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レポート

【ONE】死闘サムエー陥落、ハガティーが新王者に。岡見勇信がONE初陣でTKO負け。山田哲也はガフロフのTDに敗れる。高橋遼伍がTKO勝利、健太はスプリット判定勝ち=5.3 ONE

2019/05/03 22:05
▼ONE Super Series ムエタイ世界フライ級選手権試合 3分5R×サムエー・ガイヤーンハーダオ(王者/タイ)[5R判定0-3]○ジョナサン・ハガティー(挑戦者/英国)※ダウンを2度奪ったハガティーが新王者に。 リングでのオープンフィンガーグローブでのムエタイ戦。 1R、サウスポーのサムエー。オーソのハガティー。サムエーは左ミドル。ハガティーのオーソからの左ミドルはヒザを引いてかわす。右ミドルはハガティー。ブロックするサムエー。ともに左ミドルを打ち合うがサムエーの左ミドル、左ローにハガディーは後退。ハガティーは右ストレートで前進し押し戻す。 2R、左前蹴り、右ローはハガティー! サムエーが前に出るとハガティーは前蹴りで距離を取る。前に出るサムエーは左ヒジ! ブロックするハガティーは右ボディストレート。さらに右ヒジを狙う。 ハガティーの左フックに後退するサムエー。さらにハガティーは右ストレート! オープンフィンガーグローブでのパンチにサムエーは鼻血。さらに右ヒジで飛び込むがサムエーもかわす。ブレーク後にサムエーは反則のストレート。中断後、再開。左ミドルから右ストレートはハガティー! さらに右ハイもサムエーのガードを潜り抜ける。ゴングにハガティーは両手を挙げる。 3R、鼻を折ったかサムエーの出血は止まらないが、サムエーも負けじと左ミドルをヒットさせる! ハガティーも右ミドル、すぐにサムエーも左ミドルを返す。さらにサムエーの入りに右前蹴りはハガディー! サムエーが珍しくバランスを崩して尻持ちをつく。しかしサムエーもハガティーの蹴り足をつかんでの左ストレート。 ハガティーはサムエーの左の入りに右ストレート! ついにダウンを奪う!! 前進するハガティーは左ハイも。しかしサムエーは心折れず、ヒジで前進。 4R、王者の、ムエタイの威信をかけて前に出るサムエー。下がらされるハガティーはバックヒジも不発。互いに鋭いヒジの打ち合いのなか、サムエーは左ヒザ! さらに左ボディ! ハガティーは失速気味。左ミドルから飛び込むサムエー。バックヒジはハガティー。しかし前に出るのはサムエー。 5R、左ミドルで前に出るサムエーはボディストレートも打つが、前に詰めたところにハガティーは左から右のヒザの二段蹴りから右のスーパーマンパンチ! 二度目のダウンを喫するサムエー! しかし立つサムエーは強烈な左奥足ローの連打! 互いに消耗するなか、ハガティーも押し返すと左の蹴りから右ヒジ! さらに前蹴りも。追うサムエーに、ハガティーは回り逃げ切り体勢に。ゴング。 判定は3-0でハガティーが勝利! 新王者は次の相手にロッタンを指名した。  ▼第13試合 ONEウェルター級(※83.9kg)5分3R×岡見勇信(日本)[2R 1分10秒 TKO]○キアムリアン・アバソフ(キルギス) ONE Championship「ONE:FOR HONOR」ジャカルタ大会で、岡見勇信(EXFIGHT/35勝12敗)がONEデビュー戦に挑む。MMAの潮流が北米に流れ始めた当初から世界の強豪たちと凌ぎを削ってきた岡見は、2006年にはすでにUFCに参戦し、2011年には絶対王者アンデウソン・シウバとミドル級王座を争っている、日本格闘技界の“レジェンド”だ。2019年2月にONEとの契約を発表した岡見は、今回のONEデビュー戦でキャムラン・アバソフ(キルギス/20勝4敗)と対戦する。 25歳のアバソフは2018年12月の前戦マレーシア大会で地元の英雄アギラン・タニを、クリンチボクシングで殴り、豪快に投げてパウンド、最後はリアネイキドチョークで絞め上げタップを奪う無慈悲な勝利を挙げている強豪だ。2018年8月には、ボンサイ柔術のマスコス・ソウザをノーコンテストながら一度はTKO状態にまで追い込んだヌルスルタン・ルジボエフに、きっちり判定勝ちを収めていることからもその実力はうかがいしれる。 