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【K-1】卜部功也、大沢文也とのベテラン対決は「より残酷なところを見せないといけない。次は“殺し”の部分を見せたい」

2021/06/16 18:06
 2021年7月17日(土)福岡国際センター『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』にて、スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)と対戦する第2代K-1 WORLD GPライト級&初代スーパー・フェザー級王者・卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、6月16日(水)都内にて公開練習を行った。  卜部はミット打ちで右ロー、左ミドル、ワンツーを軽快に繰り出し、突き刺すようなヒザ蹴りは重みを感じさせた。 「コンディションはまあいい方ですね。スケジュールをちゃんと組みながらトレーニングしているので順調かなと思いますね」  公開練習は自身が祐天寺にオープンした「ALONZA Fitness&Kickboxing」で行われ、「オーナーとしてやっているので、いい意味で好きなように自分の練習の組めます。朝にトレーニングを入れたり、スパーリングパートナーを呼んだり、自由にやらせてもらっていますね。そういう意味でいい練習ができているかな。ミットもパーソナルで1人のトレーナーが40~50分持ってくれるので」と、自分自身の充実した練習もできているという。  前戦は3月に蓮實光に判定勝ち。その一戦を振り返り、「あれはまだ自分の中では調整というか。調整試合ではないけれど、王者になるには出せる武器や感覚を合わせないといけないのでそこを微調整できた試合かなと思っています」と、自身が思い描く理想の形に実戦で微調整できた試合だとする。それを経て「上がっている感覚があります。もっと上がるだろうなっていう」と手応えを感じている。  前回からどこを強化したかと聞くと「トレーナーとのコミュニケーションの量が増えました。お互いに言いたいことを言うようにしています。いい意味で気を遣わないというか。強くなりたいから必死なので気を遣わなくなりましたね。いろいろな人に。スタッフにも気を遣わなくなりました。あえて気を遣わない。本音を言う強さ、気を遣うとしても、自分を通すというか。そういう部分を強化しました(笑)」と独特な答え。  同じ大会ではライト級のタイトルマッチもあるが、「あまり意識していませんね。タイトルマッチはやりたいなとは思っていますが、あまりどっちが勝つかは…どっちもやりたいと思っています。どっちか勝った方じゃなくて。もちろんやるからには一番にならないといけないですし、ひとつの形としてベルトは最強の称号じゃないですか、そこは外しちゃいけない、手に入れないと認められないと思っています。形として目に見えないと『アイツは強いよ』で終わってしまうので、ひとつの形として残さないといけないと思っています」と、ベルトにこだわりはあるがどちらの選手とも戦いたいとした。  対戦する大沢の印象は「テクニシャンで試合運びが上手。3Rずっと、というファイターではなく3分の中で取らないといけないところを分かっているファイターかなと思います。ここを引いたらダメとか、逆に引くとか。取るところで取っている」と評した。  今回は8年ぶり4度目の対戦となるが「イメージはナメているわけじゃなくて、元々ポテンシャルが高い選手だと思っていました。王者になれる器のファイターだと思っていたので、自分が持っている貯金を崩していると言うのかな。テクニックだったりがあまり上がっているイメージがないです。元々持っているセンスで戦っているイメージ。生まれ持った戦いのセンスや当て勘で戦っている。そこは伸びている感覚はそんなにしないと思っています」との評価も。  大沢は卜部へのリスペクトを常々口にしている。そのことに関しては「嬉しいですよね。まだ評価してくれているんだって。2連敗してけっこう落ちていた時があって。気持ち的にも。誰かに認められていることで救われる部分はあります。だからライバルという関係ですが言葉に救われている部分はある。その意味では感謝を込めて戦うし、勝たないといけない」と、その評価に応えたいとする。 「お互いにジムもやっているし、背負うものは8年前よりもお互い大きくなった。あとは精神的な部分が変わっているんじゃないですかね。あの時はギラギラだけでやっていたというか。