもついていくと立ち際を左手を縛ってバック狙い右手でパンチも。正対し離れる清水。追う扇久保はダブルレッグテイクダウンも立つ清水。 右ローは扇久保。清水も左ジャブで押し返すが、そこに扇久保は左ミドル! 清水も右ローを返しジャブ、左ハイも! しかしブロックする扇久保は左ミドルで追う。 2R、右ハイは清水。ブロックする扇久保は圧力かけスイッチする。清水の右の飛び込みはブロック。細かくフェイントをかけローを蹴る清水。カウンターを警戒する扇久保、右フックは空をきる。5R戦で慎重になるか、1Rから互いにペースを落とし手数限らせる。右ジャブは清水。左ミドルは扇久保。右ローも。追う扇久保に左に回る清水。扇久保の右ローをつかみ右を連打するがゴング。 3R、扇久保の左打ち終わりに清水も左フックを狙うがかわす扇久保。右フックで追うが回る清水。左ハイは扇久保。かわされると右ローを当てる。左ジャブのダブルで飛び込むのは清水。追う扇久保は左ハイを打つ。左ミドルをヒットさせ回る清水。扇久保の左右には走ってサークリング。扇久保の左フック、右ハイをかわす清水は左ジャブを当てる! しかし扇久保の左ハイが清水の瞼に! 清水は左目をカットする。 4R、詰めてダブルレッグを狙う扇久保。切る清水だが、追う扇久保は左ミドルも! ここで清水は左を振って前へ! 右をかぶせにいった扇久保! 頭も当たるがダウンした清水。そこに素早いパウンドは扇久保! 亀になる清水に連打し、レフェリーが間に入った。扇久保が王座防衛に成功。(※追記:6月24日、日本修斗協会は「偶発的なバッティングにより、扇久保KO勝ち→扇久保がテクニカル判定勝ち」に裁定結果を変更) 試合後、扇久保は「坂本(一弘)さん、30年間、修斗を引っ張っていただきありがとうございます。僕ら選手は感謝しています。一言だけ言わせてください。RIZINでやり残したことがあるので、出来れば元谷選手とやらせてください」とRIZINでの元谷友貴戦をアピールした。 ▼第5試合 フェザー級 5分3R×斎藤 裕(日本/同級世界王者/パラエストラ小岩)[判定0-2]※28-29×2,29-29○アギー・サルダリ(オランダ/スポーツヴィジョン) 1R、斎藤、サルダリ、ともにオーソドックス構え。ワンツーで前に出る斎藤。サルダリの右ローをつかんだ斎藤がテイクダウン! しかしサルダリもヒールフックから逃げる斎藤にスタンドに戻す。際の投げで上になるのはサルダリ! しかしその投げ際で金網にこすれる斎藤。左で差して押し込むのはサルダリだが、バッティングか、斎藤は右目尻から大きく出血。サルダリは肩パンチ。ドクターチェック。左構えになるサルダリ。 斎藤は右前蹴りからダブルレッグへ。差し上げるサルダリ。斎藤はボディロックから回して投げるがサルダリが耐えると、もう一度回して小外で斎藤がテイクダウン! しかしサルダリもスクランブルで立つ。四つでサルダリのヒザがローブローに。再開後ゴング。 2R、左ローからフェイントは斎藤。サルダリは右ボディストレート狙い。斎藤はダブルレッグで押し込むが体を入れ替えると斎藤はまたも回して崩して左右ラッシュ! そこにダブルレッグはサルダリ。カウンターのギロチンは斎藤! クローズドに入れるが首を抜くサルダリは左で差して立つと斎藤の足首を取りに行く。 右で差して左ヒザ、さらに左で差すと斎藤も四つから得意の崩しへ。しかし、ここで上を取るのはサルダリ。立つ斎藤をバックコントロール。下の斎藤はアームインギロチン狙い。外したサルダリのパウンドに足を効かせてガードしゴング。 3R、右ローを当てる斎藤。サウスポー構えのサルダリにワンツーで攻める斎藤。サルダリはオーソに戻してダブルレッグテイクダウン! 尻を着く斎藤はスイッチ狙い立つが、四つからの投げを凌がれ、再びダブルレッグはサルダリ! 尻をマットに着く斎藤はまたも目尻から出血。蹴り上げで立ち左右振るが、そこにサルダリはカウンターのダブルレッグテイクダウン! またも立つ斎藤は左右振り前へ。ここも強いダブルレッグはサルダリ。下から斎藤も拳振るが、サルダリは斎藤を横に寝かせてインサイドに入り左右を振りゴング。サルダリが右手を挙げた。 判定は2-0で組みの勝負で競り勝ったサルダリに軍配。