キックボクシング
レポート

【REBELS】最終興行で海人が日菜太を下し新王者に! 白幡裕星が老沼破り戴冠。山口元気氏が皇治に左ミドル

2021/02/28 16:02
 2021年2月28日(日)東京・後楽園ホールにて、「REBELS ~The FINAL~」が開催された。10年の歴史を持つ「REBELS」の最終興行として行われた同大会は、今後、統合される「KNOCK OUT」に向けて、新たな息吹をもたらす大会となった。  ダブルメインイベントとして、「無法島presents/REBELS-BLACKスーパーウェルター級タイトルマッチ」王者・日菜太(クロスポイント吉祥寺)vs.海人(TEAM F.O.D)と、「創世のタイガpresents/REBELS-REDスーパーフライ級タイトルマッチ」王者・老沼隆斗(STRUGGLE)vs.挑戦者・白幡裕星(橋本道場)の2試合のタイトルマッチが行われ、両王者が陥落する波乱の幕引きとなった。  また、元REBELS代表で、元MA日本キックボクシング連盟フライ級&フェザー級王者・山口元気(山木ジム)が、 ISKA世界ライト級王者・皇治(TEAM ONE)とスペシャルエキシビションマッチを2分2Rで行い、正式に引退の10カウントゴングを聞いた。 [nextpage] ▼【無法島presents】ダブルメインイベント第2試合(第7試合)REBELS-BLACKスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R×日菜太(クロスポイント吉祥寺/王者)[判定0-2] ※28-30, 29-29, 28-29○海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者/挑戦者)※海人が新王者に。  日菜太は2005年6月にRISEでプロデビューし、満15周年を迎えた大ベテラン選手。2008年7月に初代RISEミドル級王座、2013年4月にREBELS初代王座を獲得。K-1 WORLD MAXや新生K-1 WORLD GPにも出場し、アンディ・サワー、ジョルジオ・ペトロシアン、アンディ・リスティー、アルバート・クラウスら世界トップクラスと拳を交えてきた。2020年9月には田村聖を初回KOに破り、現在3連勝中で戦績は51勝(17KO)19敗。  海人はSBの絶対的エースとして活躍、65~70kgと幅広い階級で国内外の強豪を次々と撃破してきた。2020年2月、ブアカーオからの刺客ピンペットと8Rに渡る激闘を繰り広げ、スプリット判定で惜敗したが、8月の『RIZIN』でルクク・ダリに完勝。10月の『RISE』では緑川創に判定勝ち、11月のシュートボクシングでは喜多村誠にKO勝ちと再び勢いに乗る。戦績は37勝(18KO)6敗1無効試合。  1R、サウスポー構えの日菜太にオーソドックス構えの海人。左ローを当てる日菜太は強い左ハイ! ブロックする海人が前に出すと左ストレートを狙う。右インローは海人! スーパーマンパンチも狙う。避ける日菜太は左ミドル! 2発目は掴んで軸足払いこかす海人。右ジャブを突く日菜太は左をスイング。ブロックし、続く左ハイはスウェイでかわす。  2R、左カーフキックを3連打する海人。詰める日菜太は組んで崩すが海人も崩れず。さらに左カーフキックは海人。左ジャブから右をヒット! 日菜太も左を返すがが右ヒザ、右ローは海人。日菜太も左ローを返す。右ローに続き右ヒザは海人。さらに日菜太の左ミドルを掴み、軸足を払ってこかす。  海人の左右に日菜太は頭を下げると、海人はヒザ! ラウンド終了後に日菜太は軽く左ストレートを入れて海人がにらみ返す。日菜太に口頭注意。近い距離の右ヒザでポイントを掴んだ海人のラウンドに。  3R、日菜太の左ミドルに左右ラッシュから跳びヒザで詰めに行く海人、日菜太も左ストレートを突くがクリンチの海人。離れて右前蹴り。日菜太はフィジカルを活かして前に。右の奥足ローは海人。  さらに細かいワンツー。右ミドル! 