シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】再起戦MISAKIの決意「RENAさんの引退試合でぜひ対戦させていただきたい。その一戦に近づくためにも次の試合は勝つ」

2021/02/04 21:02
【シュートボクシング】再起戦MISAKIの決意「RENAさんの引退試合でぜひ対戦させていただきたい。その一戦に近づくためにも次の試合は勝つ」

SB女子を引っ張って行く存在になりたいというMISAKI

 2021年2月7日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2021 act.1』で、ミネルヴァ・アトム級4位の祥子JSK(治政館)と対戦するSB日本女子ミニマム級1位・MISAKI(TEAM FOREST)の試合前インタビューが主催者を通じて届いた。

 MISAKIはシュートボクシングの女子トップ選手で、2016年3月にプロデビュー、“猪突猛進女子”の異名通り、最初から最後までガムシャラに攻め続ける驚異のスタミナを武器に勝ち続け、2017年9月に無敗の女子高生・寺山日葵を破ってJ-GIRLSミニフライ級王座に就いた。2018年7月のGirls S-cup -48kg世界トーナメントでは3位に。同年11月に寺山とのリマッチでJ-GIRLS王座を失い、2019年7月のSB日本女子ミニマム級王座決定トーナメント決勝戦で女神にまさかのTKO負けを喫し、負傷から長期欠場へ。

 再起戦となった2020年8月には『REBELS』のリングでぱんちゃん璃奈とREBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦を争うも判定負け。10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」にリザーブマッチで出場するはずだったが、頚部リンパ節炎に罹り診断の結果ドクターストップとなった。そのため今回が約半年ぶりの再起戦、そして2019年7月の『Girls S-cup』以来のホームリング出場となる。

今までとは違う私の変わった姿を皆さんに見ていただきたい

――試合が近づいてますが、調子はいかがでしょうか。

「いい感じで動けています。練習内容がガラリと変わりました。今までは走り込みしてビッグミットに打ち込みをやって追い込んでいて、どちからかといえば格闘技の練習というよりはスタミナ強化がメインでしたが、昨年8月にぱんちゃん(璃奈)選手に負けてからは普通のミット打ちでジャブを使って距離を取ることを意識したり、スパーリングする時間がだいぶ増えました」

――それまでスパーリングはそんなに少なかったんですか?

「全くしていないと言ってもいいぐらいしてません(苦笑)。やっても、出稽古に行ってやるぐらいだったので月2回でした。うちはあんまりプロ選手が多くないですし、プロ選手とやっても体重差があります。一般会員さんだとプロとはやりたくないと嫌がられますし、ヘビー級ぐらいの一般会員さんとやっても一発振り回したものが当たればケガしてしまう可能性もあったのでやっていませんでした」


――練習内容の大きな変化は今までの戦い方を見直すために?

「そうですね。ずっと周りから言われていたことなのですが、ようやくです(苦笑)。私は試合前になると自分を追い込まないと不安になってしまう部分がありスタミナ強化の練習しかしなくなっていたんです。試合では、技術では勝てない選手が相手だと気持ちの面で上回らないといけないと思ってああいう戦いになっていました。今までの戦い方だと結果が付いてこなかったのもそうですし、距離を詰めた戦い方だとどうしても倒せないので、誰が相手でも落ち着いた試合運びをして、強弱付けた攻撃を付けた戦いができるように練習内容も見直しました」

――今はどういう方とスパーリングを?

「一般会員さんにマススパーを覚えてもらったり、山村会長やトレーナーも加わってみんなで回しながらやっています。スパーをやると全然違いますね。今までは格闘技は頭を使うものではないと思っていて(苦笑)、強い身体と強い心があれば絶対に誰が相手でも勝てると思っていたのですが、頭を使って戦わないといけない部分が凄くあるなと感じました。試合後の感想をよく選手が語っているのをYouTubeで見てみると『試合で全然疲れずに終わって……』と言われている方がいて、私なんか死ぬほど手数を出し切ってやっているのにそんなんでいいの!? と思っていたのですが、みんなちゃんと頭を使って試合をしているんだなというのも最近やっと気付きました(笑)。次の試合では気持ちが先行してしまわないようにするだけですね」

――今までのようなスイッチが入って冷静さをかける試合にならない自信は?

