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2021年6月13日(日)に東京ドームで開催される「Yogibo presents RIZIN.28」の追加カードが1日、都内にて発表された。
極真会館所属のRISEウェルター級王者“ブラックパンサー”ベイノアが、弥益ドミネーター聡志(team SOS)を相手にMMAデビュー戦に臨む。
これまで極真会館所属で総合格闘技に挑戦した選手としては、アンドリュース・ナカハラ、エヴェルトン・ティシェイラ、御子柴直司、池田祥規、瀬戸哲男らの名前が挙がるが、極真会館に所属したままキックボクシング現役王者としてMMAに挑戦する選手としては初となる。
▼73kg契約 5分3R ※ヒジあり
弥益ドミネーター聡志(team SOS)
“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)
会見に出席したベイノアは、まずは「押忍、RIZINファンの皆さんはじめまして。板橋区成増から参りましたRISEウェルター級チャンピオンの“ブラックパンサー”ベイノアです。このたびはこのような大舞台に自分を選んでくださり、ありがとうございます。また、自分を送り出してくださったRISEの伊藤代表、極真会館の松井館長、ほんとうにありがとうございます」と、初参戦の挨拶。
続けて、「アウェイの舞台に乗り込み、自分は何も考えず暴れるだけだと思います。自分の持てる力を、極真空手で培ってきたものを、存分に発揮してドームの舞台で暴れたいと思います。RISEチャンピオンの名に、極真空手の名に恥じないよう、そして板橋区成増の名に恥じないよう、全力で戦おうと思います。楽しみにしていてください」と所信表明した。
柔術にも取り組んできたことを明かしていたベイノアだが、現在のMMAの練習環境については、「(極真に)MMA経験者の先輩方がいるので、あと外部から教えてくださる先生もいますが、基本は極真空手の道場でやっています。キックボクシングに挑戦するときも、自分は空手の延長で出ていたので、MMAというのも特別なことをするのではなく、あくまで自分のバックボーンである空手の延長のつもりで準備をしています」と、あくまで総合武術としての“空手”をベースに戦うとした。
また、打撃のスペシャリストとして、弥益との打撃のレベルの差について問われると、「やってみないと分からないですね。MMAの打撃とキックボクシングの打撃も違うと思いますし、グローブが違うだけで、リングの環境が違うだけでまた変わってくると思うので、なかなか比べにくいです。どんなルールでもどんな階級でも強いやつは強いと思うので、強いやつが勝つというだけだと思います」と語り、MMAへの打撃のアジャストについて、「100、のびしろだと思います」と手応えを得ていることを語った。
対する弥益は、前DEEPフェザー級(65.8kg)王者。2018年10月に芦田崇宏に判定勝ちで第9代フェザー級チャンピオンに輝くと、2019年5月にDJ.taikiにKO勝ちで初防衛に成功、7連勝を飾った。2020年9月の牛久絢太郎との防衛戦で判定負けし、王座陥落。大晦日にRIZINに初参戦し、朝倉未来と激闘の末に1R KO負けし、今回が再起戦となる。
「本業」である会社員での仕事のため、会見を欠席した弥益は、以下のコメントを発表。
「思いがけないことですが今回RIZIN東京ドーム大会に出場させていただくこととなりました。私など、本来であれば東京ドームという素晴らしい舞台に見合うような人間ではないのですが、キックボクシングのチャンピオンであるベイノア選手が初めてのMMA挑戦という記念すべき試合で、自分のような仮にも日本の老舗MMA団体の元チャンピオンを対戦相手に選び出すという、並外れたリスクマネジメント能力の低さ、圧倒的リテラシーの欠如によって出場の機会をいただけました。
約18年ぶりとなるMMAの東京ドーム凱旋、歴史の一部となれることを大変嬉しく思います。初のMMA挑戦、ただし1階級下の選手を指名するという、チャレンジングなんだか保守的なんだか分からないベイノア選手ですが、足止めて、ノーガードで打ち合いましょう(負けフラグ)」と、「73kg契約」でMMAデビューに臨むベイノアとの試合に向けて、“らしい”意気込みを記している。
このコメント代読を受けたベイノアは、「いまドミネーター選手からコメントがありましたが、全体的に何を言っているのか全く分かりませんでした。語彙力が豊富なのか業界用語なのか、褒められてるのか、けなされているのかもよく分からないので、自分はリングのなかで戦うだけだと思います。当日はドミネーター選手、よろしくお願いします。押忍」と、とりあわず。
前DEEP王者との対戦に向け、「秘策はない。相手より勝っているのは野性味と勢いだけだと思っています。相手は理論立てていろいろ考えてくるでしょうけど、自分は考えても何も出てこないので、勢いでいく」と“黒豹”は語った。