日菜太も詰めて左ミドルもかわす海人に日菜太はバックフィストもかわす海人。ワンツー左ヒザは日菜太! 押し込み左ロー。下がりながら海人は右ミドルも、パワーで前に出た日菜太のラウンドに。  判定は2-0(海人30-28, 29-29, 海人29-28)で海人が勝利。スピーディーに日菜太の距離にさせず、もらっても大きく崩れることなく、ロー&ヒザを効かせた海人が最後は接近戦も挑んで接戦を勝利。  2010年3月の中島弘貴戦以来の対日本人敗北を喫し、最後のREBELS大会でベルトを手放した日菜太も、口から血を流しながら海人の勝利を祝福した。  新王者としてベルトを巻いた海人は、リング上で「これから僕は、さきほど日菜太選手とも話したのですけど、『世界に行ってくれ』と言われてバトンを渡されたので、必ず世界に行って、世界のテッペンに立ちます。そのためには皆さんの応援が必要です。REBELSファンの皆さん、僕に力をください。一緒に世界へ行ってください。これからもよろしくお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼【創世のタイガpresents】ダブルメインイベント第1試合(第6試合)REBELS-REDスーパーフライ級タイトルマッチ 3分5R×老沼隆斗(STRUGGLE/王者)[判定0-3] ※47-50,48-50×2○白幡裕星(橋本道場/MuayThaiOpenスーパーフライ級王者/挑戦者)※白幡が新王者に。  老沼は空手仕込みの多彩な蹴り技で2018年6月に総当たりリーグ戦で優勝して王座に就き、REBELS軽量級のエースとして君臨。これまで2度の王座防衛に成功している。9月の『KNOCK OUT』ではNJKFバンタム級2位・清志を上段後ろ回し蹴りでKO、12月のREBELSでは延長戦の末に心直から勝利をもぎ取った。戦績は16勝(6KO)3敗1分。  白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にはMuayThaiOpenスーパーフライ級王座決定戦に臨み、判定勝ちで見事王座に就いた。2020年2月のREBELSでは老沼との王者対決を行い、延長戦にもつれ込む接戦の末に惜敗。8月大会では老沼に挑戦経験のある濱田巧、12月大会では元REBELS-MUAYTHAIフライ級&スーパーフライ級王者・松崎公則を破り、老沼とのタイトルマッチでの再戦に漕ぎ着けた。  1R、オーソドックス構えの老沼。サウスポー構えの白幡。静かな立ち上がり。老沼の右ハイをかわす白幡。右ハイをブロックし、左ハイを返す。スピーディーな左ハイを打つ白幡。さらに左ミドルも。老沼は右ミドルで牽制。さらに踏み込んでの右ハイ。白幡は左ミドルを当てて右ジャブで前に。左の蹴りには右ミドルを返し、老沼は近づくとボディロックからこかしてゴング。  2R、サウスポー構えから右ローを当てる白幡。老沼も右ミドルを返す。白幡は左ボディストレート! さらに左の蹴りを上下に。老沼も慎重に右ミドルを打つ。左のパンチを上のフェイントでボディに打つ白幡! 組んで右で差して投げも見せる。伸びる右ハイをアゴにかすめさせる老沼。組むヒザでゴング。  3R、詰めて投げは白幡。白幡の右に老沼は下がりながらも右ミドル! 組みヒザにそり投げを見せる白幡だが、バランスよく押し倒す老沼。左ボディフック、右ストレートは白幡。さらに蹴り足をつかんでこかしも。老沼の左ハイを肩口で受けてスラムする白幡。さらに左ボディストレート! 左ミドルも。老沼の右ミドルも当たるが、蹴り足を抱える白幡がこかし。さらに跳びヒザも見せる。  4R、左の蹴りから組みヒザこかしは白幡。さらにともに首相撲ヒザにはブレーク。白幡は組んでは小外で老沼をこかす。老沼の右の蹴りに左を蹴り返す白幡。右ヒジで飛び込む老沼に組みで優位に立つ白幡。右を打って首相撲ヒザを突く。左ミドルと蹴りの動きが近い白幡は左ボディストレート! 腹を効かされたか老沼は下がる場面が増える。  5R、右の蹴りから入る老沼。さらに右から後ろ廻し蹴り! ブロックする白幡は右のテンカオ。