4月21日(日)神奈川・横浜アリーナにて開催された『RIZIN.15』で、RIZINバンタム級王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)と元UFCファイターのベン・ウィン(アメリカ/NTEGRATED MMA)が対戦した。
UFCで4勝3敗と勝ち越しているウィンは序盤にバックを奪い、以後も間合いを詰めて堀口に距離を取らせなかったが、堀口は左のパンチで迎え撃つ。入れなくなったウィンにワンツーを当て、さらに左フックで体勢が崩れたウィンに右ストレートを叩き込み、最後はラッシュで仕留めた。
堀口は試合を振り返り、「自分の距離を作らせないようプレッシャーかけてきたので、凄くやりづらいとは思いました。あの短い時間だとなかなか分からないけれど、対策を練ってきたなという動きをしていました。やっぱり距離を潰すという部分で対策を練ってきたと思いました。自分は回りながらジャブを出したりとか、相手が来るのに対してカウンターを出したりとしていました」と、ウィンがしっかり対策を練ってきたこと、短い時間でその対策に対応していたことを明かした。
勝敗を分けたポイントを聞かれると「冷静に相手を見れた、ということですかね」と、ウィンの出方に対して冷静に対処できたことをあげる。
試合後には、6月14日(現地時間)ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンにて開催される『Bellator NYC:Machida vs. Sonnen』で、堀口がベラトール世界バンタム級王者ダリオン・コールドウェルに挑戦することが発表された。
「しっかりとベラトールのベルトを獲ってきたいと思います。自信はあります」とし、2015年1月以来となる米本土での試合で「世界中の人が見てくれると思うので凄く嬉しく思います」と、UFCに次ぐ世界第2のMMAプロモーションと呼ばれるベラトールで強さを見せつけるつもり。
しかし、ニューヨークで、しかもスポーツの殿堂と呼ばれるMSGでの試合にも「行ったこともないし、どこでやろうと自分の中では関係ない。しっかり倒すということだけです」と気負いはない。
王者コールドウェルとは昨年の大晦日にRIZINで対戦し、名勝負の末に堀口がフロントチョークで劇的な一本勝ちを収めており、「ニューヨークでまた魅せてやろうかな、とは思いますね」と名勝負の再現をしたいと話した。
対戦したウィンのコメント「目に見えない速さで、どこから飛んでくるか分からないキレの良い打撃こそが彼の強さ」
――試合を振り返っての感想をお願いします。
「残念な気持ちがあります。最初からプレッシャーをかけ続けて全力を尽くしたが、相手にジャブを許したのが大きかった。相手はしっかりタイミングを合わせてきたね。フィニッシュされましたが、それも戦いの一部なので受け入れるしかない。ただ、ファンが喜んでくれたのであればそれは良かった。
――実際に戦って対戦相手の印象はいかがでしたか?
「堀口選手はとても素晴らしい選手で、それはみんな分かっていることだろう。王者たる理由があるからこそ王者なのだから。自分は彼のベストも引き出せたと思うが、私はベストを尽くせなかった」
――堀口選手のどんな部分が彼の強さだと思いますか?
「それは打撃に尽きる。とくに速さ。目に見えない速さで、どこから飛んでくるか分からないキレの良い打撃こそが彼の強さだと身をもって実感した。分からないままパンチを入れられて、タイミングを見失っていった」
――グラウンドにいく作戦は考えていた?
「レスリングをひとつのオプションとして持っていましたが、彼を掴む機会すら得られなかったので、用意していたものは出せなかったということだね」
――RIZIN初参戦の感想は?
「RIZINの戦いは楽しんですることができた。勝利においてはプレッシャーを課せられていなかったと思いますし、勝利よりも良いパフォーマンスを魅せることが私の役割だったと思う。勝てなかったのは残念だが、エンターテインメント性はあったと思います。まずは家に帰って分析し直す。それでどこを強化するか、より上達して強化していくいくことを見つけます」
――プレッシャーをかけ続けたのは遠い距離が強いと思っていた?そして作戦は自分が決めた?それともチームで決めましたか?
「プレッシャーをかけ続けるのが(チームで考えた)プランでした。堀口選手は距離を保っての打撃戦、自分のタイミングと距離で打撃戦に持ち込むのが得意なので、距離を詰めるのはプラン通りでチームの決断です。戦略としては良かったと思うけれど、自分の動きを前後や左右だったりもっと自然な動きで対応力を広げるべきだったと思いました」<関連リンク>堀口が元UFCのウィンに1R KO勝ち! 6月14日、Bellator王座を賭けて米国MSGでコールドウェルと再戦へベラトールMSG大会に堀口恭司以外の参戦も、朝倉未来は賞金100万ドルのフェザー級GP推薦へ