入場時、気合十分の岡見は観客からのタッチには目もくれず花道を進みリングイン。今回はリングでのMMAとなる。 1R、サウスポー構えの岡見。オーソドックスのアブソフ。右の前手を突く岡見。圧力を先にかけていく。さらに左ミドルハイ! ブロックするアブソフは右で押し返す。下がり左に回る岡見。アブソフは右インロー。 岡見はダブルレッグも切るアブソフ。しかし差し上げられた岡見は得意の四つに組むと小外がけでテイクダウン! そのままマウントへ! しかし、アブソフは一発のブリッジで跳ね上げ足を戻すことに成功。ガードの中に岡見を入れる。 岡見もいったん上体を離し強いパウンド。岡見は右で脇差し、左足を抜くとハーフガードに。アブソフは跳ね上げるが右の脇差しが効いて岡見は返らない。残り10秒の拍子木に体を離した岡見は上から蹴りを放ちゴング。 2R、右手を前に喧嘩四つから足を触ってから四つに持ち込もうとする岡見。首相撲に持ち込もうとするも突き放すアブソフ。岡見は右フックを振るが、その打ち終わりにアブソフは右ストレート! アゴに受けた岡見は後方にダウン! 足は越えられないものの折りたたまれパウンド連打を受ける岡見。足も効かなくなり頭をガードを固めたまま打たれ続ける岡見にレフェリーが間に入った。 ONEデビュー戦で岡見はTKO負け。マウントを奪われるピンチをしっかり足を戻して凌いだアブソフが2Rに岡見の組みを切ってのTKOで3連勝を決めた。 試合後、岡見はSNSで「夜遅くまで応援いただきありがとうございました。残念な結果になり悔しい。大きな怪我はありません。勝ちたい。まだ終われない。強くなって帰ってきます」と再起を誓っている。 ▼第12試合 ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R×山田哲也(日本)[判定0-3]○マラット・ガフロフ(ロシア)山田哲也が2018年6月以来のONE参戦で元世界フェザー級王者のマラット・ガフロフとフェザー級で対戦する。 山田は2018年5月にエリック・ケリーにRNCで一本勝ち、6月にはハファエル・ヌネスをインサイドガードからのヒジ打ちで切り裂き、ドクターストップで2連勝を収めている。 対するガフロフは強豪のナラントンガラグや横田一則に勝利も2018年9月の前戦では松島こよみにKO負けを喫している。 1R、右のオーバーハンドの動きのまますぐに尻下でクラッチを組みダブルレッグテイクダウンはガフロフ! クローズドガードを取る山田に中腰から鉄槌を顔、パウンドを脇腹に打つ。山田は頭を押さえるも外すガフロフは右でボディに連打する。さらに腰を上げ、パウンド! 首を抱える山田だがクローズドのまま、オーバーフックも腕を抜かれる。ガフロフは上をキープしたまま。ガフロフの圧力とパスを警戒か、山田はクローズドガードのまま、立つ動きはを見せず下から防御。 2R、サウスポー構えから左の二段跳びヒザを二度打つのは山田。しかし間合いを詰めるガフロフはコーナーでクラッチしテイクダウン! 山田の左手を後ろ手に縛り、右手でパウンド! 縛られた腕は外した山田だが、クローズドガードは解かず。腕十字を狙うがすぐに潰すガフロフは右で脇差しパスガードも狙う。そこは超えさせない山田は巴投げ! スクランブルでガフロフの立ち際にギロチンでクローズドに入れる山田だが、クラッチは外れ、ガフロフは上に。 3R、サウスポー構えから前に詰めて左の蹴りは山田。しかしガフロフもダブルレッグテイクダウン! そこにギロチン気味に抱え込んでしまう山田が下に。コーナーでガフロフは両足をまたいでのパスガード狙い。ドントムーブで中央再開。下からキムラロック狙いは山田。しかし危なげなく外すガフロフ。 ブレークでスタンド再開。山田のヒザ蹴りにシングルレッグを合わせたガフロフ。がぶりからヒザ突く山田だが、足をつかんでいるガフロフは脇を潜り粘り強くテイクダウン! 山田は下からヒップスローでスイープを狙うが、それを潰したガフロフが上のままゴング。 判定は3-0で全ラウンドを通じてテイクダウン&パウンドを入れたガフロフが勝利した。 ▼第11試合 Super Series ムエタイ・バンタム級(65.8kg)3分3R○ヨードパノムルン・ジットムアンノン(タイ)[3R 2分11秒 KO]※右ヒザ蹴り×テイラー・ハードキャッスル(豪州) ONE2試合目のヨードパノムルンは、2018年10月にチャムアトーン・ファイタームエタイ(タイ)が持つラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王座に挑戦した強豪(判定負け)。リングでのオープンフィンガーグローブ戦。 1R、オーソのヨードパノムルン、サウスポー構えのテイラーともにムエタイのアップライト構え。首相撲ではヨードパノムルンが頭をアゴにつけてコントロールする。テイラーは左ミドル! 詰めるヨードパノムルンは跳びヒザで応戦。 2R、先に詰めるのはヨードパノムルン。ジャブで圧力をかけ、跳びヒザ。組めば首相撲で頭をつけてヒザを突く。下がりながらもワンツーの左はテイラー! しかし、続く左ミドルは蹴り足を掴んで倒すヨードパノムルン。さらに脇を差して回して投げる。 3R、左ミドルのテイラーにぐいぐい前へ詰めて右ヒジで飛び込むヨードパノムルン。テイラーの前蹴りをかわして組んでいく。さらに詰めて左ヒザはヨードパノムルン! 身体をくの字にするテイラー。さらに詰めるヨードパノムルンは首相撲から右ヒザ! テイラーはマットに崩れ落ちた。 Super Series ムエタイ・バンタム級(65.8kg)のヨードパノムルン。鈴木博昭や健太と同階級にまたもムエタイの強豪が頭角を現してきた。 ▼第10試合 ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R○プリシラ・ヘルタティ・ルンバン・ガオール(インドネシア)[判定3-0]×ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア) 1R、オーソのノウ。サウスポー構えのガオール。ノウのワンツーの打ち終わりにカウンターのダブルレッグはガオール! そのままサイドを奪うとアメリカーナ狙い。さらにヒザ蹴り。ニーオンからマウント。ブリッジするノウにパウンド・ヒジもノウはブリッジでリバーサル! 草刈で倒すガオールだがノウは足を抜き先に立つと、上から蹴りを打つ。 2R、ガオールはアップライトのムエタイ構え。ノウはボクシングスタイル。組みに来るガオールを二度差し上げて切る。右ミドルはガオールもそこに右ストレートはノウ。しかし、みたび組むガオールは小外刈テイクダウン! 1R同様にサイドを奪うと鉄槌! さらに右脇を差して両足でVクロスアームロック。外してマウント、パウンドから腕十字を狙うがそこで正対して立つノウ。1R同様にガオールは草刈でノウを倒す。 3R、ダブルレッグからコーナーまで押し込んでテイクダウンはガオール。しかしノウは下からヒジを後頭部に当ててしまう。中断後再開。下からブリッジでリバーサルするノウ。ガオールは蹴り上げで立つとノウは右ミドルで前進! ガオールはサイドキックで距離を取る。ノウは前がかりになったところにガオールはカウンターのダブルレッグテイクダウンを決めてゴング。判定は3-0でガオールが地元で勝利。前戦のスプリット判定負けから復活を遂げた。 ▼第9試合 ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R○タン・リー(米国)[2R 0分12秒 KO]×ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア) フェザー級(※70.3kg)戦。サーデュラエフは前戦で今成正和に判定勝ちで5連勝中。リーはMMA4連勝から前戦2018年5月のLFAでKO負けも、TUFシーズン22での活躍、さらにダナ・ホワイトコンテンダーズシリーズで勝利を挙げるなど、注目のストライカーだ。 1R、オーソドックスから上半身を立てた構えのタンは距離を置いて前足での関節蹴り。さらに長い右を狙う。サウスポーのサーデュラエフは左回り。突っ込んで前足にシングルレッグ! ヒザ立ちになるリーにすぐにバックに回るサーデュラエフ。亀のリーにヒザ蹴り! 腕を伸ばしてきたリーの腕を腹固めに取り、バックへ。スクランブルで立とうとするリーのサイドバックを取り、再び亀にさせるとヒザを突く。 2R、距離を保ち右ハイを狙うリー。