左ミドルの老沼の蹴り足をつかんでこかす白幡。組んで引手をつかむ白幡。右ミドルを当てる老沼。しかし掴んだ白幡はこかし。右ストレートを打つ老沼。首相撲ヒザの両者。老沼は右の蹴りも白幡はカウンターの左ストレート! 最後に左の蹴りで詰めるのは白幡! 迎え撃つ老沼に組んでゴング。  判定は3-0(50-47,50-48×2)で近い距離を制した18歳の白幡が見事、王座戴冠した。  進学せず、キックボクシングに“就職”し、リヴェンジを果たし、悲願のベルトを巻いた白幡は、リング上で「ちょうど1年前に延長判定で敗れて……そっからずっと悔しくて……道場の皆さんとキツい練習を乗り越えてきました。応援してくださった皆さんありがとうございました。僕、まだ弱くて、憧れの晴翔先輩みたいに倒せるようになりたいです。もっともっと強くなって新生KNOCKOUTも所属団体のイノベーションも引っ張っていけるように頑張りますので、こらからも応援よろしくお願いします」と涙ながらに新王者として挨拶した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第5試合)ライト級 RED ルール 3分3R延長1R×潘 隆成(クロスポイント吉祥寺/元WPMFスーパーライト級王者)[本戦判定1-1ドロー] ※28-30重森, 潘29-28, 29-29[延長判定0-3] ※9-10×3○重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者)  潘はREBELSをホームリングに様々な団体で活躍し、健太、小川翔、スアレックらと対戦。2016年9月にはWPMF日本スーパーライト級王座を手にした。2019年10月からタイへ単身武者修行に渡り、タイの名門PKセンチャイジムに住み込みで練習。タイで試合経験を重ねていたが、コロナの影響で帰国。2020年9月には新日本キックのリングに乗り込み、WKBA世界スーパーライト級王者・勝次から勝利を収めている。  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2017年12月には『KNOCK OUT』で、4年間無敗の18連勝を誇っていたマキ・ピンサヤームに黒星を付けてその名を轟かせる。  2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。12月にはシュートボクシングに乗り込み笠原弘希にヒジ打ちでTKO勝ち。しかし、2020年9月の「創世のタイガGRAND PRIX 61.5kg REBELS-RED初代王座決定トーナメント」の1回戦で小川翔に勝利するも、決勝でスアレックに敗れ王座獲得ならず。2018年12月以来の黒星を喫した。  1R、ともにオーソドックス構え。左インローから入る潘に、重森も左ローのダブル。タイミングよく左前蹴りで潘をこかす。潘の左ミドルにすぐに右ミドルを蹴返す重森。潘の白い肌の脇腹が赤く腫れる。重森の左ミドルに右ストレートを狙う潘。しかし、重森の強い右ミドルを当てる。  2R、パンチを狙う潘の詰めに前蹴り、右ミドルで迎撃する重森。潘は右ローを当てるとさらに右ロー。重森は左右のミドル。潘はワンツーから右ローで反撃。重森の左ミドルの打ち終わりに右ローを返す。圧力をかける重森に左に回りながら右ローを当てる潘。  3R、左のダブルの蹴りから入る重森。潘も右ローをこつこつと突く。重森も左の奥足ローをヒット! 潘の右ロー、重森もミドル・ローを打ち分け反撃。近づくと右ヒジも打つ潘。重本の左ミドル、右ロー。潘の右ロー。フェイントの掛け合い・蹴り合いとなった試合は判定へ。  本戦判定は1-1ドロー(重森30-28, 28-29潘, 29-29)で延長へ。  右ローの潘に、左ミドルは重森。ワンツーから右ローに繋ぐ潘。カットする重森は左の前蹴りで突き放す。重森のミドルに、潘は右ロー。右の相打ちから互いに左ミドルの蹴り合い。しかし重森もワンツーでロープに詰める。