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2021年2月6日(日本時間7日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催される「UFC Fight Night: Overeem vs. Volkov」で、UFCデビュー戦に臨む、元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプ(アンゴラ)が5日(同6日)、前日計量で125.5ポンド(約56.93kg)でパスした。
対戦相手のアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル/フライ級5位)も125.5ポンド(約56.93kg)でパス。当初、両者は2020年12月19日(同20日)に対戦予定だったが、パントージャが新型コロナウイルス感染検査陽性反応のため欠場。延期となり、約1カ月半を経て、今回、試合が組まれたことになる。
試合に向けて昨年末、すでにラスベガス入りしてたケイプは、2020年12月12日(同13日)の「UFC256」メインイベントのUFC世界フライ級選手権試合デイブソン・フィゲイレードvs.ブランドン・モレノのバックアップファイターに抜擢されるも、登場の機会は得られず。同級王座戦は、5Rの死闘の末、王者フィゲイレードが判定1-0のドロー防衛を果たしている。
事前の囲み取材で、ケイプはそのときのことを「“チャンピオンと戦うかもしれない”というチャンスを得ることができたし、(タイでの)最初のキャンプよりも、アメリカで素晴らしいチームとトレーニングに励める環境ができたことで、前より良くなっているのを実感している」と語る。
対戦相手のパントージャについては、「これまで対戦してきた相手よりも遅いと感じる。自分のほうが完璧で、もっとスマートだと思う。だから、美しいマスタークラスをみんなにお見せするよ」と、自信を見せると、「1R目に彼のボディを破壊する。鼻をへし折り、肋骨も折るだろう。そして2R目にKOする」と、KOデビューを予告した。
チャンピオンになることが目標で“追加要員”じゃない
──いよいよUFCデビュー戦を控え、今の心境はいかがですか。
「とてもいい感じで、楽しみだよ。オクタゴンデビューまで時間がかかったけど、ついにここまで来た。土曜の夜に、自分を世界に知らしめることが楽しみだ」
──デビュー戦のプレッシャーは?
「プレッシャーはまったくない。すごくいい感じだよ、自分のやるべきことをやり、この時間を楽しむだけ、開放的な気分だよ」
──これまでキャンセル続きで、心中穏やかではなかったのでは?
「最初にキャンセルがあったときは正直イライラしていたかもしれないけれど、それ以来、キャンセルでフラストレーションが溜まったりすることはない。というのも、きっと全ては、将来の良いことのために起きているに違いないと思ったんだ。試合がキャンセルになっても、一生懸命とにかく練習に励んでいたら、バックアップファイター(UFC世界フライ級選手権試合デイブソン・フィゲイレードvs.ブランドン・モレノのバックアップファイター)の話が持ち上がった。あれは、神が自分にもたらしたギフトだと感じたよ。
そうならなかったといえども、“チャンピオンと戦うかもしれない”というチャンスを得ることができたし、最初のキャンプよりも、アメリカで素晴らしいチームとトレーニングに励める環境ができたことで、前より良くなっているのを実感しているし──いや、僕自身は前から優れたファイターなんだけどさ──なんていうか、すごくファイターとして完成した感じがしているんだ」
──UFCがあなたを王座戦のリザーバーにした判断について、どう思っていましたか。
「自分は、他の選手とは違うってことだろうね。僕のスキルとポテンシャルを信じ、自分がこの階級で将来チャンピオンになる人間であろうと信じてくれたということだ」
──試合が延期されたことで準備期間が延びたことはどう影響しますか。
「準備は出来ていたから、準備するのに追加の猶予が出来たようには思ってないよ。ハードなトレーニングを続け、モチベーションを保ち続けたというだけさ」
──格闘技ファンからすれば、RIZINバンタム級チャンプだったあなたのUFC参戦はとても楽しみでしょう。どんなデビュー戦になりますか。
「すごい試合になるだろうね。対戦相手はタフなファイターだけど、試合のなかで限界が見えていて、その点で自分にアドバンテージがあると思ってる。自分のほうが完璧で、もっとスマートだと思う。だからこの土曜(日本時間・7日の日曜日)美しいマスタークラスをみんなにお見せするよ」
──アレッシャンドリ・パントージャの限界というのは?
「まず自分がこれまで対戦してきた相手よりも、スロウだなと感じているということがあるのと、今までに(感じたことが)ないもの、というものが全然ないと思うからだ。自分を低く見積もるなんてことはしたことがないけど、とはいえ、自分のほうが100%彼より優れてると断言する」
──アメリカでのトレーニングは、これまでのタイでのトレーニングよりよかった点は?
