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レポート

【RISE GIRLS POWER】“荒ぶるJK”宮崎小雪が有言実行のトーナメント制覇、王者・紅絹がタイトルマッチ挑戦者に指名

2021/01/17 23:01
「RISE GIRLS POWER.4」2021年1月17日(日)東京・新宿FACE▼メインイベント(第7試合) アトム級(-46kg) NEXT QUEENトーナメント 2021 3分3R延長2R〇宮崎小雪(TRY HARD GYM)判定3‐0 ※30‐29、30‐28×2×小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM)※宮崎がトーナメント優勝。  紅絹が王者に君臨するアトム級の4名の若手選手によるワンデートーナメント。準決勝の組み合わせは前日計量時に抽選で実施され、宮﨑vs佐藤レイナ、小林vs奥脇奈々のカードに。このトーナメント優勝者は後日、紅絹のアトム級王座挑戦権を懸けてトップ選手と争うことになる。決勝戦には、昨年10月に対戦している宮崎と小林が進出した。  宮崎は“宮崎姉妹”の妹で、小学3年生から空手を学び、2019年8月のKAMINARIMON全日本女子トーナメントで優勝。アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。そのデビュー戦は松谷綺とドローだったが、9月の『KNOCK OUT』ではKARENにプロ初勝利。続いて10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」のリザーブマッチに、MISAKIの欠場を受けて試合5日前のスクランブル発進にも関わらず、小林愛理奈を破って連勝を飾った。その試合で新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受けたが、11月のNJKFミネルヴァ日本ピン級王者Ayaka戦では判定2-0で惜敗。プロ初黒星を喫し、戦績を2勝1敗1分とした17歳。  小林はRISEで活躍する原口健飛が主宰するFASCINATE FIGHT TEAM所属のファイター。小学3年生から始めた空手での経験が豊富で、これまで数々の大会で優勝経験があり、今年2月の『RISE GIRLS POWER』で満を持してのプロ転向。松谷綺を相手に前へ出続け、右ストレートと右ローでアグレッシブな試合を展開してドローとなった。8月には佐藤レイナに判定3-0でプロ初勝利を飾ったが、10月に宮崎に敗れている。戦績は1勝1敗1分の20歳。  3カ月ぶりの再戦で宮崎が返り討ちか、小林がリベンジなるか。  1R、右ローをこつこつ当てていく宮崎は、小林が前に出ると右ジャブ、右アッパーを合わせていきやや有利。小林も前に出てパンチを振るい、蹴りにつなげていく。  2Rも速い右ジャブを突く宮崎は左ストレートをクリーンヒットさせ、小林の顎が大きく跳ね上がる。宮崎は速い出入りで次々と攻撃を当て、小林との打ち合いでも有効打を当てて主導権を握る。  劣勢の小林は3R、巻き返しを狙って前に出るが、宮崎は前蹴りで突き放しては右ジャブ、左ストレレートを当て一歩も下がらない。小林は最後まで打ち合いにいき左フックを当てるものの決定打にはならず。宮崎が判定3‐0で勝利した。  泣きながらマイクを握った宮崎は「試合前に色々と挑発したり煽ったりしてすみませんでした。試合前は凄く不安で眠れない日もあったのですが、今日セコンドに付いた松倉(信太郎)さん、龍聖さん、平岡(琴)さん、ノップさんと色んな人が支えてくれて優勝することができました。これから女子格闘技を盛り上げられるように頑張るので、宮崎姉妹の応援、よろしくお願いします。家に帰ったら手洗い、うがい、消毒を忘れないで下さい」とコメント。  そして最前列で観戦していた紅絹の姿を見つけた宮崎は「勝つ自信しかないので牛狩りを待ってて下さい」と紅絹を挑発。すると紅絹がリングインし、「試合を見ていると私よりスピードあるし、私より上手なのでもうタイトルマッチでいいんじゃないですか? このままだと私が負けそうだからやりたい」とタイトル防衛戦の相手して宮崎を指名。これを受けて宮崎は「平岡先輩が負けているので私が借りを返します。10代をなめないで下さい」と言えば、紅絹も「30代なめんなよ」と反撃。「タイトルマッチ決定でいいですか」と紅絹が問うと、神村エリカプロデューサーは両手で大きく〇印のサイン。正式発表が待たれる。 [nextpage] ▼セミファイナル(第6試合) アトム級(-46kg) 3分3R〇祥子JSK(治政館)判定3‐0 ※30‐28×2、30‐27×上真(=じょうま/ROAD MMA GYM)※上仮屋真莉からリングネーム変更  RISEに2度目の参戦となる祥子JSKは、様々なリングで積極的に試合を行っているキックボクサー。二児の母でキックボクシングジム代表の顔も持つ。2018年9月の初参戦では平岡琴のバックスピンキックでKO負けを喫しており、今回RISE初勝利を狙う。  対する上真は祥子と同じく二児の母で 2019年7月にプロデビュー。今回から心機一転、上仮屋真莉からリングネームを変更し、2021年初戦に挑む。9月の新宿FACE大会ではねこ太を下しており、RISE二連勝を目指す。  1R、右ローからパンチにつないで前進する上真に対し、最初は動きの硬かった祥子だが右ミドルからパンチにつないで前へ。ルールで認められている組んでからの一発のヒザ蹴りが有効に決まる。2R、前蹴りから右ストレート。さらに組んでのヒザで上真にダメージを与える祥子が一気にパンチで畳みにかかって優勢に。3Rも祥子が掴んでのヒザ蹴り、右ミドル、パンチで前に出て完全に手数で上回る。祥子が判定勝ちしようやく連敗から脱出した。 ▼第5試合 ミニフライ級(-49kg) 3分3R×坂本 優(真樹ジムオキナワ)KO 1R 2分48秒〇宮﨑若菜(TRY HARD GYM)  坂本は沖縄の真樹ジムオキナワからRISE初参戦。これまで後藤まきやMARIなどと対戦経験を持ち3勝6敗5分の戦績。宮崎は今大会アトム級トーナメントに出場する宮崎小雪の姉で、アマチュアでは2019年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝の実績を持ち、プロでは3勝1敗の戦績を持つ20歳。1月に成人式を終え、この試合に向けて気合い十分だという。小雪と一緒にGIRLS POWERでトップ戦線を狙う。  1R、右ミドル主体の攻めを見せる坂本に対し、宮﨑は距離を詰めてパンチから蹴りを散らして接近戦を仕掛ける。そのままコーナーに詰めて右ハイをクリーンヒットさせた宮崎は、さらに左ハイを当てダウンを奪う。そしてパンチ連打で追加のダウンを奪ってKO勝ち。マイクを握った宮﨑はミニフライ級トーナメント開催をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 -53kg契約 3分3R〇山本知美(FAITH)判定3‐0 ※30-27×2、30-26×上野hippo宜子(ナックルズGYM)  アマチュアではKAMINARIMON全日本女子-57kg級準優勝の実績を持ち、9月のGIRLS POWERでプロデビュー戦勝利をTKOで飾った山本が2戦目を迎える。対戦相手に決定した上野はRISE初参戦。元ミネルヴァ・ピン級王者のMARIと同門で6戦して未だ勝ち星なし。プロ初勝利を目指す。  1R、ガンガン前に出る上野に山本は右ストレートを当て右ハイ。さらにパンチ連打だけでなく、右ローを効かせていく。2R、被弾しながらも前に出る上野に、山本は右ストレートを当てダウンを奪う。その後も激しい打ち合いの中で山本は右ロー。3R、両者は鼻血を出す激しい打ち合い、山本のパンチを受けながらも上野は前に出続ける。最後まで手数を出し合う攻防となり、ダウンを奪った山本が判定勝ちした。 ▼第3試合 -45kg契約 3分3R〇坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)判定3‐0 ※30‐29×2、29‐28×島田美咲(SQUARE-UP KICKBOXING道場)※デビュー戦  1R、島田のローを交わしてパンチを当てていく坂田だが、終盤に島田の右ストレートを被弾し押される場面も。2R、右ストレートを食らう坂田だが、一気にパンチ連打、さらに右ハイもヒットさせた。3R、打ち合いを見せる両者。坂田は左フックを当てて下がらせたが、島田もボディブローを返す。しっかりと攻撃を当てた坂田が判定勝ち。 [nextpage] ▼第2試合 アトム級(-46kg) NEXT QUEENトーナメント 2021準決勝(2)3分3R延長1R〇宮﨑小雪(TRY HARD GYM)判定3-0 ※30‐29、30‐28、30‐27×佐藤レイナ(team AKATSUKI/初代TRIBELATEピン級王者)※宮崎が決勝戦へ進出。  佐藤はREBELS王者の良太郎を師に持ち、ジュニア時代から試合経験を積む。2014年の高校進学と同時にプロデビューし、同年10月には『TRIBELATE』の女子ピン級王座決定戦で勝利し、高校1年生でプロ初戴冠。サウスポーでミドルキックを中心に組み立てる20歳。2019年9月には親友でもある寺山日葵と初代RISE QUEENミニフライ級王座決定戦を争うも敗れ、11月に平岡琴、2020年8月は小林に敗れて戦績は8勝12敗1分となった21歳。  1R、右ジャブを突いて左ストレートにつなぐ速い攻撃を見せる宮﨑に、佐藤は右ローを当て距離を取る。  2R、さらに圧力を詰める宮﨑は右ボディ、左ストレート、横蹴りで突き放してパンチ連打をヒットさせるなど手数で佐藤を圧倒。  3Rも前に出続ける宮﨑は右ミドルをヒット。そしてボディ中心にパンチをヒットさせると佐藤は完全に弱気な表情となり押されっ放し。ほぼ攻撃を返せない佐藤に、宮崎が攻め続け大差を付けて判定勝ちした。 ▼第1試合 アトム級(-46kg) NEXT QUEENトーナメント 2021準決勝(1)3分3R延長1R○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝)KO 3R 2分20秒 ※2ノックダウン×奥脇奈々(エイワスポーツジム)※小林が決勝戦へ進出。  奥脇は伊藤と同じくジュニアキック出身で、2017年1月にプロデビュー。アグレッシブな打ち合いを好み、今年6月にはWMC日本女子ピン級王座決定戦に挑んだが、判定で敗れて王座獲得ならず。2019年12月に世界三冠王・伊藤紗弥に挑むも判定で敗れた試合以来となる。GIRLS POWERのアンバサダーを務める神村エリカは「またまた新しいメンバーが46kg王者を狙ってトーナメントに登場している。奥脇選手はBOM(ムエタイ)で活躍しているバチバチ打ち合えるファイター。RISEルールが観てみたかったところでの参戦は激アツです。台風の目となること間違いなし」と期待を寄せている。戦績は4勝9敗の23歳。  1R、奥脇が右ロー、小林は距離を詰めて左右フックを当てるが単発に終わり、お互いに様子見の展開に。  2R、右ストレート、左フック、前蹴りの小林が主導権を握ったかに見えたが、奥脇は右ハイを当て挽回し前に出る。  3R、右ストレートを当てる小林は胴回し回転蹴り。強打を振り回し一気に連打で詰める小林は、奥脇をコーナーに追い込んで左フックでダウンを奪う。再開後、さらに連打を当てた小林がダウンを追加しKO勝ちした。
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