QUEEN of QUEENSトーナメントで準優勝し、実力健在を示した紅絹。まだまだ若い選手に席を譲る気はない (C)RISE
2021年3月28日(日)東京・後楽園ホール『RISE 147』のメインイベントで、宮崎小雪(TRY HARD GYM)の挑戦を受け2度目の防衛戦を行うRISE QUEEN アトム級(-46kg)王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)が公開練習を行った。
得意のパンチを主体としたミット打ちを披露した紅絹。2月26日には37歳の誕生日を迎え、変化を聞かれると「年が一個増えて動きが少し鈍くなったくらいです」とブラックジョーク。
実際は「去年(寺山日葵が優勝したQUEEN of QUEENSトーナメント)決勝で全く自分の戦いが出来ずに終わってしまったので、誰とやっても最初から最後まで自分の戦いが出来ないといけないと考えて練習してきました」と、自分のスタイル・ペースで戦うことを念頭に置いて練習してきたという。
宮崎は18歳で4勝1敗1分の戦績のルーキーだが、そのテクニックは関係者からの評価も高く“最強の挑戦者”と目されている。紅絹自身も「キャリアは少ないですが全く油断できる相手じゃない。私より若くて上手い。そのスピードについていくのが楽しみです」と警戒する。
宮崎が優勝した「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」をリングサイドで見ていた紅絹。その感想は「宮崎選手の技術がダントツであったと思いました」というもの。
自分が上回っていると思う部分はと聞かれると「年齢然りいろいろあります。社会の理不尽に耐え抜いてきた37歳の精神力。彼女はまだ17歳なので社会に出ていない。その分、強気な真っ直ぐさがある。私はキラキラしたものが一切ない、年齢に応じたファイトをたっぷり魅せます」と、人生経験で差をつけるとした。
宮崎は卒業式を終えているが、3月いっぱいはまだ高校生と考えて高校生の内にチャンピオンになるとの目標を叶えたいとする。しかし紅絹は「残念でした、としか言いようがない。もう一回高校に入学し直した方がいいかもですね。そうすればあと3年チャンスがある」と、そうはさせないとする。
また、宮崎が紅絹はアウトボクシングで来ると予想し、「その距離を潰す」と答えていることには「3分5Rあるのでずっとアウトボクシングではないと思うし、向こうも攻め続けるわけじゃない。その流れは相手がどう来るか想像できないのですが、後半になるにつれて複雑なものが出てくると思う。潰しに来てもいいですよ。その策もあるし、こっちもやることはある」と、後半になればキャリアの差が出るとした。
「差はないと正直思っています。あるとすれば経験値になって来ると思う。私の方が何十戦も多くやっている分、もちろんリングの上で戦った時間はダントツで多いので、向こうが経験していないことをたくさん経験しています。向こうは5Rも初めてなので、その差はあると思います」
正直なところ、若手が頭角を現したところで早めに出る杭は打ちたいとの気持ちもあるかと聞かれると「多少あります」と正直に答える。「でも、もう出ていますね。その出ている部分を削って行くしかない。奇麗に削っていきたいです」と笑った。
ベテランの、ある意味ずるさを見せる試合になるかとの問いには「ずるさはないと難しい部分がありますからね。勝つためには最大限のことをします。そのためにはずるさがないと。相手はスピードだったり、テクニックだったりが凄くレベルが高いと思いますが、心理戦、嫌がらせ、それこそグレーゾーンのことまでします。大人の汚い部分を存分に見せる試合になるでしょう。チクチク見せます」と、“大人のずるさ”=キャリアの差で勝負するとした。
今回は2度目の防衛戦となるが、何回防衛を目標としているかとの質問には「何回も防衛したいという目標はないですね。でも、持っている内はこの階級で一番強くありたいです。だから、防衛したらもっと強い相手とやりたい」と、回数ではなく一番強くありたいという。「日本人でまだ戦っていない選手はけっこういるし、世界に強いのがいると言われても分からないので、日本最強になりたいと思っています」
そのために「圧倒的な強さを見せることが試合で出来ていません。その圧倒的に強い部分はここでは言えませんが、私にしかできない動きがあるので、メインイベンターとして恥ずかしくない試合をします」と、圧倒的に勝つことを目標に掲げた。