「そうならないように気を付けます。先月、シーザージムに一週間出稽古で行かせていただいた時にシーザ―武志会長からは『距離を詰めすぎないで、パンチよりも蹴りをしっかり当てられる距離で戦いなさい』といった色々なアドバイスをいただきました。なので試合では会長の怖さと祥子選手の怖さのどちらとも戦うことになりそうです(笑)。シーザー会長にブチ切れられないように、今までとは違う私の変わった姿を皆さんに見ていただきたいと思います」

ぱんちゃんに無理して合わせてまで再戦をしたいとは考えていません

――シーザージムでの出稽古はスパーリングメインに?

「結構やらせていただきました。その時はまだ私の試合は決まっていなかったのですが、笠原兄弟、山田兄弟は試合が決まっていてみんなうまくてガンガンやらせてもらいました。RENAちゃんにはAACCの打撃練習に連れていってもらって、そこで大晦日に試合を控えていた浜崎(朱加)選手やあい選手とのスパーに混ぜてもらい、いい練習になりました」

――今回の相手、祥子選手にはどのような印象がありますか?

「昨年8月に私と同じジムのTOMOMIさんとやっていて、12月の伊藤紗弥戦も会場で見ていて、上手な選手だなと。顔面前蹴り、ヒザ蹴りを得意としている寺山(日葵)選手、ぱんちゃん選手、女神選手のような祥子選手と同じようなタイプと私はよく戦っていて、私は今までは苦手なタイプでしたが、今の私なら全然問題ない相手だと思います。そういうテクニシャンタイプの祥子選手が相手でも距離を取ってテクニックで勝てるイメージができていますし、打ち合いの場面でもフィジカル負けしない自信はあります」

――先にTOMOMI選手が祥子選手に判定3-0で勝利しているだけに勝ち方も意識していますか?

「そうですね。プレッシャーが半端ないです(笑)。さらに、平岡琴選手、Ayaka選手といったトップ戦線にいる選手はみんな、祥子選手に勝っているので、私が先に進むためにも負けられない相手です」


――祥子選手はぱんちゃん選手と2度対戦していずれも負けていますが、判定にもつれ込んでいるなどタフな選手です。ここでMISAKI選手がKO勝ちすればぱんちゃん選手との再戦やREBELSタイトルに向けて大きくアピールできると思うのですが、意識してますか?

「ぱんちゃんはこれから階級を上げるとお聞きしました。私は今まで48kgで無理やりやっていたのですが、45~46kgが適正体重なので無理して合わせてまで再戦をしたいとは考えていません。私はSBのベルトを獲ることを優先させていきたいと思います。女神選手はしばらく試合をしていなく、もうSBの女子軽量級は私が引っ張っていこうと思っているので、今回さらに負けられない気持ちは大きいです」

――女神選手との再戦でタイトル奪還を狙いますか?

「そうですね。負けた相手にやり返したいのですが、もし女神選手のコンディションが難しいのであれば名前のある選手とどんどんやっていってタイトルに近い存在であることをアピールしたいです。女神ちゃんはプロ2戦目で獲れたことで、SBのベルトは簡単に手に入るものと認識しているかもしれませんが、私は2度もチャンスを逃していますし、デビュー戦からずっとシュートスパッツを履いて戦ってきているので何が何でもこの世で一番欲しい物です。今年は絶対に獲ると決めています」

――長くSB女子を支えてきたRENA選手は引退カウントダウンの段階に入っていることで、今後MISAKI選手にかかる期待も大きいかと思います。

「自分がRENAさんに代われるほど大きな存在になれるかと言われたらそれは無理なことですし、RENAさんがリングから去ってしまうまでに女子格闘技を盛り上げられるかと言ってもそれも難しいです。でも、もしRENAさんの最後の舞台がSBのリングであるならば、倒されてもいいので引退試合でぜひ対戦させていただきたいです。RENA選手は50kgでもそれ以上の体重でもいいですし、試合で私が失神してもいいのでお願いします。その一戦に近づくためにも次の試合を期待していて下さい」

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