未来で警戒すべきは、コーナーゲームとロープゲームだ
――なるほど。未来選手のMMAでのグラップリングの動きはどう見ていますか。
「RIZINで寝技らしい寝技になったのは、唯一あの試合だけかな。カザフスタンのボクサー(カルシャガ・ダウトベック)との試合。ミクルにとって打撃で思うようにいかなくて寝技に持ち込んでる」
――未来選手はサイドからスイープする動きも見せています。
「うーん……腰が強くテイクダウンデフェンスに長けている。でもミクルの組み技で最も警戒すべきは、コーナーゲームとロープゲームだ。矢地は、ミクルにロープを掴まれずにテイクダウン出来ていれば展開は変わっていたと思う。運営にはしっかりチェックしてほしい」
──未来選手は「タップしない。俺たちはそんな中途半端な気持ちでやってない」と言っています。それでも極め切ることはできますか。
「そうだね……未来はここまでタップしてない。たぶん、次でみんなビックリする。彼は絶対にタップするから。間違いない。タップしないのなら、絶対落ちるよ。壊れちゃう、折れちゃう。でもタップしないならそれはしょうがない」
――クレベル選手はカイル・アグォン選手をダウンさせたパンチなど組みの圧力のなかで、思い切りのいい打撃も効かせています。その点での進化はいかがですか。
「まだ、試合で打撃は見せていないよ。あの試合は相手に合わせただけ。自分の見せたい打撃じゃないから。ミクルの蹴りやカウンターが上手いことも分かっている」
――ほかにも打撃のレパートリーはあるのですね。
「そこは豊橋のBELLWOODで鈴木(博昭)サンとしっかりやっているよ」
――どんな試合になるでしょうか。
「面白くならないわけがない。僕たちの違いが如実に出る。打撃が勝つか、僕らの柔術が勝つか。ミノタウロ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)がいたPRIDEの時代に戻るような感じだね。柔術、打撃、それぞれの価値を守る」
――この試合を越えて、その先の目標は何でしょうか。
「夢はあるけど、彼(未来は)その夢の邪魔だね。それを除かないと。試合も人生も悪い時間は必ずある。でも最後にベルトを巻くのは自分だ。それ以外の道はない。ベルトは僕にとって黒帯みたいなもの。獲ることは難しくない。難しいのは保持し続けることなんだ。僕は王者になって防衛し続けたい」