回り右ローを打ち込む潘に、最後はロープまで詰めた重森のワンツーがクリーンヒットでゴング! 延長前半は潘、後半は重森の印象だが、判定は……。  延長判定は3-0(10-9×3)で重森が熱戦を制した。 [nextpage] ▼第4試合 スーパーウェルター級 REDルール 3分3R延長1R×津崎善郎(LAILAPS 東京北星ジム)[判定0-3] ※28-30×2, 29-30○リカルド・ブラボ(伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)  現ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持つ津崎は9月の新日本キックで同団体のウェルター級王者リカルド・ブラボと引き分けている。現REBELS-REDスーパーウェルター級王者の吉田英司とは過去3度に渡って激闘を繰り広げた。2020年12月のREBELSでは渡慶次幸平に判定勝ち。  アルゼンチンからのキックボクシング留学生ブラボは、新日本キックボクシング協会で活躍。来日して4年。2020年9月の試合では津崎と引き分けたが、10月にはTENKAICHIキックボクシングウェルター級1位・幸輝を2Rに左フックで仕留めている。  1R、ともにオーソドックス構え。リズムよくワンツーから蹴りまで繋ぐブラボ。津崎も右ミドルを当て前にでるが、前蹴りで捌きながら左フックを当てるブラボ。さらにシャープな右ハイを打ち込む。  2R、左フックが強打のブラボ。さらに右の軌道を変えたハイキック。左ジャブからの左フックを被弾する津崎。ブラボの懐は深く詰める津崎だが遠い。オーソドックス構えから左ミドルを当てる津崎。しかし、ブラボは右のロングフック、返しの左フックとガード上からも叩く。  3R、伊原会長のゲキを受けて最終ラウンドに臨む新日本キックのブラボ。右の蹴りをかわして左の蹴りを打ち返すブラボ。津崎もジャブを打つが懐が深いブラボ。右ローも当て詰めると右縦ヒジ! さらにボクシングにヒジを織り交ぜ前へ。津崎も左ジャブを返すが、ブラボは左レバー打ちを当て、バリエーション豊かな攻撃。津崎は詰めてヒザを突くが、ブラボが左で詰め返してゴング。 判定3-0(30-28×2, 30-29)でブラボが成長を見せて勝利した。 [nextpage] ◆UMA引退記念セレモニー(元REBELS-BLACK 67kg級王者&元REBELS 65kg級王者) 山口元気代表から花束を、後援者から金一封を受け取ったUMAは、「本日はコロナの中、REBELSの大会、そして引退式をありがとうございました。最後は怪我をして引退しますが、最高の現役生活でした。両親、周囲の皆さま、ありがとうございました。最初は北海道から出場し、継続して呼んでもらい、他団体でもREBELSのファンの方々が応援にきてくださり、どこにいっても一人じゃないと感じました。あたたかなREBELSファンの皆さんありがとうございます。これからもキックボクシングのREBELS、KNOCKOUTをよろしくお願いします」とリング上で引退の挨拶。10カウントゴングを聞いた。 [nextpage] ▼第3試合 64.0kg契約 REDルール 3分3R延長1R○良太郎(池袋 BLUE DOG GYM/REBELS-RED ライト級王者)[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×橋本 悟(橋本道場/INNOVATIONスーパーライト級王者)  良太郎はパンチと首相撲からのヒザ蹴りを武器に、2017年11月にREBELS-MUAYTHAIライト級王座を獲得。2019年2月には初防衛にも成功している。しかし、2019年8月に雅駿介、2020年2月にスアレックに敗れ連敗中。今回の試合に再起を懸ける。  座右の銘は「潰せ、壊せ、破壊せよ」。また、街を歩けば高確率で職務質問をされるという逸話を持ち、“千の職質を受けた男”としても知られる選手だ。2020年11月には北川“ハチマキ”和裕をKOしている。  