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【追悼】2002年の古賀稔彦氏=後輩・吉田秀彦のプロ転向とホイス・グレイシー戦について語る「レベルが違う。楽勝じゃん」

2021/03/24 12:03
 2021年3月24日、1992年のバルセロナ五輪柔道男子71kg級金メダル“平成の三四郎”こと古賀稔彦氏が死去した。昨年からがんの闘病中で24日朝に亡くなった。53歳だった。  古賀氏は『ゴング格闘技』にも度々登場し、様々な言葉を残している。  2002年8月28日、東京・国立代々木競技場で行われた吉田秀彦vsホイス・グレイシーの世紀の一戦。バルセロナ五輪柔道金メダリストの吉田がプロ格闘家に転向し、グレイシー柔術と戦うということで日本全国に大きな話題を呼んだ一戦だ。  この対決を前にして、『ゴング格闘技』2002年10月号では吉田の先輩であり、同じバルセロナ五輪で金メダルを獲得した古賀稔彦氏にインタビューを行っている。  古賀は吉田のプロ転向について「彼が柔道の強さをどうのこうのとってとりあえず言ってますけれど、それは言っちゃいけないかな、というふうに私は思っていますね。柔道代表というドラマを出されても、『なんでお前が柔道代表になっちゃうんだ?』というのもあるし、『柔道の強さを見せたい』と言ってもお前がすぐ負けちゃったら、周りの人は『ああ、こんなに柔道は弱いんだ』って一般的には見てしまうし、子供たちに広めたいと言っても、柔道とは違う世界じゃないですか。ある意味、暴力的な世界でもありますし、柔道の精神を教えていくことにもつながらないんですよね、ああいう世界は。あいつが本当にプロの世界でやっていくのであれば、いち吉田秀彦が第二の戦う場所として選んで挑戦していく、という形の方が、周りも素直に頑張れよと言えると思うんですよね。  だから柔道と変に結びつけちゃうから、それをよく思わない人もいると思うんですよ。でもあいつも柔道と接していたい、というのはあるんですよね。柔道を断ち切れない想いから、表向きにそう言ってしまっているところもあるんじゃないか。言葉遣いが決して上手い方じゃないので、その辺で勘違いされたりすることもあると思うんですけれども」と、あまり柔道を前面に出してくれるなと快く送り出す立場ではなかった様子。 (写真)実際の試合は吉田がホイスに袖車絞めで勝利 しかし、吉田vsホイスの予想になると「スタミナの問題はありますけれど、パワーをもって相手をねじ伏せて強引に腕十字とかじゃないですか。それかバックについて、裸絞めでしょうね。多少アゴにかかっても、そのまま強引に絞めればいいわけですから、柔道ではルールで反則ですけれど、強引に持っていける可能性も高いと思いますよ。吉田が体格にものを言わせて、格の違いを見せる可能性が大きいですね」と、吉田の勝利を予想した。  それどころか、ホイスの試合映像を見せると「レベルが違うよなあ。楽勝じゃん。ちょっと全然違いすぎる。吉田が出る必要もないぐらいかな、という感じ。吉田が100%勝つでしょう」と、吉田が圧勝すると断言した(実際の試合は7分24秒、袖車絞めで吉田がTKO勝ち)。  また、吉田の身体能力は柔道選手の中でもトップクラスなのかとの質問に答え、「吉田は『骨力』(ほねぢから)というのを持っているんですよ。骨太で、骨格が凄くしっかりしているから、生まれ持った力があるんですよね。今は持久力があるとか足が早いとかいうのは、もちろん全然経過している話なんだけど、やっぱりパワーという面に関しては体重も増えてきたし、もともと持っていたものがある」と、生まれ持ってのパワーの持ち主だと評していた。
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