2021年5月28日(金)のONE Championship「ONE:EMPOWER」で開幕する「女子アトム級ワールドGP」の組み合わせが3月12日、発表された。
注目の平田樹(日本)は、アリース・アンダーソン(米国)と対戦が決定。
21歳の平田は、講道館・春日柔道クラブで柔道を始め、名門・創志学園柔道部でインターハイに出場。高校卒業後にMMA(総合格闘技)に転向し、2018年9月の、AbemaTV『格闘代理戦争』3rdシーズンで優勝し、いきなりONE Championship本戦のプロ契約を勝ち取った。
その後、ONEでアンジェリー・サバナル、リカ・イシゲ、ナイリン・クローリーを相手に3連勝。2021年2月22日の「Road to ONE:4th Young Guns」では中村未来にTKO勝ちしたばかり。ランキング外から一気にGP出場を果たしていた。
(C)Invicta FC
対する米国のアリース・アンダーソンは、MMA5勝1敗。Invicta FCで2連勝中で、唯一の黒星は2017年の紫乃ヴァンフース戦でのスプリット判定負け。エクストリーム・クートゥアーで練習を積んでおり、ミーシャ・テイトがその実力を認めての抜擢となる。
身長157cm、リーチ159kgの平田に対し、アンダーソンは身長165cm、リーチ168cmと長身で手足も長い。まっすぐのワンツー、長い右ローキック、そしてコンパスを活かした小外がけを得意とするが、捨て身気味に倒れることもあり、ヴァンフースには投げる際でマウントを奪われている。
組みの体幹では平田に分がありそうだが、強気で米国ケージ育ちらしくMMAとして何でも出来る26歳のアンダーソンはいかに進化しているか。まだ発展途上の平田にとって、気の抜けない相手だ。
平田はGP参戦時に、本誌の取材にアンダーソンの参戦について「今までONEはアジアのイメージだったので、アメリカはすごく大きな国だし、そこに向けて試合が出来るのは嬉しいし、アメリカの選手がGPにいることで、アメリカの人たちも見てくれると思います。また自分の露出が増えるんだなと、いい方向にとらえています」と、米国ファンに向けて、自身をアピールする絶好の機会と語っている。
また、今回の対戦決定に「待ちに待ったトーナメントが始まります。どの選手も自分より遥かにレベルが上ですが、ベルトは私が手にして日本に持って帰ってきます。皆さんの応援があったら、すごく頑張れます!#TeamJapanで一緒に盛り上げましょう! よろしくお願いします」とのコメントを発表している。
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ハム・ソヒは難敵デニス・ザンボアンガと1回戦で激突
(C)RIZIN FF
ほかトーナメント1回戦では、第2代RIZIN女子スーパーアトム級王者のハム・ソヒ(韓国)が、ONEアトム級ランキング1位のデニス・ザンボアンガ(フィリピン)との対戦でONEデビュー戦を迎える。
MMA8勝無敗、現王者のアンジェラ・リーが妊娠前に挑戦権を得ていたザンボアンガは、かつてタイトルに2度挑戦した実績のあるV.V Mei(山口芽生)に2020年2月の前戦で判定勝利しており、東南アジア随一のウェルラウンダーといえる。
上り調子の24歳をぶつけられた34歳のハムは浜崎朱加戦に続く7連勝を飾ることが出来るか。ONEアトム級は水抜き禁止の52.2kg。RIZIN女子スーパーアトム級は49kgで、ROAD FCでは47.6kgで戦っていたハムにとって、UFCストロー級(※前日計量)以来の52.2kgでいつも通りのパフォーマンスを見せられるか。
ハムと同じブロックで、元キック&ムエタイ二冠女王のスタンプ・フェアテックス(タイ)と、そのスタンプを2月大会で残り7秒でギロチンチョークで極めたウクライナのアリヨナ・ラソヒナが対戦。その際、スタンプは「タップをしていない」と主張しており、因縁のダイレクトリマッチとなる。
また、平田と同じブロックで、メン・ボー(中国)とリトゥ・フォガット(インド)が対戦。MMAデビュー戦で現UFC世界ストロー級王者のジャン・ウェイリーに勝利している中国のボーは、ONEでも強いフィジカルと右の強打を武器に3連勝中。
対するフォガットはインド映画『ダンガル きっと、つよくなる』で描かれた伝説のコーチを父に持つレスラーで、4連勝中。インドの星は、優勝候補ハムの対抗馬ボーにアップセットを起こせるか。
平田とハムソヒは、それぞれが決勝まで勝ち進めば対戦となる今回のトーナメント。平田は世界に衝撃を与えることが出来るか。
なお、同大会は、「全て女子選手のカード」と発表されており、メインイベントでは、ONE女子ストロー級世界王者ション・ジンナン(中国)が、同階級2位のミッシェル・ニコリニ(ブラジル)を相手に女子ストロー級世界タイトル防衛に臨む。
そして、アトム級GPのリザーバーにはどんな選手が入ってくるか。選外では日本の山口芽生、フィリピン・ラカイ女子のジナ・イニオン、ビー・ニューイェンに勝利したマレーシアのジヒン・ラズワン、インドネシアのプリシラ・ガオールあたりの動向が気になるところだ。
ONE Championship「ONE:EMPOWER」
2021年5月28日(金)ABEMAにてライブ配信
▼ONE女子世界ストロー級タイトルマッチ 5分5Rション・ジンナン(中国)王者ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)挑戦者
▼女子アトム級ワールドGP1回戦(A1)5分3R平田 樹(日本)MMA4勝0敗アリース・アンダーソン(米国)MMA5勝1敗
▼女子アトム級ワールドGP1回戦(A2)5分3Rメン・ボー(中国)MMA17勝5敗リトゥ・フォガット(インド)MMA4勝0敗
▼女子アトム級ワールドGP1回戦(B1)5分3Rデニス・ザンボアンガ(フィリピン)MMA8勝0敗ハム・ソヒ(韓国)MMA23勝8敗
▼女子アトム級ワールドGP1回戦(B2)5分3Rアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)MMA13勝4敗スタンプ・フェアテックス(タイ)MMA5勝1敗