キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】川島えりさ、ぱんちゃんにライバル心は「もちろんあります」

2021/04/10 00:04

『学業があるからキックが弱いんだ』と言い訳には絶対にしたくない

──さて、すごく今さらなところにさかのぼりますが、格闘技と出会ったのはいつのことなんですか?

「キックボクシングを始めたのは高校1年の時です。最初はエクササイズ目的でジムに入会したので、週1回行けばいい方というのを半年ぐらい続けてました。そこで小笠原瑛作選手から『試合に出ないの?』って言っていただいて、そこから週2~3回は行くようになって、アマチュアデビューしたのが高1の終わりの頃です」

──エクササイズ目的と言っても、女子高校生がキックジムに入会というのはまだ珍しいかなと思うんですが…。

「そうですね(笑)。父が以前ボクシングをやっていて、幼い頃に私も家でパンチを教わったりしていたんです。父は格闘技全般好きだったので、その影響はあると思います。家では格闘技の試合映像を日常的に見ていましたし」


──子供の頃は誰か好きな選手とかはいたんですか?

「魔裟斗選手はカッコいいなと純粋に思ってましたね。UFCとかも父と一緒に見たりしていて、格闘技は本当に身近にありましたね」

──でも、始めた時はプロになることなどは考えてなかったんですよね?

「はい、全く考えてなかったです」

──それがこうしてプロになった今、何を目標にしていますか?

「『ベルトを獲る』と答える選手も多いと思うんですが、私は…もちろんそういう欲もあるんですけど、そこがゴールとは思っていないんですね。プロとして何試合やれるのかも分からない中で、ぱんちゃん選手みたいに格闘技一本でやっているわけではなく、大学の学業とキックを両立させながらやっているので、試合間隔もどれぐらいでできるかもまだ分からない状態なんです。なので一戦一戦で、見てくれる人に感動してもらえたり、『川島選手のおかげで元気がもらえた』と思ってもらえるような試合がどれだけできるか、というのが一つの目標です。あとは純粋に強くなりたいという気持ちがあるので、そこで負けたくないなというのはあります。その結果としてチャンピオンになれればいいんですけど、それを最終目標にしているわけじゃないという感じです」

──大学の話が出ましたが、この春で2年生ですよね。ということは、コロナの影響で大学生活も想像と全く違ったのでは?

「そうなんです。高校の卒業式も大学の入学式もできなくて、去年は全くキャンパスに足を運ぶこともなく、友達もまだ片手で数えるほどしかできてなくて、まだ実感がないですね。今年は対面授業のメドもつきそうらしいので、そうなったらまた変わってきそうです」


──そうなったらなったで、キックとの両立という面では忙しくなりそうですね。

「そうですね。今以上に厳しくなるとは思うんですけど、どっちかがおろそかにならないようにしっかりやるというのは始める時に自分でも決めていて、『学業があるからキックが弱いんだ』とか、そういう言い訳には絶対にしたくないので、全力で両立させようとは思っています」

──なるほど。

「実はもう一つあって…。私は幼い頃から将来の夢があって、そのために大学とは別のスクールに通ってるんですよ。だから本当は、実質3つをやってる感じなんです。大学の授業は私にとっては苦じゃなくて、とても楽しいんですけど、そのスクールの方はいろんな分野が入ってくる職業を目指しているので、毎日、机に向かって頑張っているという感じです」

──そうなんですね。でも、大変な分やる気になるタイプのように聞こえますね。

「はい、もともと忙しい方が好きなタイプなので、厳しい状況なのは分かってるんですけど、逆に『頑張ろう』とやる気も湧いてくるので、全然、苦にはなってないです」

──そういった中で今回の試合は「完勝」を目指すと。では改めて、この試合で一番見てほしいところはどこですか?

「本当にもう、私自身を見てほしいと思ってます。「KNOCK OUTには川島えりさっていう女子選手がいるんだ』ということを意識して試合を見てほしいです。内容も問われると思っているので、そこも含めてしっかり見てほしいですね。

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