「UFCで戦うために、より高いレベルで競ってきた。より多くのパートナーを得ることもできた。今までなかったことで得られたものといえば、コーチが自分の戦い方に対してよりディテールを追求してくれたこと。それが、自分がこの試合でさらにスマートに、するべき・新しいことをもたらしてくれている。だから、土曜はそれをぶつけるよ」
──フライ級で挑戦すること、そしてこの階級のトップランカーたちに対して思うことは?
「自分はチャンピオンになることを目標にしているファイターで、“追加要員”じゃない。チャンピオンになることがゴールだから。だから、将来チャンピオンになる男として、その資格の全てが自分のなかにあるということを試合で知らしめたいんだ」
──UFCデビュー戦では、異なるレベルにある舞台への参戦ということで、調子がおかしくなる選手も多い。あなたは経験的にそうはならないか。
「もちろんだ。自分は若いけれど、経験値がすごいだろ。それに、団体の雇用人じゃなくって、俺はファイターなんだ、だからプレッシャーなんてこれっぽっちも感じないし、UFCで試合をするってことに対してもすごく冷静でいる。開放感とともに、自分の持つあらゆるスキルを出し切るよ」
──RIZINでトップ戦線を戦ってきて、UFCに来て、どんな感情の動きがあったでしょうか。
「感情的なファイターではないからな。最後の試合は、さいたまスーパーアリーナで3万5,000人の観客がいた(※主催者発表は29,315人)状況だったが、見てたなら分かるよね、自分はすごく落ち着いていて、極めて冷静だった。自分の仕事をしただけ。ただきちんとセコンドの指示に耳を傾けて、よい仕事を成したというだけで、そこにはなんの感情もない。仕事だからね。冷静であることを心がけているよ」
──バンタム級からフライ級に階級を落とした理由は?
「的確な変更だったと思う。若くて(27歳)体重を落とせるから。フライ級が今の自分の適正体重だと思ったし、すごくいい感じで、ここで自分の力が発揮できるということを感じたから。そして歳を重ねていくなかで、再びバンタム級に上げるんじゃないかな」
──2019年4月に王者デイブソン・フィゲイレードとも対戦しているパントージャは、UFCデビュー戦としてもってこいの対戦相手に思えます。タイトルコンテンダーに挑戦していくといった今年のシナリオを教えてください。
「もちろん、そう。2021年中にチャンピオンになることが目標。年末にはベルトを掲げているよ」
──減量の過程はいかがでしたか。
「前よりすごくよくなったから見ててくれ。規律をもって、栄養を管理してきて、常に適正体重を保っている」
──これまでの団体とUFCの一番の違いは?
「うーん、そうだな……さっきも言った通り、UFCという団体と戦うわけじゃない。自分と同様にそのチャンスを手に入れたひとりのファイターと対峙するんだ。一方、これまでに自分は、ハイレベルな競争を勝ち抜いてチャンピオンになったという経験は確かにあるわけで、何も違いはないと思うんだ。あえて何かを言わなければいけないなら、リングで戦っていたけど、オクタゴンに変わるくらいかな」
──アンゴラ出身のUFCファイターということについてどう思う?
「素晴らしいことだよね。その最初の1人となることは。素晴らしい経験だ」
──近年、MMAに置いてアフリカの選手、ないしはアフリカ出身の才能が評価され始めていると思います。あなた自身のスキル、そしてアフリカのスキルというものを世界に示せる舞台にやってきた、というモチベーションはありますか。
「もちろん、もちろん。今やたくさんのアフリカのファイターがUFCでもいいポジションにいるし、自分もそのうちのひとりになるよ」
──アンゴラのMMAシーンについてお聞きしたいんですけど、今やアフリカ勢ではデマルテ・ペナ(アンゴラ)が、南アフリカ「EFC」の無敗王者(11勝0敗)です。アンゴラのMMAシーンについてどう感じていますか。
「アフリカのMMAは今はかなり強くなっていて、必要なのはそれを発揮する機会。その機会さえあれば、我々は才能を開花させ、いかに強いかを見せつけることができる」
──アフリカのファンにメッセージを。
「ただただ感謝している。とにかく膨大な量のメッセージが来ていて、その全てをちゃんと受け止めてる。アフリカのみんなを愛してる」
──UFCフライ級戦線に、あなたは何をもたらすだろう?
「花火をぶちあげる、かな。新しいフレッシュな血を、そしてチャンピオンのメンタリティってやつをもたらすね」
──どんな試合になる?
「1R目に彼のボディを破壊する。鼻をへし折り、肋骨も折るだろうな、そして2R目にKO、そんな試合が目に浮かぶよ」
──あなたの試合を見たことがない人に期待することは?
「さっきも言ったけど、土曜は俺のマスタークラスになる。素晴らしい試合を見せて、決して退屈させたりしないから、信じてほしい」