橋本は“激闘大魔神”の異名を持つアグレッシブファイターで、右ストレートを武器に様々な団体で活躍。MuayThaiOpenスーパーライト級王座、INNOVATIONライト級王座の二冠を持つ。  倒すか倒されるかを身上にし、倒されることもあるがスリリングな試合を展開する。2020年12月のイノベーションではJ-NETWORKライト級王者・小磯哲史を3Rに右ストレートでKOした。  1R、ともにオーソドックス構え。左の蹴りをリズムよく放つ橋本。良太郎から圧力をかけると組んでヒザ。首相撲を組みに行く良太郎に、右ボディを効かせ、さらに左フックを当てる橋本!  しかし、遼太郎も右を打ち返すと橋本と壮絶な打ち合いに。そこで強さを発揮した良太郎がノンストップラッシュで右を打ち返しダウンを奪い、1Rが終了。  2R、右ヒジから入る良太郎。橋本も左右フックで打ち返すと、良太郎もカウンターを狙い、右ヒジ! 橋本の鼻頭をカットさせる。「切ったゾ」のアピールに殴り掛かる橋本。ドクターチェック後、再開。  右フックを当てる橋本に左右ワンツーで反撃する良太郎。しかし出血している橋本も退かず。良太郎は打ち気なようで懐深く、長い距離で当てる。  3R、中に入りワンツーをヒットさせる橋本。sかし、クリンチから詰める良太郎はコーナーでヒジ・ヒザ! 詰まる橋本も大きな右! ここで組んで凌ぐ良太郎。しかし剥がした橋本が左! ダウンを奪い返したい橋本は右を当てるが、良太郎はヒザを織り交ぜ前へ。最後は回転を上げて、左右ラッシュ&ヒジ! ゴングに互いにハグした。  判定は3-0(30-27×2, 30-26)で、有効打をまとめた良太郎が勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 ライト級 BLACKルール 3分3R延長1R×紀州のマルちゃん(武勇会)[1R 1分18秒 KO]○麻火佑太郎(PHOENIX)  武勇会所属のマルちゃんは、9戦7勝(5KO)2敗でジャパンキックボクシングイノベーションライト級4位。  対するPHOENIX所属の麻火は、元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。  1R、左右で突っ込むマルちゃんに、サウスポー構えの麻火はカウンターのストレートでダウンを奪うと、さらに遠間からの左の飛び込みで2度目のダウンを奪取。立ち上がったマルちゃんを詰めて左から最後は右ストレートでKOした。  試合後、麻火は「これまでKO勝ちが無くてマイク初めてですが、今年はベルトを獲りにいく」と宣言した。 [nextpage] ▼第1試合 55.5kg契約 BLACKルール 3分3R延長1R○鈴木貫太(ONE'S GOAL)[判定3-0] ※30-28×3×大川一貴(青春塾)  同門の先輩で“激闘男”こと元WPMF日本フェザー級王者・長嶋大樹に憧れた鈴木貫太。2021年1月には、REBELS-RED 55.5kg級で壱・センチャイジムに判定負けを喫している。大川一貴とは2019年10月の「REBELS.63」以来の再戦。前回は、鈴木が判定勝ち。「今年は、たくさん試合をして、全勝して、トップ戦線に食い込んでいきたいと思っています。そのためにも、今回は積極的にKO勝ちを狙っていく」という。  対する大川は「昨年は僅差で勝てない試合が続いてしまったので、今年はレベルアップした姿を見せて勝利を掴みたいです。鈴木選手には前回敗れていますが、弱点は見つけているので、そこを突いて、気持ちでも内容でも上回ってリベンジします!」と誓う。  サウスポー構えの大川の左ミドルに、オーソドックス構えから鈴木は強烈な右ミドルを突く。右アッパーから左で反撃する大川。終盤、右のカウンターを当てる鈴木がコーナーに詰めてラッシュ。判定は3-0で鈴木が勝利した。 [nextpage] ▼スペシャルエキシビションマッチ 2分2R-山口元気(山木ジム/元MA日本キックボクシング連盟フライ級&フェザー級王者)[判定無し]-皇治(TEAM ONE/ISKA世界ライト級王者)  山口は1970年4月生まれの50歳。