(C)ONE Championship / Stamp Fairtex
シンガポール・インドアスタジアムで事前収録された「ONE:UNBREAKABLE III」が2021年2月5日(金)21時30分より、ONE公式アプリ「ONE Super App」や「ABEMA」にて配信される。
同大会では、ONEバンタム級で佐藤将光(日本)がファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)と対戦、ONEストロー級で澤田龍人(日本)がロビン・カタラン(フィリピン)と対戦するが、そのメインイベントは、MMA女子アトム級戦。
元ONEキック&ムエタイ二冠女王のスタンプ・フェアテックス(タイ)が、MMAでアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)と対戦する。
柔道家で元弁護士の経歴を持つラソヒナはMMA12勝4敗。うち10勝を腕十字でフィニッシュしている“腕関十段”だ。2014年にROAD FCでハム・ソヒ(韓国)に判定負け後、産休。2018年に復帰してからは母国のWWFCで2連勝を飾っている。
MMAでは5勝無敗のスタンプは、MMAキャリアでは上のグラップラーを相手にいかに戦うか。
公式インタビューでスタンプは、「(2冠王となり)無名だった自分が有名になり、メディアのスポットライトを浴びて、みんなに知ってもらえた一方で、重圧があったし、質問にどう答えよう? とか緊張していました。表情はどうかな? とか。今まで経験したことがない状態でした」と、プレッシャーがのしかかっていたことを告白している。
練習、そして私生活でもパートナーであったロッタン・ジットムアンノン(タイ)とパートナーを解消。王座陥落を「失った物を後悔していますが、トレーニングに集中できなかった結果。集中力を失い、自己管理がなっていませんでした。一言でまとめると、自分は“悪い子”でした」と振り返る。
2020年8月以来の実戦、そしてMMAでは約半年ぶりの試合に臨むにあたり、「いくつかの出来事を経たことで、今年をより良い年にするための励みになりました。もっと自分のやるべきことに集中して、やる気を高めないといけないと。5カ月間、試合がなかったのでプレッシャーはありますが、また戦うのが楽しみ」という。
ハム・ソヒとも対戦しているラソヒナに勝利することは、2021年に開催が予定されているアトム級GPに臨むうえでも、重要なテストとなる。ハムはグラウンドにおいてもラソヒナを圧倒しているため、スタンプがラソヒナに手子摺るようであれば、GPに暗雲が立ち込める。ハムは対処したが、ラソヒナの腕十字のみならずガードからの足関節も、対処を間違えば危険なトランジションとなるだろう。
同級5位のスタンプは、立ち技2冠に加え、3つ目のMMAで世界タイトルを目指し、さらにかつてのタイトルも取り戻す、という。
「アトム級のトーナメントに参加したいです。そこから、3つ目のチャンピオンベルトを掴みたいと思っています。世界王者ベルトを掴み取る力、そして失った2つのベルトを取り戻す力があると、この試合で証明したい。今年は自分がどこまでやれるかを自分自身に証明したい。必ず戻ってきて、試合にだけ集中すると約束します」
スタンプ「メイ・ヤマグチやジヒン・ラズワンと対戦できれば」
──最近のインスタグラムで“再スタート”について投稿をしていましたね。2021年、今年1戦目となるこの試合についてどんな思いですか。
「新しい年だし、色々と新しくスタートしたいと思っています。まずはMMA(総合格闘技)で今年をスタートして 、チャンスがあればキックボクシングとムエタイのタイトルにまた挑戦したいとも思っています」
──いまの方向性について、フェアテックスのチームのメンバーとはどう話していますか。
「いまは総合格闘技に一番集中しています。アトム級GPに参戦したいから。コーチともそのことについてはよく話し合っています」
──もしアトム級ワールドGPに出場できることになったら、初戦は誰と戦いたいですか?
「正直、特に指名はしないですが、選ぶとすればトップランカーの誰かと試合したいです。例えば、メイ・ヤマグチ(山口芽生)とか最近の試合で勝ったジヒン・ラズワン(12月にビー・ニューイェンに判定勝ち)とかと対戦できれば良い機会になるんじゃなかいかなって思います」
──練習仲間のデニス・ザンボアンガ(MMA8勝無敗・ONE3連勝中)と戦うことがあると思いますか。
「彼女と対戦する可能性はあると思います。過去に一緒に練習していたチームメイトだったし、技やスタイルについては見慣れている。同じ様に相手も自分のスキルを知っているはず。だから試合をすることになったら友達が相手とはいえ、面白いんじゃないかなと思います」
──今回の対戦相手アリヨナ・ラソヒナについてはどう考えていますか。
「ラソヒナを少し研究してきて、彼女は優れた柔道家だなという印象を持ちました。特に腕十字が素晴らしいです。柔道技を利用して距離を近づけてくると思っています」
──ラソヒナより自分が優れていると思う部分は?
「みんなが知っている通り、私はキックボクシングとムエタイで試合をしてきました。私が得意なのは打撃。そして相手は組み技、特に柔道と寝技が得意でしょう」
──2020年は2つの立ち技のベルトを失うなどで難しい年だったと思います。その経験から学んだことは?
「去年ベルトを2つとも失って、色々学びました。もっと体力と精神を鍛えなければならない事、そしてもっと練習を頑張って、集中力を高めることも意識しています。必ず戻ってリスタートします」
──2021年の“ウィッシュリスト(願い事)”はどんな内容になりますか。
「“ウィッシュリスト”と言うよりは“目標”ですが、全体的に成長したいです。一番はONEで試合をすること。この試合に集中すること、この試合でMMAの経験値を積んでいくこと。また年内にチャンスがあれば、キックボクシングとムエタイのタイトルに再び挑戦してベルトを取り戻したいです」
──今の自分のMMAスキルを評価するとしたらどのくらいですか。
「ゼロから100で自分を評価するとしたら、たぶん60くらいだと思います。MMAでの柔術はまだ勉強中で、練習していてまだ青帯だけど、始めた頃よりは強くなっていると感じています。だけど、自分にはムエタイなどで使う立ち技のスキルにおいて優れた点を持っていると思います」
──今回の試合はどんな展開になると思いますか。
「もちろん私が勝つ。考えているのは、2つ。ノックアウトかサブミッション。どちらかの結果でレフェリーはサークルケージで私の手を挙げると思います」