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2020年12月31日(木)さいたまスーパーアリーナにて開催される『Yogibo presents RIZIN.26』で、萩原京平(SMOKER GYM)を相手に、MMAデビュー戦(68kg契約・5分3R・ヒジ打ち有り)に臨む、元K-1ファイターの平本蓮(THE PAN DEMONIUM)が16日、都内で公開練習およびリモート囲み取材に臨んだ。
公開練習ではパートナーを相手に、素手で組みの動きも混ぜた“さばき”のようなマススパーリングを披露。「相手の誤差の一瞬を突いて仕留めるのが僕の能力。『キックボクサーの総合の試合』じゃなくて『平本蓮の試合』を見せる」と、MMAデビュー戦に自信を見せた。
また、対戦相手の萩原の印象については「弱ぇんじゃないかな」、打撃面でも「素人」とバッサリ。
さらに、朝倉未来が今回の試合を「2R、マウントでレフェリーストップ。萩原選手の勝ち」と予想したことについても、「格闘家が副業になって、ほんとYouTuberだから……いいかなって。いま一番、魅力があるのは斎藤(裕)チャンピオン。RIZINのベルトを持っているから」と、斬り捨てた。
スピードと距離感とテンポの速さはレベルが違ぇぞ
──試合まで2週間とちょっと。現在の心境をお聞かせください。
「いいです。言い訳できないくらい完璧な仕上がりになっています」
──注目してほしいところは?
「キックだからとか、MMAだからとか、そういう固定概念を考えているやつらは違うんですよね。“平本蓮”を見せる試合になります」
──前回の試合から1年、その前にも試合間隔が空いていました。試合勘で不安はありませんか。
「そう感じるのは弱いヤツだけですよ。強いヤツは明日、試合をしろって言っても強い。試合間隔の部分でゴタゴタ言い訳することはないですね」
──序盤から倒しに行くイメージでしょうか。
「倒しに行くとか、そんなの当たり前で、倒しに行くというより、ほんとうに自分の世界を見せる。そこッスね」
──ほかにマスコミから質問はありますか?
──『ゴング格闘技』です。今日のマススパーは素手でさばきのような、タッチレスリングのような形でした。意図は?
「空間把握能力というか、キックの時よりも総合(格闘技)に来てから、やりたいことがたくさん出来るようになって、キックのときには出来なかった、本来もうちょいこう戦いたかったという練習が総合格闘技なら出来るので、空間把握能力──相手を意識するよりも、自分がどう動くかじゃなくて、相手をどう動かすかという意識でやっています」
──「相手を動かす」ためには、自身に武器が無いと難しい。MMAのなかでそれが掴めているのでしょうか。
「もとある能力ですね。総合に転向して練習して、そういう部分は速攻で武器になったし、総合の選手と違って、僕ら(立ち技競技者)は距離感が抜群の武器だと思うので、スピードと距離感とテンポの速さはレベルが違ぇぞ、というのは見せられると思います」
──マスであっても少し構えに変化があるように思います。ご自身ではどう違いを感じていますか。
「スタンスを変えたからと言って、調子がおかしくなるとかじゃなくて、僕は完璧を求めて、自分を突き詰めて格闘技をやっているので、何ですかね……成長途中なんですよね。まだまだ上がっていける、まだまだこうしていけるというのがたくさんあるから、その中でもかなりいい仕上がりが出来ている。総合格闘技だから見るとかじゃなくて、平本蓮の試合を見せたい、見せるスね」
──GENスポーツパレスでの練習などはSNSで拝見していますが、レスリングなど出稽古も行っているのでしょうか。
