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コラム

【RIZIN】榊原CEOがシバター人気に「ある意味、リスペクト」と高評価も、気になる「本戦」と「サブ」のバランス

2021/02/04 21:02
 2月4日の会見で、3月14日(日)の東京ドーム大会の延期と、3月21日(日)に日本ガイシホール(旧・名古屋レインボーホール)にて、2021年の開幕戦となる「RIZIN.27」の開催を発表した榊原信行CEO。  3月7日まで「緊急事態宣言」が延長されるなか「収容人員の50%か5千人の少ない方」で、4500枚強のチケットを5日(金)からファンクラブ先行発売(※21日一般発売)する。 「来週には、ほぼ全カードを出したい」という榊原CEOは、そのラインナップについて、「意外な選手を含め、いよいよかという選手も出てきますし、大晦日に出てこなかったレギュラーメンバー、大晦日に出たレギュラーメンバーも含め、皆さんがワクワクドキドキするようなカードをラインナップ出来そうな手応えを持っています」と、お膝元での大会カードに自信をのぞかせた。  会見では、そのマッチアップも含めた「ものづくりの指針にしたい」という参考資料として、大会終了後のオフィシャルサイトによるファンからのアンケート結果も公開された。 「RIZIN.26」後のアンケート回答者数は1103人。母数は多くはないが、男性が約76%に女性が24%の割合で、特に大晦日大会は「10代、20代の人たちの視聴が増えてきている」という。 「それが何を意味するのか。那須川天心、朝倉海ら、若い選手たちの同世代の選手たちの活躍に反応したのか。ひょっとしたらシバターのようなYouTuberという枠組みのなかで、これまで見ていただいたコアなファン層とは違う、新たなファン層にも見ていただけたのか、そのへんは分析していきたい」と榊原CEOは語る。 [nextpage] 大晦日大会でファンから挙がった、意外な選手は──  続けて、「RIZIN.26で一番印象に残った試合」は、「堀口恭司vs.朝倉海」の614票が「圧倒的にほかを凌駕している」(榊原CEO)結果に。そして、「朝倉未来vs.弥益ドミネーター聡志」が133票で次点。続けて「HIROYA vs.シバター」が102票で3位に食い込み、「萩原京平vs.平本蓮」が97票で4位となっている。  この結果に榊原CEOは、「意外にと言ってはアレだけど、シバターの試合が“印象に残った”3位となり『五味隆典vs.皇治』や『那須川天心vs.クマンドーイ』の試合より、上だった。『萩原vs.平本』も、会場でも特別な熱が生まれていましたけど、やっぱりこういう試合が、上位に来るんだなとすごく参考になりました」と驚きを隠さなかった。  また、3名まで選択可能なアンケートで「RIZIN.26で一番印象に残った選手」は、681票でダントツの堀口を筆頭に、朝倉未来、シバター、萩原、朝倉海、そして井上直樹までが200票以上を獲得している。  両部門でトップ5入りしたシバターについて、榊原CEOは、「驚くべきYouTuberのインパクト。ある意味、リスペクトするぐらいの結果。試合内容的にも素晴らしいと評価できるし、YouTuberでありながら、格闘技におちゃらけではなく、戦うことに真摯に向き合った結果だと思います」と、チャンネル登録者数120万人を誇る人気YouTuberがインパクトを残したと評価した。  そしてそのシバター参戦を進言したYouTuberでもある朝倉未来が「今後、参戦してほしい選手」の1位(282票)。2位に朝倉海(187票)、3位に大晦日RIZINの会場で天心戦をアピールした武尊(178票)、4位に那須川天心(170票)の名前が挙がっている。ここで堀口恭司が7位(102票)になっているのは、再起戦をこなし、無理をしてほしくないというファンの思いやりか。 「アンケート結果も参考にして、新しい形の情報発信、新しい提案をしていきたい。もっとファンの声を届けていただきたい」と結んだ榊原CEO。 [nextpage] 実力派カードを組んできた「種まき」が大晦日に「結実」した  初参戦を果たしたYouTuberシバターの躍進が注目されるが、「今後参戦してほしい選手」では13位。格闘技大会としては、あくまでも“サブチャンネル”的なカードで、今後の“人気者”の登用方法にも工夫が必要だ。  2位に5倍近い得票でダントツ1位の「堀口恭司vs.朝倉海」がファンの支持を得たのは、やはりここまでのバンタム級ファイターたちの歴史・物語の積み重ねがあってこそのもの。そのために、「本戦」の勝負論の高い、実力派カードを組んできた“種まき”がこの大晦日に「結実」したともいえる。  また、元谷友貴に一本勝ちし、朝倉海戦をアピールしている井上直樹の名前が、「今後参戦してほしい選手」の5位、「印象に残った選手」の6位、「印象に残った試合」の10位に入っていることも実力者が結果を出した、ともすればマニアックな試合にもファンが注目していることの現れであろう。  アンケート結果がイコール視聴率とはならないのが、地上波放送もあるRIZIN興行の難しいところだが、地上波“生”放送ではない部分で、今後もいかに種まきするか。今後は本戦とサブのバランスがより求められると言える。また、そこから派生して、シバターと堀口が自身のメディアであるYouTubeチャンネルでスパーリングを公開し、注目を集めているとなると、なおさら「本戦」との差別化が必要となってくるだろう。 「今後参戦してほしい選手」の6位にクレベル・コイケ、9位に大晦日に出場しなかった斎藤裕の名前が挙がるなか、他団体からは、15位に青木真也、16位にフアン・アーチュレッタ、17位にISAOの名前も挙がっている。 「3月は基本日本人選手のマッチアップになりますが、4月の声を聞いたくらいには外国勢も入って来れるでしょうから、怒涛の毎月大会をやっていくくらいの迫力を持って、RIZINとしては皆に少しでも生きて行くための生きがい、精力剤のような活力になるものにチャレンジしたい」と、展望を語った榊原CEO。  2021年「年間7大会」の目標を掲げ、今秋開催予定のフェザー級ワールドGPに向け、「日本代表」を決めるテストマッチも始まるなか、「新機軸の大会にもチャレンジしていきたい」と抱負を語っている。「この5年間、皆に支援を受けて生かさせてもらった。元気、勇気や感動を今年も全力で届けたい」という、6年目のRIZINの挑戦に注目だ。
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