2021年4月4日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX』の第3試合スーパーフェザー級KNOCK OUT-REDルール3分3Rで対戦する、新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)と角谷祐介(NEXT LEVEL渋谷))のインタビューが主催者を通じて届いた。
新田はここまで7戦5勝2分けとデビューから無敗で来て、今回の試合から階級をアップ。と同時に、今までになかったKO勝ちをものにしたいという。彼の意識を変えたのは、一体何なのか?
「チャンピオンになって沖縄大会実現のため、今年が勝負!」
──まず、今回対戦する角谷祐介選手の印象や、警戒する点を教えていただけますか?
「相手の印象は特に気にしてないんですけど、階級を上げての一発目なので、たぶん力の差が出てくると思うんですよね。そこだけは警戒しようかなと思ってます。元の階級からは2.5kg上になるので、フィジカルの差は出てくると思うので。そこだけ気をつければ、あとはいつも通りやれば勝てると思います」
──階級を上げた理由というのは?
「山口元気会長に『スタミナがない』ってとことん言われたんです。それは減量のせいなので、階級を上げればということになりました。ナチュラルが66kgぐらいあって、今までは8kgぐらい減量してたんですけど、もともとそんなに筋肉がある方でもなかったので、絞るのも大変だったんですよ。なので、だいぶ変わりますね」
──では、スーパーフェザー級の体作りはまだこれからということですか?
「そうですね。今度の試合には間に合わなかったんですけど、ちょっとずつ上げていって頑張っていくつもりです」
──デビューからここまで、7戦5勝2分けでまだ負けなしですよね。ここまではいかがですか?
「7戦やってみて、パッと見の戦績はいいんですけど、試合内容的にはダメなので、今までとスタイルを変えていくつもりです。今までは勝つのにこだわりすぎて、ポイント取って逃げてる感じだったんですよね。だからこれからは勝ち負けにこだわりすぎず、試合内容で勝負したいという気持ちです」
──そのために、どういうところを強化してるんですか?
「もともと、あまりスパーはしてなかったんですけど、先輩たちがやってくれるのでスパーも増えていて、それで自信がついてますね」
──クロスポイント吉祥寺はプロ選手も多いし、スパーリング相手には事欠かないジムですからね。
「そうですね。環境もいいし、パンチの強い選手も多いので、パンチで倒したいという気持ちも強くなってます。ただヒジもあるREDルールなので、出せるものは全部出して、自分が一番楽に戦えるスタイルを、早く見つけられたらいいなと思ってます。ここまで負けてないと言っても、倒して勝たないといけない相手も多かったので、もう少し上げていかないと、また会長に怒られるんで(笑)」
──怒られますか(笑)。
「次の試合も、たぶん『勝って当たり前』と思われてるので、勝ち方の部分も頑張らないといけないなと思います。今回は倒して勝つのが目標ですね」
──ところで、生まれは沖縄なんですね。東京にはいつから?
「東京には、7年前に高校を卒業した時に、就職で来ました。若いうちに東京に行こうかなというノリで(笑)。沖縄ではボクシングを2年ぐらいとキックも少しやってたんですけど、上京した前後はちょっと休んでて。でも、キックは若いうちしかできないなと思って仕事をやめて、ジムに入った感じです。いろいろジムを探したんですけど、ここだといろんな大会に出られるかなと思って、クロスポイント吉祥寺に決めました」
──東京で格闘技をやる上での目標は?
「ベルトを目標にはしてるんですけど、ウチのジムは渡慶次(幸平)さんとかヒデさん(炎出丸)とか沖縄出身の選手も多いので、『KNOCK OUT』の沖縄開催も目標ですね。自分がベルトを獲って引っ張れるようになれば、発言権も出てくるのかなと思うので」
──では、これから戦うスーパーフェザー級でタイトルを狙うと。
「まあ、オファーが来ればフェザー級でも、頑張れば落ちると思うので」
──REDのフェザーだと安本晴翔というチャンピオンがいますが。
「そうですね(笑)。まあ、いずれは彼も上げてくると思うので、待っててもいいのかなとも思いますけど。本当は、自分の中では25歳までにベルトを獲るかそれに代わるような結果を残すという予定でいたんですけど、コロナで去年は試合も全然なかったので、今年に賭けてます。負けたら終わりかなというのがあって……そこまで若くもないので、今年が勝負ですね。今回いい勝ち方をして、上を目指すだけです」
──では今回の試合、一番見てほしい点は?
「強いて言えば、最初のラウンドですね。フルラウンドまで行ったら半端な試合になりそうなので、最初に倒し切るつもりでいきます。なので、最初からいくところを見ててほしいです」
「相手に期待してます。強いので無様な試合にはならないかなと(笑)」
「勝っても負けても、とにかく自分で納得のいく内容の試合ができれば」という角谷にとって、今回の試合が持つ意味とは……。
──今回は新田宗一朗選手との対戦となりました。まずは相手の印象から伺えますか?
「階級のわりには背が高くて、クレバーな戦い方をされるなという印象ですね。たまたま会場で見た試合が印象的でした。その時は階級が違ったので、対戦するという意識はなかったんですけど(笑)」
──普段、対戦相手の映像は見る方ですか?
「正直、そんなに見ないですね。本当は見なきゃダメなんでしょうけど、緊張するのもイヤなので(笑)。セコンド陣営とかがしっかり見てくれているので、チームに任せている感じです」
──では新田選手に対して、どう戦おうと思っていますか?
