2019年4月26日(金)東京・新宿FACEで『RISE EVOL.3』が開催された。シリーズ名の『EVOL』は“進化”を意味するEvolutionの略で、RISEで注目・進化が期待されるファイターを中心としたマッチメイクがされていくテーマで開催される大会だ。
▼メインイベント バンタム級(-55kg)3分3R・延長1R〇有松 朝(リアルディール/同級7位)判定3-0 ※三者とも29-28●金子 梓(新宿レフティージム/スーパーフライ級1位)
有松は長きにわたりこの階級で活躍し、福岡の『RISE WEST』でもメインイベンターを何度も経験している激闘派ファイター。対する金子は昨年11月、初代スーパーフライ級王座決定戦で田丸辰にプロ初黒星を喫し、今年からバンタム級に階級転向。しかし、2月の初戦では元Krush王者の堀尾竜司に判定負け。プロ2連敗となりここからの再浮上を狙う。
1R、有松はガードを固めて前へ出て、得意の左ローと左ボディで攻めていく。序盤は押された金子だが、ジャブが当たりだすとパンチのコンビネーションが当たり始める。有松の左ボディには左フックを合わせた。
2Rは右ローを蹴っていく金子だが、右フックを打ったところに左フックをもらってダウン。立ち上がると金子はアッパーやハイキックを交えたラッシュで前へ出ていき、打ち合いで優勢になって盛り返した。
3Rはパンチとヒザの打ち合いが続き、壮絶な展開に。両者押しあっても一歩も退かず、打ち合いを続ける。金子がアッパーとフックのコンビネーションを回転させれば、有松はワンツーをヒットさせる。お互いのパンチがヒットする中、金子はハイキック、有松は頭部へのヒザ蹴りを狙う。一進一退の攻防が続き、金子が追い上げて本戦ドローもありえるかというデッドヒートの展開だったが、有松がジャッジ3名とも1ポイント差で金子を振り切った。
有松はマイクを持つと「今回、一番最後で試合をさせていただき自分的には良くなかったんですが、試合面白かったですか?」と問いかけると、場内からは拍手が起こる。有松は続けて「とりあえずよかったです。選手はリングに上がる前、一人で戦うのは怖いんですが、皆さんの応援があるから選手も力強く戦えます。僕もチャンピオン目指してこのリングで戦い続けています。次戦、強い選手と戦わせてください」とアピールした。
▼セミファイナル フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R●山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/同級7位)判定0-3 ※三者とも28-30〇澤谷大樹(HAWK GYM/同級9位、2018年RISING ROOKIES CUPフェザー級優勝)
昨年行われたバンタム級王座決定トーナメントにも出場した山川が階級を上げ、昨年フェザー級新人王の澤谷と対決。
1R、サウスポー同士。山川は得意の蹴りを出していくが、澤谷は左ミドルをキャッチしての左ストレートを多用。さらにパンチからの右ミドルを当てていく。
2R、澤谷は右フックからの左フックを多用し、ボディも攻めていく。山川はミドルを蹴るがキャッチされ、澤谷は思い切りパンチを振るっていく。
3R、山川が手数を増やしての打ち合いにいくが、澤谷の一発のインパクトが強い。澤谷はストレート、アッパー、フックとパンチを使い分けて強い一撃を打ち込む。山川も左ストレートやジャブをヒットさせるが、澤谷の右フックでグラつき、山川の口からマウスピースが飛び出る。最後はマウスピースを吐き出して打ち合いを挑んだ山川だが、捉えきれず澤谷が判定勝ちした。
澤谷はマイクを持つと「今回、僕、石川なので遠いところから応援に来てくれてありがとうございました。また上に行きたいので応援よろしくお願いします」と、ランキングを上昇していきたいと話した。
▼第6試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R・延長1R〇森香津眞(チームドラゴン/同級6位、2018年RISING ROOKIES CUPスーパーライト級優勝)KO 2R48秒 ※左フック●吉田 敢(BRING IT ONパラエストラAKK)
森は名匠・前田憲作率いる新生チームドラゴンから生まれた、パンチが強い期待の新生。3戦全KO勝ちで、今回は吉田と対戦する。
1R、森はストレートのような重いジャブを次々と当てていき、右ストレートにつなぐ。さらに右ストレートと左フックでボディを徹底的に攻める。吉田は右ローを主軸に右ストレートを当て返した。
2Rも左ボディと右ストレート、そしてヒザ蹴りでボディを攻める森。吉田も右のパンチを当てていくが、森が攻撃を強めてコーナーへ追い詰める。最後は左ボディからの左フックでなぎ倒し、レフェリーは吉田の様子を見て即ストップ。森のKO勝ちを宣した。
森はマイクを持つと「僕は今、デビューして4戦全KO勝ちですが、まだこんなもんじゃないので、ランキング上位全員倒してチャンピオンになります。今年、強いチームドラゴンを見せるので楽しみにしていてください」と高らかに宣言した。
▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R・延長1R>〇TASUKU(リアルディール/同級9位)KO 1R2分38秒 ※3ノックダウン●恭介(インスパヤードモーション/同級11位)
1R、恭介は序盤からいつも通り空手仕込みの後ろ廻し蹴り、後ろ蹴りと回転系の技を繰り出し、強烈な右ミドルやローキックにつなげていく。TASUKUは右ローを狙い撃ちにしていき、中盤から恭介もローの蹴り合いを挑む。
TASUKUIは鋭いヒザ蹴りを突き刺し、続く右ストレートでダウンを奪うと、右フックの連打でグラつかせて右フックでダウンを奪う。最後も右フックで恭介を倒し、TASUKUが鮮やかなKO勝ちを飾った。、
TASUKUはマイクを持つと「実は私事でありますが、リアルディールでの試合は今日が最後で」と涙ぐみながら語り、「独立して自分でジムを持とうと思っています。最後にリアルディールでの集大成が出せてよかったです。新しいジムでも選手は続けていきます。リアルディールを始めほかのジムと切磋琢磨して、格闘技界を盛り上げていこうと思っています」と、長年所属したリアルディールから独立してジムを開くことを発表した。
▼第4試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R>●津田鉄平(新宿レフティージム/同級10位)判定0-3 ※26-30、26-30、27-30〇門口佳佑(EX ARES/那須川天心挑戦者決定トーナメント優勝)
ベテランでランカーの津田を大差の判定で破った門口は、「津田選手とは昨日からアツい試合をしましょう、足を止めて打ち合おうと約束していたんですが、なかなか倒れなくてしんどかったです。僕は地元が大阪で、空手の試合でエディオンアリーナでは何回も戦っていて思い入れがあるので、デカい会場なのでおこがましいですが7月出たいです。明日から練習を始めて備えます。僕はこの新宿FACEで那須川天心選手とやって負けているので、強くなっていつかまたそこまでたどり着けたらと思っています」と、7月の大阪大会への出場をアピールするとともに、いつか那須川と再戦したいと語った。
▼第3試合 RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級一回戦(-60kg)3分3R・延長1R〇中澤良介(TRY HARD GYM)判定3-0 ※三者とも29-28●常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者)
▼第2試合 RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級一回戦(-60kg)3分3R・延長1R〇小野幹晃(IGGYHANDS GYM/DEEPアマチュアキック賞金トーナメント優勝)KO 2R1分14秒●犬童 凛(TEAM TEPPEN)
▼第1試合 RISING ROOKIES CUPフェザー級一回戦(-57.5kg)3分3R・延長1R〇虎二郎・FLYSKYGYM(FLYSKYGYM)判定3-0 ※29-27、29-26、29-27●涼(ハーデスワークアウトジム)