人生のなかで、格闘技だけを頑張って生きてきたので、ここだけは譲れないぞ、というところがある
──石渡選手の試合は、いつも激闘になります。試合前の心構えなどはありますか?
「人生のなかで、格闘技だけを頑張って生きてきたので、ここだけは譲れないぞ、というところがあります」
──井上選手のいくつかの試合をご覧になったと思いますが、井上選手が苦しんだサウスポーのトレント・ガーダムとの競った試合をどのように感じましたか。
「あの試合をみて、よく研究していたんですけど、たまたま見たツイッターの投稿で、(井上が)『あの試合は怪我してた』と言っていたので、“なんだよ”と(苦笑)。まあ、自分の当日のコンディションもありますし、向き合ってみないと分からない所があると思うので、そういうときにいろんな状態で対応できるように自分を固めています」
──「向き合ってみないと分からない」ような外国人選手と多く戦ってきた石渡選手は、そういう修羅場をくぐり抜けてきた自信が試合で出てくると思いますか。
「びっくりすることはないと思います。びっくりして戸惑っちゃうことはない」
──逆に相手がビックリする場面も用意していますか。
「それがないとダメですね」
──井上選手は前後のみならず左右にも動けるステップを持ちます。石渡選手は自分の得意な距離にする必要があると思います。そこに関してはご自身でどう考えていますか。
「そんな質問しないで下さい(笑)。全部分かっていて考えがあるので、ヒントになるので言いたくないです」
──怪我で戦線から離れ、後輩を育ててセコンドに付いて、これまで格闘技を俯瞰して見てきたと思いますが、今回の日本のトップ選手が揃うバンタム級GPに出場を決めた理由をあらためて教えて下さい。
「コンディションが良くなったからです。これからもずっとやって行きたいんですけど、コンディションが良くなったので、出来そうだな、というところで出場を決めました」
──扇久保選手の公開練習では、次の対戦相手として「石渡選手と井上選手の勝者と戦いたい。石渡選手が勝つと思う」と話していました。公式動画で石渡選手の奥様と扇久保選手のパートナーが対談したり、2019年の大晦日の対戦から、扇久保博正選手との関係をどう感じていますか。トーナメントで勝ち上がったら再戦したいなどの思いはありますか。
「トーナメントで、戦いたいひとりではあります。前回負けているんで、リベンジしたい相手です。で、まあ、なんスかね、ただなんかいろんな彼の人間性とか好きなんで、トーナメント終わったらYoutubeでコラボしましょう(笑)。その前にリベンジしようと思っています」
──選べるなら、このトーナメントで試合をしたかった相手は誰ですか。
「一番弱いやつとやりたかったです(笑)。リストに名前書いてあるんですけど、たぶん悪口になるので(笑)。対戦が決まって盛り上がるんであれば、その悪口を言いますけど、今は関係ないので言えないです」
──東京ドームで戦うことについてどう感じていますか。
「スタート、(プロ)デビューした時、15年前なんですけど、ほんとう数百人入る体育館(北沢タウンホール)でやっていて、東京ドームでやれるのは素直に嬉しいですが、それに浸る事なく、試合内容がすべてだと思うので、東京ドームという場所で井上直樹をぶっ飛ばしたいと思います」
【写真】2006年10月1日、プロ2戦目「修斗 下北沢修斗劇場 第16弾~燃えろいい男~」に出場した石渡伸太郎。21歳だった。
──最後にファンへメッセージをお願いします。
「何がどうあっても面白い試合になると思います。ほんとうにぶっ飛ばしにいくので、試合を楽しみにしていてください」