2021年4月10日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2021 act.2』のメインイベントで、Bigbangウェルター級王者モハン・ドラゴン(ネパール/士魂村上塾)と対戦するS-cup2018世界王者・海人(TEAM F.O.D)のインタビューが主催者を通して届いた。
海人はシュートボクシング世界トーナメント『S-cup2018』で優勝するなどSBの絶対的エースとして君臨、65~70kgと幅広い階級で緑川創、“ブラックパンサー”ベイノア、イ・ソンヒョン、中島弘貴、健太など国内外の強豪を次々と撃破してきた。今後は70kgを主戦場にすると決め、今年2月には日菜太と日本人頂上対決。判定2-0で勝利し、KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者となった。
日菜太戦を振り返り、北斗拳太郎に対戦要求
――前回2月28日、日菜太選手とのREBELS-BLACKスーパーウェルター級タイトルマッチから振り返ってもらいたいと思います。70kg級日本最強決定戦とも言われた一戦を制しました。
「しっかり勝てたことに関してはホッとしたのですが、日菜太さんがずっと背負ってきたベルトを自分が受け継いだ以上は、これからさらに頑張っていかないといけないなと逆に身が引き締まりました」
――作戦としてはどういうものを考えていました?
「最初は日菜太さんがもっと蹴ってくると思っていて、自分の方がスピードで上回っていると思っていたのでそれを踏まえて先手で蹴って相手に蹴らせない空気を作ることを意識しました。思ったよりもパンチで攻めてきたので、それにヒザ蹴りを合わせたりと、作戦は上手くはまったと思います」
――左ミドルなど70kg級トップ戦線でやってきた選手の攻撃力はどうでした?
「圧力はそんなに感じなかったのと、パンチも重くはありませんでした。ぶつかった時の感覚的にこれぐらいなら大丈夫だなと思いましたが、世界を相手に蹴り勝って来たミドルキックは、今までに受けたことのない衝撃でしたね。でも耐えられないほどのものではありませんでした」
――3R目は、前に出続ける日菜太選手の左ストレート、バックブローで押される場面がありました。
「3Rに顔面へのヒザ蹴りを効かせたのですが、そこで決めようと思ったところを逆に攻められたことで自分のリズムを崩してしまいました。日菜太選手にダメージがあるのは分かっていたのですが、意地でも引かないという覚悟を感じましたし、僕も日菜太選手が打ってくる攻撃にカウンターを合わせようとして見過ぎてしまったのかなと思います」
――勝利したことで今後、70kg級戦線でやっていく自信、手応えは掴めました?
「自信、手応えは以前からありましたが、自分が70kgでやっていくという覚悟は今回の試合を終えてしっかりできました」
――大会翌日の一夜明け会見ではREBELSのベルトだけでなく、KNOCK OUTのベルトも授与されましたが(REBELSのブランドはKNOCK OUTに統一されるために、REBELS王者はKNOCK OUT王者に認定)、一気に2本のベルトを獲得した心境は?
「僕自身はREBELSのベルトだけいただけると思っていました。2本のベルトをジムに持って帰って、今持っているS-cup2018世界王座とSB日本スーパーライト級王座の2本のベルトを合わせた4本を並べてみると、凄いものを持っているんやなと改めて実感しましたね。ベルト自体には今まで興味はなかったのですが、これからもシュートボクサーとして、よその団体に出させてもらう機会があるのであれば、狙えるベルトは全部獲っていきたいと思います」
――現在、SB70kgのチャンピオンは北斗拳太郎選手です。タイトルを懸けた一戦は意識していますか?
「最近北斗選手は試合をしていないと思うのですが(北斗の最後の試合は2019年2月11日KNOCK OUTでの緑川創戦)、どうされているのでしょうか。僕がSBの70kgエースとして今後やっていくつもりなのに、そのベルトを自分が持っていなかったら格好が付かないと思うので、6月20日の後楽園大会でぜひ北斗選手のベルトを賭けて試合をやらせていただいて、きっちり勝って僕が王座に就きたいと思います」
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どの技でもしっかり倒せるように全体的にパワーアップしている
――今回対戦するモハン・ドラゴン選手についてはどのような印象がありますか?
「パワーがあってとにかくKOを狙って荒い攻撃を仕掛けてくる印象しかありません(笑)」
――階級を上げていく中で対戦相手として意識したことはありました?
「それは全くなかったのですが、K-1に出ていた頃に試合を見たことはあって名前は知っていました」
――モハン選手の攻撃は大振りですが、もらってしまってダウンしてしまう選手は多いです。元SB世界スーパーライト級王者・鈴木博昭選手もモハン選手と初対戦した時(2013年4月20日)はそのパンチをもらって1RKO負けでした。そこはやはり警戒していますか?
「やってみないとわからない部分はありますが、ミット練習で振り回すパンチへの対策をしていますし、兄に仮想モハンになってもらったりしていて、攻略イメージは出来ているので確実に倒す試合になると思います。今後外国人選手とどんどんやっていきたいと思っている中で、そのための一つの試合です。こういうことはあまり言いたくはないのですが、モハン選手の攻撃はもらわない自信がありますし、もっとレベルもパワーも上の外国人選手とやっていきたいので、そういう意味でも今回はしっかりと倒して、この程度の選手では全く相手にならないというのを証明します」
――モハン戦に向けて強化していることはありますか?
「いつも通りなんですが、蹴り、パンチとどの技でもしっかり倒せるように全体的にパワーアップしています。日菜太戦を経験したことで、より一層意識しないといけないことが増えていて、そこも踏まえて強化しているのでさらに強くなった姿を見せられると思います」
――今回70kgよりも軽い契約体重での試合になりそうですが、減量は問題はありませんか?
「68kgぐらいに落ち着くのであれば問題はありません。ベースは70kgでやっていきますが、コロナ禍が収まった後に4選手(ザカリア・ゾウガリー、チャムアトーン・ファイタームエタイ、チャド・コリンズ、ピンペット・バンチャメーク)へのリベンジも見据えているので実験的な意味合いも含めて少し階級を落とすのもいいかなと思っています」
――今後、格闘技界の大きな流れとしては、5月30日に丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で『RIZIN.29』が開催されることが発表されました。キックルールをメインにカードが組まれるということですが、意識してますか?
「まだ目の前に集中しているので意識はしていませんが、SBの注目度を上げるためにも試合のお話があるのであれば出場させていただきたいですし、外国人選手を含めて強い選手とやれるのであれば是非お願いしたいです。次のSBは6月20日ですが、僕はどんどん試合をしたいタイプなので試合間隔が短くても問題はありません」
――実際、2018年7月29日のRIZIN初出場となった『RIZIN.11』に出場(ウザ強ヨシヤに2RKO勝ち)し、その2週間後の8月12日の『RIZIN.12』(小川翔に判定勝ち)にも出場と、短いスパンで試合に出られていましたよね。
「そうですね。そのRIZIN初出場の時は大会2日前のオファーだったのですが、2週間後にまたRIZINが別の場所で開催されるというのでついでに出させてもらおうと思って出た大会でした(笑)」
――自分でもタフだなと思いませんか?
「そう思います(笑)。日菜太選手との試合でも大きなケガはなくすぐに練習を再開できたので、丈夫なんでしょうね」
――最後にファンにメッセージを。
「僕は必ず世界に行って、世界のテッペンに立ちます。そのためには皆さんの応援が必要です。SBファンの皆さん、僕に力をください。一緒に世界へ行ってください。これからもよろしくお願いします!」