(C)ONE Championship
2021年5月28日(金)、ONE Championship初のオール女子大会「ONE: EMPOWER」が開催される。
日本から平田樹が出場する「女子アトム級ワールドグランプリ」1回戦では、平田の相手として北米Invicta FCからアリース・アンダーソン(米国)が参戦する。
ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーから、UFCのリカルド・ラマス、ハファエル・アウベスらが所属するフロリダのMMA Mastersに移籍。「人生で初めてフルタイムで練習」する環境になった。
伝統派空手出身で、18歳でMMAデビュー。Invicta FCでは跳びつき三角絞めでフィニッシュを飾るなど、トータルファイターなのが強みだ。平田対策として柔道出身のコーチと練習も積んでいるという。
MMA5勝1敗。Invicta2連勝中のアンダーソンは言う。
「ONEが適当にアメリカの選手をピックアップしたのではありません。自分がGPのなかで一番強いと信じているし、優勝しタイトルに挑戦することで出来るということを見せたい」
平田樹が初めて対戦するであろう北米のウェルラウンダーであるアンダーソンは、平田を撃破しアトム級GP席捲するか。本誌も参加した3月25日のグローバル・メディアデーでの囲みZOOM取材のインタビューをお届けする。
アンダーソン「王者に挑む、完璧なタイミング」
──ONE Championshipデビューが決定しました。ONEでの目標を聞かせてください。
「正直、一試合ずつ集中しています。自分のキャリアの中で、この契約は一番楽しみにしていて、練習の強度にも響いています。ONEと契約した途端、自分の人生が変わった感じがしました。何よりもこの機会に感謝していて、また、一試合ずつ集中するつもりです。このチャンスを無駄にしたくないし、トップまで頑張っていくつもりです」
──ONE Championshipと契約するきっかけは何だったのでしょうか。
「“リスペクト(敬意)”を大切にしている団体が魅力的だと思ったからです。ONEと契約することは、本当に誇りに思っているし、このトーナメントで誰と対戦しても立派に思います。前からONEに憧れていて、自分の試合、そしてキャリアにどう影響するかも楽しみにしています。自分のキャリアで一番いいタイミングで契約したと思います」
──女子アトム級ワールドグランプリの初戦では平田樹選手と対戦します。どのような印象をお持ちですか。
「平田選手の試合をいくつか見た感じの印象だと、優れた寝技の力を持っていて、強そうな選手だなという感じです。彼女と初戦で当たって良かったなと思います。なぜなら、私の名前はONEでは知られてないし、平田選手にチャレンジできるチャンスでもあり、そして自分の強さも見せることが出来る機会だからです」
──アンダーソン選手自身の強みと克服したい弱みがあれば教えてください。
「身長がひとつの利点ですね。166.3cmで、このトーナメント出場選手の中では一番身長が高いと思います。柔道の投げを避けるのにも大切な強みです。リーチ(168cm)もアドバンテージではありますが、柔術も好きなので、いくつかサブミッションで勝利をしています(※そのうちの一つはケージを背にしての跳びつき三角絞め)。グランドに行っても全然大丈夫ですし、立ち技にも自信を持っています。オールラウンダーとして、対戦相手は少し苦労すると思います。そして、様々な選手と戦ってきた経験。そして腕の長さ(リーチ)もですね。
(C)Invicta FC/Dave Mandel
一番番の弱みは……今回のメンタル面です。ONEと契約していろいろ変化しているので、今はONEに所属していて、自分がONEで最高の選手の一人になるんだってことを自分にリマインドしないといけないですね」
──平田選手の柔道の投げ技、特に首投げについてはどのようにとらえていますか。
「投げられる前にバックが取れると思います。身長差で投げにくいし、投げられても手足が長いのでバックは取れる。ジムのコーチで柔道のマスターもいるので、いろいろなシチュエーションやカウンター技などきちんと準備をしています。まだ8週間あるので、準備を重ねる時間は十分にありますね。こういう風に長い時間をかけて試合に向けて練習できてよかったです。5月28日には必ず準備はできています」
──平田選手はグラップリングを得意としています。彼女と寝技の勝負になったら付き合いますか。
「全然大丈夫です。柔道がバックグラウンドということなので、投げ技にこだわるかなと思います。試合映像を見て、どのようなテイクダウンを狙うかも対策を練っています。柔術では青帯ですが、MMAのなかで寝技になっても、過去にタフな相手とグラップリングの勝負をした経験があるし、その点は全然平気です」
──平田選手の1番の弱点は何だと思いますか?
「経験です。7勝無敗ですが、彼女が今まで対戦してきた選手の中で、私が一番強いと思います。これからより弱点が見えてくるのではと思います」