サルダリはセコンドのマルタイン・デ・ヨングと笑顔でハグをかわした。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 5分3R×宇野 薫(日本/UNO DOJO)[判定0-3]※27-30×2,26-30デュアン・ヴァン・ヘルフォート(オランダ/グレイシーバッハ・ネーデルランド) 柔術衣を着て入場した宇野。セコンドには青木真也がつく。試合開始前には和術慧舟會時代からの大の字になって天井を見つめるルーティンを行う。 1R、対峙すると大きさが際立つヘルフォートはオーソドックス構え。サウスポー構えの宇野は蹴りから入る。強引に詰めるヘルフォートは左で差して四つに組み投げ! サイド、バックを奪うヘルフォートに宇野は正対! しかし両脇は差されている。下からヘルフォートは腕十字狙い。抜く宇野は上でポスチャーを保ち、インサイドガードから細かくパウンド。宇野はヘルフォートのヒップスローを潰すと、片足を越えかける。しかしヘルフォートもオモプラッタ狙い。そこに宇野は鉄槌を入れると、蹴り上げで体を離してきたヘルフォートに走りこんでパスガード。しかしスイープしたヘルフォートがバックを奪う。マウントから亀になる宇野。身体が伸びるがゴングに救われる。 2R、左目尻から出血する宇野。首相撲からヒザはヘルフォート! 宇野はダブルレッグに行くが、潰したヘルフォートが上に。亀から立つ宇野だが背後に回られ、4の字ロックから二重がらみはヘルフォート。何とか首を守る宇野。場内から宇野コールが沸き起こる。“宇野逃げ”を試みる宇野。正対しかかる宇野だがヘルフォートはバックについていく。強いパウンド! 宇野は動いて凌ぐ。 3R、スタンドですぐにバックに回るヘルフォート。しかし宇野もキムラロックを狙い上を取るとストレートアームバーを仕掛ける! さらにハーフからダースチョ-クを狙うが、外したヘルフォートはバック狙い。後転する宇野の正対際にオモプラッタ! 宇野はバックにみたび回られる。正対際で上になるのはヘルフォート。4の字ロックからうつ伏せの宇野は仰向けに。しかしまたも腰をずらし宇野は上を取る! 左で差してダブルレッグから上を取り返すヘルフォートがマウントのままパウンドでゴング。両者が離れると宇野はしばらくマットに仰向けになり天井を見つめた。 判定は3-0でポジション、打撃ともに上回ったヘルフォートが勝利。43歳の宇野も再三のピンチをしのぎ正対してパウンドしたが、及ばなかった。 ▼第3試合 バンタム級 5分3R○根津優太(同級世界2位/&MOSH)※元環太平洋バンタム級王者[3R 2分51秒 KO]×祖根寿麻(同級世界4位/ZOOMER)※前環太平洋バンタム級王者 1R、根津、祖根、ともにオーソドックス構えから。左ローは祖根。根津も上下のフェイントからカーフ(ふくらはぎ)キック、右ローを返す。近い距離で向き合う両者。祖根は右バックフィスト! 腰を少し落とす根津。祖根の左右の連打はステップバックする根津はワンツーからローまで繋げる! さらに右ローに祖根はカットせずに前へ。金網背にヒジは根津! さらに右ローに祖根は効いたか動きを一瞬、止める。根津は走り込みながら右ローを4連打! 前足の接地が少し軽くなる祖根は左ハイを出し、左右の足を入れ替える。 2R、右ローを打つ根津。さらに左右。詰める根津は上下のフェイントから右ロー! 左前足を腫らす祖根。追う祖根の追い足は痛めている。回る根津はさらに右ロー! 追う祖根は左ハイ! しかし下がりながら根津は祖根の左に右ストレートを合わせる! 手をマットに着いてダウンした祖根はダブルレッグで凌ぐが、根津はヒザ蹴りでゴング。 3R、左右を振り早々にダブルレッグに入る祖根。しかし切る根津。祖根も伸びるワンツーを放つが根津は回る。右ローは根津。しかし祖根もハイ、右ストレート! 圧力かけなおす根津は右ロー。さらにダブルレッグへ! ドライブしてテイクダウン! その立ち際に根津は左サッカーキック! 金網際で棒立ちになる祖根に左右の猛ラッシュでレフェリーが間に入った。 「坂本さん、30周年おめでとうございます。北森さんコールありがとうございます。SNSでいろいろ書かれたけど、誰とでもやります! 