MMA
インタビュー

【RIZIN】弥益ドミネーター聡志、朝倉未来の「集客できるやつが偉い」発言に「リングで勝ったやつが偉い」

2020/12/29 17:12
 2020年12月31日(木)にさいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.26」で、68kg契約・ヒジありルールで、朝倉未来(トライフォース赤坂)と対戦する弥益ドミネーター聡志(team SOS)が29日、リモートによる囲み取材に応じた。  筑波大学で細胞生物学を学び、現在は食品メーカーに勤めながら、プロMMAファターとしても活躍する弥益は、コロナ禍で一時は練習も取り止め、5月のDEEPでの試合も辞退する構えであったことを表明していた。しかし、コロナを巡る状況が変わるなかで、練習を再開。9月のDEEPにも参戦し、今回のRIZIN出場を決めている。  弥益は、今回のコロナ禍のなかでの参戦を「何もしないで家に引き持っている方がもちろんリスクは少ないですし、人と会って濃厚接触と言われても仕方ない練習をすることはコロナの観点から見ると凄くリスクのある行動なのかなと思います」と言いながらも、「日々の生活で人が人らしく生きるためには、娯楽などの文化的な生活をしていく上で欠かせないパーツを捨ててしまっては最低限の暮らしはできない。自分に限った話ですと、格闘技があって初めてまともに暮らしていける」と思いを語った。  カリスマYouTuberとしても活躍する朝倉未来に、試合前動画では、「カリスマは負けが込んでこそ色気が出る。もうちょっと色気を出してあげたい」と不敵な笑みを見せていた弥益。  格闘技興行について未来が、「集客できるやつが一番偉くて、それでいて強ければ文句なし」と語ったことについても、「それぞれの格闘技はあると思いますが、結局リングで勝ったやつが偉い。それが絶対普遍なことで、それが前提だからこそ色んな議論が生まれる。そこを放棄しちゃうとこのスポーツは根底から崩れてしまうと思うし、スポーツと言わずとも、人として男としてということを考えると、やはり喧嘩って負けたくない。そういう根底のところに訴えかけてくるところが格闘技の魅力だと思うので、そこ(勝負)だけは絶対に放棄できない価値観の部分で、自分はそこを強く推したい」と語った。  朝倉未来に対戦相手として「指名」された前DEEP王者の大一番に向けた、直前の思いの全文は以下の通り。 弥益「(勝利の条件は)着々と揃っている」 ――今日は会社を代休を取ってインタビューに応じられていると思いますが、減量はいかがですか。 「いつもより体重がちょっと重いので凄く楽はさせてもらっています」 ――公開練習などをやられて周りの反響はいかがですか。 「身近の格闘技を見ていない層の人からは『あれ、何?』と言われたのですが、関係者からは凄く好評をいただいてます」 ――弥益選手への期待感が高まっているのを感じますが、これは思うような展開でしょうか。 「自分にとって試合に向けての日々というのは、自分の存在というのを朝倉未来の対戦相手という存在から弥益という選手個人に皆さんの目を向けさせる過程だと思うので、そういう意味では色々とやらせていただいて、チャンスをいただけている状態だと思います」 ――昨夜ライブ配信されたRIZIN FF公式Youtubeチャンネルでの番組内で榊原CEOは「朝倉選手は弥益選手を指名した」と言われていたのですが、指名されたことをどう思いますか? 「どっちかと言うと自分は元々そういう認識でした。向こうがOKという形でオファーをいただいていましたので、最初から向こうは弥益を食いに来ている、弥益ならイケるという認識でこの試合を受けているという認識を持った状態でこの試合に臨んでいるので、そこに関しては今更という感じはします」 ――「食いに来ている」とわかった上で、逆にどうしてやろうと思いますか? 「自分の試合を観たり、過去に練習した記憶に基づいてイケると判断したと思うのですが、試合の時の自分というのは自分と試合をしてみないと絶対に分からないと思うんです。多分、試合映像を見ても自分の強さなんて絶対に分からないですし、逆にそれが自分の良いところだと思うので逆にこれはチャンスだなという考えです」 ――動画では「朝倉選手は喧嘩はそんなに強くない」と言われていましたが、なぜそう思われたのでしょう。 「喧嘩好きな選手、喧嘩出身の選手という割には意外とみんなが思っているほど強さは持っていないのかなという認識です」 ――「喧嘩しようぜ」と言われていたのは弥益選手です。弥益選手が考える、この試合での喧嘩とはどういうものを考えていますか。 「近距離で殴ったり蹴ったりして、いかに相手のパンチをもらわずに当てるか。もしくはもらいながらも当てるか、の部分になるのかなと思います」 ――今回は「サッカーしようぜ」とは言わないのですか? 「今回サッカーできるんでしょうか(笑)。