何とかブロックするサーデュラエフはダブルレッグに入るが、そこに右ヒザを合わせたリー! カウンターでもらったサーデュラエフはヒザから崩れ落ちた。 タン・リーが実力者サーデュラエフを下し、ONEデビュー戦のKO勝利でフェザー級戦線に名乗りをあげた。 ▼第8試合 ONEバンタム級(※65.8kg)5分3R○キム・デフォン(韓国)[1R 4分11秒 TKO]×アイディン・ジュマイ(中国) 1R、デフォン、ジュマイともにオーソドックス構えから。ジュマイは先に右ストレートを放つ。デフォンはそこに左ハイを狙う。右ハイにはジュマイも右ストレートを合わせに行く。右ローはデフォン。さらに近い距離での打ち合いはジュマイが優勢。ワンツーから互いに激しい打ち合いに。コーナーに詰めたデフォンが左右を振り、右ストレートにジュマイが半身になるとそこにデフォンは右アッパー! さらに連打に背中を向けたジュマイ。レフェリーが間に入った。 デフォンは2018年4月に今成正和に判定勝ちも2月の前戦では上久保に判定負けしていたが、再び白星を手にした。 ▼第7試合 ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R○高橋遼伍(日本)[1R1分46秒 TKO]×ケアヌ・スッバ(マレーシア) 元修斗環太平洋フェザー級王者の高橋遼伍がケアヌ・スッバと2年7カ月ぶりの復帰戦&ONEデビュー戦。1R、ともにオーソドックス構えから。いきなり右ローのカーフキックは高橋。スッバもそこに左右を合わせに行く。左ジャブはスッバ。さらにワンツー。高橋の右ローに右ストレートも狙う。右の前蹴りは高橋! スッバは左インローも足を上げチェックした高橋のヒザが当たり、スッバがダウン! 高橋がパウンドし、レフェリーが間に入った。 【プレリミナリー】 ▼第6試合 ONEバンタム級(※65.8kg)5分3R×ポール・ルミヒ(インドネシア)[判定0-3]〇スノト(インドネシア) ▼第5試合 ムエタイ・バンタム級(65.8kg)3分3R〇健太(E.S.G)[判定2-1]×デイヴィダス・ダニーラ(リトアニア)  オープンフィンガーグローブを着用して入場した健太は、ヴァンダレイ・シウバを髣髴とさせる両手を組み合わせてクルクル回すパフォーマンス。コール時にはもちろんお馴染みのナルシストポーズを決めた。  1R、ムエタイスタイルでサウスポーに構えたダニーラは左ロー、健太は組み付くとヒザからヒジを見舞う。前へ出てくるダニーラを右ミドルで迎え撃つ。どんどん前に出るダニーラの右アッパーがヒット。ジャブを当てていく健太だが、ダニーラの圧力に押され続けた。  2Rも前に出てパンチをまとめてくるダニーラに、健太は首相撲からのヒザ蹴りで対抗。ダニーラの左ストレート、左ミドルをもらってしまう健太は右ミドルを蹴り返していく。中盤を過ぎると健太のジャブがダニーラの顔面を連続して捉え、ダニーラが2度グラつく。健太がリズムをつかみ始めた様子に。  3R、ダニーラはスイッチを使い、右ストレートと右ヒジも放ってくる。健太のワンツーがダニーラの顔面に連続ヒットするが、ダニーラは打ち返して首相撲に持ち込む。健太は崩してマットに叩きつける。健太の左ボディをもらったダニーラは逃げの体勢に入り、左ミドルを連打。健太はコーナーへ詰めてボディを連打する。  判定は2-1のスプリットとなり、健太が勝ち名乗りを受けた。 ▼第4試合 ONEフライ級(※61.2kg)5分3R×ルーディ・アグスチアン(インドネシア)[2R2分50秒 TKO]〇チャン・ロタナ(カンボジア) ▼第3試合 Super Series ムエタイ・バンタム級 3分3R〇アンドリュー・ミラー(英国)[判定3-0]×モハマド・ビン・マムード(マレーシア) ▼第2試合 ONEストロー級(※56.7kg)5分3R〇アドリアン・マテイス(インドネシア)[1R4分42秒]※リアネイキドチョーク×ヒマンシュ・コシィック(インド) ▼第1試合 ONEストロー級(※56.7kg)5分3R×グントゥール(インドネシア)[1R4分56秒]※腕十字〇アンジェロ・ビモアジ(インドネシア)
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