修斗にね、口だけはいらないんだよ! それだけ」 [nextpage] ▼第2試合 ストロー級 5分3R×阿部マサトシ(AACC)[1R 4分12秒 KO] ※右ストレート○中川マイケル(Gracie Techinics) ハワイ在住の逆輸入ファイター、中川マイケル(Gracie Techinics)が参戦。中川は渡米した10歳の時から格闘技のキャリアをスタート。レスリングでは3年連続でオールアメリカンに選出される等、輝かしい実績を残している。 2014年にUFCで活躍していたユライヤ・フェバー率いるTEAM AlphaMaleからプロデビューを果たし、2017年にはハワイのMMAプロモーション「Destiny」のフライ級チャンピオンに輝き、直近では「Bellator」にも参戦している。そんな異色な経歴を持つ中川だが、北米で幾多の凌ぎを削るも、軽量級が必ずしも陽の当たる階級とは言えず、今回意を決して主戦場を日本に移行。MMAで最も歴史ある修斗のケージに足を踏み入れる事となった。 その対戦相手となるのがAACCの代表を務めるアベ兄こと阿部裕之の実弟として2000年代前半に軽量級の中心選手として活躍し、かつてはバンタム級トップコンテンダーにまで登り詰めた阿部マサトシ。2012年を最後に戦場から遠ざかっていたが、30周年記念大会で約7年振りに電撃復帰を果たす。とはいえ年齢は42歳、1階級落としての復帰、修斗もリングからケージに移行する等、以前とは違うことだらけの復帰となるが、旬を迎えようとしている逆輸入ファイターとの対戦に果たして勝算はあるのか?  1R、サウスポー構えの阿部は6年7カ月ぶり実戦。インローを打つが、そこにオーソドックス構えの中川は右ストレート! 阿部はダウンするがすぐにシングルレッグに。ここは差し上げる中川。落ち着きを取り戻した阿部だが、金網を背に。さらに中川は右ハイ! 右跳びヒザも。ケージにくぎ付けにする中川はワンツーの右ストレート! 阿部が崩れ落ちた。 マイクを持った中川は「アロハ! 修斗みたいな歴史のある大会に出られて嬉しいです。ダメージが無いので、6月30日の大阪大会に出たいと思います」と連戦をアピールした。 ▼第1試合 バンタム級 5分3R○魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)[2R 0分16秒 KO] ※左フック×加藤ケンジ(K.O.SHOOTOジム) 1R、オーソの加藤は右ミドル。サウスポー構えの魚井は上下に身体をフェイントかけながら左で踏み込む。スイッチも見せる加藤は右ハイ。ブロックする魚井は左オーバーハンドフックもブロックする加藤が右で差して組みに。ブレーク。 ともにサウスポー構えに。オーソに戻した加藤が上体が立って、右の蹴りのフェイントを2度出したところの2度目に魚井は左フック! ダウンした加藤はすぐに立つが魚井がハイクラッチのシングルレッグでリフトしテイクダウンしてゴング。 2R、互いに距離を保つが、少し近距離に設定し直して近づく魚井。加藤が右を振ったところに魚井は左フック! 加藤が頭から前のめりにダウン。すぐにレフェリーが試合を止めた。 試合後、マイクを持った魚井は「アマチュア修斗からやってきて、30周年大会に出られてすごく誇らしいです。いまの修斗はこんな感じです。こっからまた盛り上がるんで楽しみにしてください」と挨拶した。 長尾迪氏に日本修斗協会から感謝状 この日の後楽園ホールの展示場では、修斗オフィシャルカメラマンである長尾迪氏の修斗写真展が開催された。また、第二部の休憩明けには、日本修斗協会から長尾氏に感謝状が贈呈された。 ケージの中に招かれ、コメントを求められた長尾氏は、「サプライズで何も知らされてなかったので、知っていればもうちょっとマシな格好で来れば良かったです(笑)。長くやってきたことは無駄ではなかったです。ありがとうございました。まだまだ現役で写真を撮っていきます。(修斗)40周年まで頑張ります」と挨拶した。 ▼キッズ修斗 キッズ6 女子45kg契約 3分1R×小助川綾乃(心技館)[判定1-2]※10-9,9-10×2○木村美海(パラエストラ松戸)
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