もちろん相手の頭が地面に近づいたら、蹴るように身体にインプットされていますので蹴っておきます」 ――朝倉選手に対して、ご自身は何を背負って試合に臨みますか? 「自分個人の意見としては、自分は何も背負ってはいないです。誰かのために戦うとか、全国の会社員を勇気付けるといった大それたことは何も考えてないですし、ただ自分は負けたくはないので勝ちにいきますし、楽しいから試合をするだけなんです。ただ、そんな自分を見て、乗っかってくれたり、何か想いを乗せてくれる方はいますし、皆さん個人の責任で楽しもうという感じですね」 ――みんなに見てほしいというよりも、自分の試合を後で観たい、自分の戦いを誇りに思いたいということですか? 「自分は自分のやりたいことをやっていくだけだと思っているので、それを見て面白いと思ってくれた人が自分のことを見たい、もう一回見たいと思ってくれる結果が、自分にとってWINWINの状態だと思うので、そこを目指したいと思っています」 ――試合後は何を手にして何を失うと思いますか? 「結果次第だと思うのですが、普通の仕事をしている時の自分と格闘技をやっている時の自分の2人いるイメージを持っていて、片方の自分の勝敗は、もう片方の自分には何の影響もないですし、何も失う物はなく何も得られるものはない。そんな関係で二人の自分は存在していると思います。ただ、今回についてはRIZINという大きな舞台で一般の方にも届くという舞台に出させていただいたことによって自分の中の二人の自分がちょっとずつ、それぞれの結果がお互いに影響を及ぼすようなステージになってきている認識はあります。質問の答えになっていないかもしれませんが、そういう認識で試合に臨んでいます」 ――負けたら仕事にも影響を与えてしまうかもしれませんか? 「それは口が割けてもいえないですね(笑)」 ――前回の公開練習の時に番狂わせを起こす条件は「全体的な空気感、本人の空気感もそうですし、見ている人の空気感、大会当日の流れももしかしたら関わってくるかもしれないです」と言われてましたが、大会2日前でその空気感はどうなってますか? 「逆にどうですか?(笑)」 ――昨日の番組では「弥益選手が何かを起こすんじゃないか」という声が出ていました。 「自分の見えている範囲なんてかなり限られていますが、だいぶそういう空気は醸成できてきたんじゃないかなと思います」 ――番狂わせの条件は揃いつつあると? 「そうですね。着々と揃っていると思います」 ――リングネームのドミネーター(支配者)はどういうきっかけで付けたんでしょうか? 「ある日、自分の試合がDEEPで発表されて見たらドミネーターが付いていたんです(笑)。マネージャーの方が内緒で付けていたんです。最初のうちは恥ずかしいから止めてくれと思っていたのですが、弥益のことは知らなくてもドミネーターと言われたらわかるという人が増えたのでもう今更引っ込みが付きません(笑)。さすがに愛着が沸いてきました」 ――今度の試合で名前にふさわしい内容になりそうですか? 「試合前、試合後も含めて全てを支配したいと思っています」 ――細胞生物学を大学で学ばれて、このコロナ禍のなか、大晦日出場を決めて調整している中で、格闘技に対して感じていることはありますか? 「生物学を学んでいたとはいえ、ウイルスに関して詳しいわけではないのが正直なところではありますが、何もしないで家に引き持っている方がもちろんリスクは少ないですし、人と会って濃厚接触と言われても仕方ない練習をすることはコロナの観点から見ると凄くリスクのある行動なのかなと思います。  ただ、実際のコロナの脅威の部分は完全に分かっていないながらも徐々に姿は見えつつあるのかなという段階で、日々の生活で人が人らしく生きるためには娯楽などの文化的な生活をしていく上で欠かせないパーツを捨ててしまっては最低限の暮らしはできないと、個人的には思っていて、自分に限った話ですと、格闘技がないとやっていけません。格闘技があって初めてまともに暮らしていける人間だと自分では思うので、これなしでは生きていけないなと。勝手と思われても仕方のない行動をとらせてもらっている状況です」 ――朝倉選手は「大会で集客できるやつが一番偉い。それでいて強ければ文句はない」と言っていますが、弥益選手にとっての格闘技の価値観ではいかがですか。 「そういう格闘技もあるんじゃないかなと思います。彼の格闘技はそうなんでしょうね。それぞれ格闘技はあると思いますし、結局リングで勝ったやつがやはり偉いんですよ。それが絶対普遍なことですし、それが前提だからこそ色んな議論が生まれると思います。そこを放棄しちゃうとこのスポーツは根底から崩れてしまうと思いますし、スポーツと言わずとも、人として男としてということを考えると、やはり喧嘩って負けたくないじゃないですか。そういう根底のところに訴えかけてくるところが格闘技の魅力だと思うので、そこだけは絶対に放棄できない価値観の部分だと思うので、自分はそこを強く推したいですね」
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