プロで初めて手にしたベルトを持ってニッコリの松岡
2021年4月23日(金)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.124』の一夜明け会見が、24日(土)都内にて行われた。
会見にはダブルメインイベント第2試合(第8試合)のKrushウェルター級タイトルマッチで、王者・加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)を判定3-0(30-27×2、29-28)で破り新王者となった松岡力(K-1ジム五反田チームキングス)が会見に出席。前夜の試合を振り返った。
開口一番「振り返りたくないくらいキツかった。もうしばらくはいいです」と松岡。「試合をやっている時はもらっていないと思ったんですが、映像を見たらめちゃもらっていて。試合後のインタビューではもらわないで打っていたと言っていたんですが、実際にはもらっていたので虎於奈は強いなと思いました。昨日は技術云々じゃなく気持ちで勝ったと思っています。差はなかったと思っています」と、自分の試合後のイメージと実際の試合は違ったという。
27歳でついに初戴冠。目の前のチャンピオンベルトを見て「ベルトがあるのは今までにない経験なので嬉しいですけれど、このプレートが木村“フィリップ”ミノルになっていたんですよね。あとで変えてもらえるのかな」と、ベルトのプレートが2代前の木村のままになっているとツッコミを入れる。
今後については「何十回もベルトを防衛するというのは僕のプランには今後なくて。できれば上で勝負させて欲しい。そこへ向けて走っていきたい」と、改めて次はK-1王座へ向っていきたいと希望。
中村拓己K-1プロデューサーは「K-1のウェルター級王座は空位になっているので、外国人選手が入ってくるタイミングで世界の強豪と争う形でベルトを懸けた王座決定トーナメントをやりたい」とした。
試合前は「負けたら引退」、試合後も「あと数戦」と引退を口にすることが多い松岡だが、年齢的にはまだまだやれる年齢。それはなぜなのかと聞かれると「なんでですかね。自分でも分からないんですが、毎回負けて辞めようと思うけれど、僕の才能を一部の人が、トレーナーとかが辞めない方がいいと言う人がいるので。こうしてチャンピオンになれて引き留めてくれたことに感謝します。でも、いつでも辞めたろと思っています」と、とにかく辞めたい気持ちになるという。
「逆にみんななんでやっているんですか。どんな神経でやっているんですかね、格闘家って。僕は他の人よりやっているので。小1からやっているので、今も昔も嫌々ですけれど(笑)。歴は長いのでノビシロもなかったですが」と、自虐的に語る。
そんな中で新しいトレーナーとの出会いが続けるきっかけになったとも。
「K-1ジム五反田で教わっている秋元トレーナーのおかげです。今の僕のメイントレーナーなんですが、今回自分では相手の映像を1回も見てなかったんですよ。トレーナーが見てくれて対策を立ててくれたので、トレーナー様々です。秋元トレーナーがいなかったらこんなに熱心にやってないですね」
昨晩は「宴でした」という松岡。「映像を見る前で(攻撃を)もらってないと思っていたので、酒もベロベロになるまで飲みました。まだ酒が残っているし、今からまた家族と飲みに行きます。今日も宴ですね」と、しばらくは酒におぼれる生活をしたいと笑う。
プライベートで親交のある加藤とは「朝も連絡くれましたし、僕が求めている格闘技は試合が終わったらお互いを称え合うのが格闘技の醍醐味やと思っているので。虎於奈も礼儀正しい男やし。またやってくれと言われましたが虎於奈とやることはもうないと思う。前回は反則負けして、その後のお酒の勝負では勝って、今回は試合で僕が勝って2-1で勝ち越しているので、堀井翼のラッキーパンチチャンネルで酒の席を用意してもらってそこで白黒つけたい」と、もう加藤とは戦いたくないとした。
1度目の引退宣言の理由となった近藤魁成へのリベンジは考えているかとの質問には、「もちろんそれも含めての世界トーナメントで。絶対に近藤選手も野杁選手も入ってくると思うので、世界トーナメントと言ったのはそこも含めてです。そこしか見てないので、そこを倒していかないとけじめがつかない。どっちも見ています」と、K-1の世界トーナメントで近藤と野杁正明にリベンジできれば自分の格闘技人生を締めくくれると話した。
最後には「次は拳を怪我しているのでいつになるか分かりませんが、出る機会があれば全力で身体を作っていくので楽しい試合になればいいなと思います」と、しばらく間を置くと語った。