今はそういう…あまり変わらないか(笑)。僕は強くなりたい、そこはブレない。さっきもボヤいていました。強くなりたいって。そこはずっと変わらない。まだまだ強くなりたいと思いましたね。文也君はどういう感覚か分からないけれど、メンタルの部分は自分の中では変わらない。まだやり切った感がないんですよね。まだできる、あれもできるって。それをお披露目するのは試合じゃないですか。試合で出さないと、練習でやってもただの練習でしかない。本番で出すから意味がある。だから本番を意識しています。練習でいいパフォーマンスを出しても意味はない。試合でどれだけ出せるかを考えています」と、練習でできたことを試合で出せないと意味がない、と話した。  ベテラン同士で戦って見せたいものはと聞かれると「ざっくり言えば格闘技への情熱。僕は毎日研究しています。格闘技のことで頭がいっぱい。埋め尽くされています。僕たちがやっていることは職人だと思っているので、作品は誰しもに認められるものではありませんが、ある一定の人たちに届けられれば。僕を応援してくれるファンにいい作品を見せたいと思っています。今年の卜部はいいできだ、というのを見せたいです」と、職人芸を見せたいという。  しかし、ベテラン対決とは言っても「落ち着いたテクニック的なものではなく、より残酷なところを見せないといけない。もっとギラつかないといけないし、背負うものが多いからこそ守るより攻めないといけない。ベテランっぽい試合にはしたくないですね。まだチャレンジしないと止まってしまう。次もチャレンジ。今回もチャレンジしたい」と、さすがベテランと言われるような渋い試合にはしたくないときっぱり。 「闘争心を出す。何もさせない残酷さ、派手なKOという残酷さもありますよね。試合前に盛り上がっても試合がすぐ終わってしまうのも残酷じゃないですか。そういうリアリティがあるものを見せたいと思っています」と、格闘技の残酷な現実が見せられる試合にしたいと言い放つ。 「復帰1戦目はプレッシャーをかけた、2戦目は動きが戻って来たと思わせたかったのでフットワークを使ってディフェンス重心でした。次は“殺し”の部分を見せたいと思っています」と一戦毎にテーマを変えているとも。  もっと強くなりたいとはいえ、卜部はK-1スタイルの中でテクニックに関してはひとつの頂点を極めた選手。これ以上、どこを強くするのかと聞くと「どこまでがテクニックなのかなと思っていて、終わりがないというか。強くなるって何が強いのかなって思うんですよね。やることが多すぎる。10何年やっているけれどまだやることが多いんです。その中でテーマにしているのは基本に戻ったり、戦術の部分、心理戦とかを考えたり、深堀して戦略を立てることというか。それは今後にも生きると思っているんですよね。僕がプロ選手を育てる時に、僕が伝えられるものになるので、それを試合でやっています。練習体系も一回一回変えているんですよ。1回目はこういう練習、2回目はこうする、今回の3回目も変えています。例えば、追い込みの時にずっと追い込みをかけるのか、1週間の内に1回だけでいいのか。一番いい状態に仕上げるには、毎日ベストな練習をする必要はないんじゃないかとか。練習の疑問を考えています」と、戦術の部分や練習体系を模索している。  自分自身を実験台にし、試合で試してみてベストなものを探り出す。「それをテーマにしています」と卜部は言う。「疑問に思うことがたくさんあるんです。ガチスパーの必要性とか、追い込みミットの必要性とかにも感じるし、いろいろ感じています。アスリート的にも考えないといけないけれど、ファイターは闘争心を武器にする感情の部分が多い。練習体系はアスリート的に、ファイター的になる部分は気持ちの部分で、それを試合で爆発できればと思っています」  なぜそんな考えになったのかと聞かれると「オタクだからでしょうね(笑)。格闘技が好きなのもありますし、小さな挑戦ですよね、練習中って。小さな成功体験をいかに詰めるかだと思っているので、それに酔っているだけかもしれないです。そういうのが楽しいんですよ。試合でこれが出来た、っていうのが。あとは人に評価されること。自分のためと言いつつも、僕たちは表現者なので評価されたい。凄いって思ってもらいたい、凄いと言ってもらいたい。人の想像の上を行くのが快感なんです。卜部はこんな動きをするんだって」と言い、「次こそ皆さんの想像を超えるような試合を見せたいと思います」と誓った。
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