「背で負けているので下がらずに……距離を取ってという今までの戦い方は通用しないと思うので、逆にガンガン攻めていくような感じでいくのがいいのかなと思ったりはしています」
──新田選手はデビューからここまで無敗できていますが。
「負けにくいというか、見せるのがうまいですよね。勝負強いところがあって、負けないだけの理由はあると思います。ただ、そんなに意識しているわけではないですけど」
──“負けにくい”新田選手を、どう崩そうと?
「結局、その日の調子とかいろいろあるので、あんまり考えても仕方ないのかなというのが本当のところですかね(笑)」
──ではご自身としては、今回の試合のテーマは何かありますか?
「前回、油断して負けたところがあるので、油断しないことですかね」
──12月の『REBELS』後楽園大会での、ウルフタツロウ戦ですね。3Rにダウンを奪われての判定負けでしたが、改めて振り返ると?
「全然悔いとかはないです。セコンドの指示も間違ってなかったと思いますし、3Rにダウンを取られましたけど、勝っていても逃げるような戦い方をしてもしょうがないので、仮にあの試合で勝っていたとしても成長につながらなかっただろうなと思うんですよ。なので、あの結果は仕方ないというか、過去は過去なので」
──前回がオープニングファイト、今回は新宿FACEでの新シリーズ『KNOCK OUT-EX』での試合となりました。勝ち星を重ねて後楽園大会の本戦にという気持ちは?
「そうですね……そういうのもあまり意識してませんでした。すみません、無頓着で(笑)。ちゃんと勝つために練習はしてるんですけど、あまり栄光のようなものに興味がなくてですね(笑)。周りの期待を裏切らないようにやるだけというか。有名になりたいとか、そういう欲があまりなくて」
──それは最初からですか?
「ベルトを意識し始めた頃もあったんですけど、それを通り過ぎて、今は納得のいく内容が大事かなと。勝っても何とも言えない試合ばっかりだったので。『こんな内容で勝ってもあまりうれしくないし、周りにも申し訳ないな』という感じで」
──では、手応えのある勝ちがほしいという感じですか。
「そうですね。周りから見ても自分にとっても、納得のいく形でと勝ちたいいうか。やっぱり練習通り動けた時は、どんな結果になってもある程度納得はいくんですよ。『今日はちょっと調子が悪そうだな』という試合をしてしまった時はつらいですね」
──その点で、現在の課題とかテーマというと?
「メンタル面ですかね。どうしても試合になると、悪い意味で気合いが入りすぎちゃって空回りしてしまうので。試合をあまり意識しすぎないというか、もちろん練習もするし体調も整えるんですけど、あまり気負わないで、6割ぐらいの力でやりたいと思ってます」
──意気込みすぎないという感じですかね。
「そうですね。意気込んでる時は気持ちいいんですけど、それが結果につながるとはあまり思ってないので」
──周りからの期待は感じますか?
「どうですかね……あまりないんじゃないですか(笑)。でも、ウチのジムでも後輩が育ってきているので、彼らにいい影響を与えられたらとは思っています」
──所属のNEXT LEVEL渋谷は、今や「女子選手が強いジム」というイメージも強いですよね。その中で男子選手としてはいかがですか?
「そうですね。女子が強いというのは、裏を返せばコーチ陣が優秀だからというのがあって、そのコーチ陣は男女共通なので、そこで女子が頭一つ抜けてるのは、女子同士の結束力が固いというのもあると思うんですよね。男子選手はそこまででもないというのが、今ひとつ結果につながってない理由なのかとも思うんですけど、そこは女子を見習いつつ、男子には男子のいいところがあるとも思いますし、全部が全部劣ってるとも思わないので、コツコツやっていく感じですかね」
──今年になって大月晴明選手も加入されましたが、角谷選手はジムの男子選手の中でもキャリアで上の方ですよね?
「大月選手もそうですし、現役王者のNOWAY選手もいて……僕は中の上ぐらいのところにはいるんですかね(笑)。でもまあ、ポジションとかはあまり意識しないようにしていて……教えてくれている人にちゃんと恩を返したいというか、そういう気持ちが大きいですね」
──では今回も、自分で納得できる試合をするのが一番で、それが勝ちにつながればというところでしょうか。
「はい、おのずと勝ちにつながるとは思ってるんですよね。内容も悪いのに勝つというのは正直そんなにないと思っているので。もちろん今回も勝ちたいですけど、あくまで内容ありきということですね。まあ相手も強いので、そんな無様な試合にはならないのかなと思います。ちょっと相手任せというか、相手に期待してる部分もあるんですけど(笑)。勝ち負けというよりは、試合の見た目という部分で」
──それは、新田選手に引き出してほしいということですかね?
「そういう解釈でけっこうです(笑)」
──では最後に、今回の試合でここを一番見てほしいという点は?
「いろいろと日常生活は大変ですけど、リングの上では顔に出さずにひょうひょうとやっているところですかね。普段は一般の会社員なので、翌日も仕事なんですけど、それは顔に出さずにやってますんで、皆さんも頑張ってくださいという感じで(笑)。内容も大事なんですけど、そもそもあの場に立っている時点でけっこうすごいことなのかなと思ってやってますんで(笑)」