現役時代はMA日本キックボクシング連盟フライ級&フェザー級の二階級制覇を達成した。サウスポーから繰り出すカウンターパンチとミドルキックを得意とし、ムエタイベースながら倒すスタイルで国内軽量級のトップクラスに君臨。ランバーM16と激闘を繰り広げたこともある。身長は165cm。  2000年にMA日本キックで行われた軽量級最強決定トーナメントの『COMBAT2000』で一度試合から離れたが、2004年11月に『IKUSA』で復活。ティージクン・ヨシダからダウンを奪って判定勝利し、これが最後の試合となった。戦績は24勝15敗2分。現在はKNOCK OUTとREBELSの運営会社Def Fellowの代表を務める。  その相手を務める皇治は、無類のタフネスと歯に衣着せぬ言動で2019年まで新生K-1の中心選手として活躍。4歳から空手、日本拳法を中学時まで取組み、空手では魚本流で全国1位、日本拳法では全国2位になっている。2018年12月にはK-1で武尊と壮絶な殴り合いを繰り広げた。2020年7月、RIZIN参戦を表明して9月に那須川天心と対戦したが判定負け。大晦日にはRIZINスタンディングバウト特別ルールで五味隆典に判定で敗れている。  宮田プロデューサーによるコールの中、レフェリーのウィラサクレック会長がチェック。中央に出て右足を踏む山口。ウィラサクレック会長の「ジャッジ!」の声に「ジャッジいないから」と突っ込む山口は、レガースを付けた左足で往年の強い左ミドル!  皇治の右ストレート、右ハイでコーナーでダウンする山口だが、なぜかウィラサクレック会長は「ノーダウン」。苦笑する山口だが、立ち上がり左ミドルを当てる。  左ミドルに対し右ミドルを蹴り返す皇治。なぜか「元気コール」を観客にうながすレフェリー。胸を突き出す皇治に、最後は互いにミドルの打ち合いでゴング。両者はハグをかわした。  リング上で皇治は「日本のスーパースターの皇治です。いつもふざけてますけど、地方で僕もメシを食えない状態で、ファイトマネーもクソ安く、地方でイキっているクソがきを当時、山口代表が使ってくださって、いい結果は出せなかったですけど、東京に名前が広がり、そこでいっちょ前にリングアナウンサーをしている宮ちゃん(宮田充)にK-1に拾ってもらい、名前を売らせてもらいました。なのでREBELSがあったからいまの自分があります。ほんとうに山口代表、REBELSのファンの皆様、ありがとうございました」と感謝の言葉。  続けて、「自分は何ひとつ満足していないんで、RIZINで那須川天ちゃんと五味選手に負けて素直に悔しいので、ちん〇こついて生まれてきたんで、必ず今年は仕返しして、自分の階級で証明して、大晦日にまた面白い試合が出来たらなと思い、いまウィラサクレック会長に鍛えてもらっています。今年は漢を見せるので、また応援よろしくお願いします。また格闘技を、俺のことは嫌いでいいので、また格闘技を応援してください。4月はコロナの影響で大会があるか分かりませんが、4月と5月、RIZINで復活しますので、応援よろしくお願いします」と挨拶。最後にRIZINのグローブを会場の男の子と女の子にプレゼントした。  最後にリング上の山口代表に、奥方と息子さんから花束が贈られると、山口代表は「きょうは最後までご来場いただき、ありがとうございます。いつも支えてくださるファンの皆さんのおかげです。10年間ありがとうございました。これまで、僕一人では考えられないことを宮田(充)さんが考えてくれて、REBELSからKNOCKOUTで、この10年間、蓄えてきたことが今年、一気に開花すると思います。期待しています。寂しい気持ちはありません。宮田さんが引っ張るKNOCKOUTがファンの皆さんが楽しんでいただけるように、僕も今後も頑張っていきたいと思います」と挨拶。最後に正式に引退の10カウントゴングをREBELSのリング上で聞いた。
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