「レスリングは壁際とか、普通の立ちレスリングも徹底的にやって、体重にこだわらずに組んで、そこから寝技の攻防になったときも、CARPE DIEMに行って寝技をやっている感じなので、自分でも楽しみなんですよね。三田で竹浦正起さん(QUINTETで伊藤盛一郎、中村大介とドロー。2018年JBJJF全日本ブラジリアン選手権紫帯ライト級2位)から習っています」
──対戦相手も決定しました。萩原京平選手の率直な印象を教えてください。
「……分かんないス」
──それは、掴みどころが無いということでしょうか。
「弱ぇんじゃないかなっていう」
──萩原選手は「平本君、今回がMMAのデビュー戦みたいなのでMMAの厳しさを教えてあげようと思うので、マウントとってヒジでボッコボコにしてやろうと思っています」と言っていましたが、テイクダウンされない自信もありますか。
「ていうか、その時点で萩原京平、終わってんなって。俺があいつの立場なら『打撃でボコボコにしてやるよ』とか煽るんですけど、この間まで地下格闘技に出ていたヤツが、総合格闘家とか粋がってるんで、処刑しますよ」
──これまで萩原選手はテイクダウンデフェンスを見せていますが、自らテイクダウンに行く姿はほとんど見せていません。
「そういう誤差は絶対出ると思います。不得意なことをやるのは人間、良くない。そういう誤差はほんとうに──僕は針の糸を通すような、そういう誤差を(突いて)仕留める能力というのは、自分でも一番の武器だと思うので、俺の武器はパンチが強いとか蹴りが強いとかじゃなくて、その一瞬を突ける能力なんで、そこを見てもらいたい。だからほんとうに“平本蓮”の試合なんですよ。“キックボクサーの総合の試合”じゃなくて」
──萩原選手の打撃の部分ではどう見ていますか。
「素人……素人じゃないですか? パンチ力も無いし、だいぶ打たれ弱くなっているし、白川陸斗戦とかも冷静に見て、倒す能力が無いのかなと。フィニッシュ……素人ですよね」
──同じ大会に出場する朝倉未来(vs.弥益ドミネーター聡志)選手は、平本選手の試合の予想を、「俺の予想は萩原選手の勝利。判定まで行くようだったら平本蓮は凄いなって思う。2R、マウントのレフェリーストップ。萩原選手の勝ち。MMAの打撃においてそんなに差はないと思う」と予想しています。
「たぶんあいつは格闘家が副業になって、ほんとYouTuberだから……いいかなって。“副業格闘家・朝倉未来”(笑)」
──では、いまはもう朝倉未来選手との試合に固執していないのでしょうか。
「いま一番、魅力があるのは斎藤(裕)チャンピオンですよね。それはRIZINのフェザーのベルトを持っているから。そのベルトに魅力があるっていう」
──なるほど。昨年キックルールで対戦した芦田崇宏選手が前回、萩原選手に一本勝ちしています。今回の結果いかんによっては、MMAでの再戦に名乗りを挙げてくる可能性もあります。どのように考えていますか。
「芦田は何も考えていないですね。別に逃げてるとかも無いし、“キックルールで合わせてもらったんだから、MMAでもやるのが筋”とか言ってくるですけど、アイツがRIZINに出たいから俺とキックルールでやりたいって言ったわけじゃないですか。俺からお願いしたわけじゃない。勘違いすんなよって」
──MMA転向時からの練習仲間である長谷川賢選手からは、今回の試合に向けてどのようなアドバイスを受けていますか。
「『余裕だね』って」
──なるほど。大晦日の試合を経て、2021年にどんなプランを描いていますか。
「俺がRIZINを作る、それだけです」
──1年間待たせたファンの熱も感じますか。
「お待たせというか、ほんとうに楽しみにしててよと。試合で言い訳することもないし、絶対に負けることもないです」
──『ゴング格闘技』からは以上です。
──(オフィシャルから)ファンにメッセージを。
「一緒に戦おうぜ。ほんとうに。『応援してください』っていう他人事じゃない。一緒に“俺達”で勝ちに行くんだって。だから、大きな声で声援をしてくれよっていう感じです。会場も味方につけて、俺がRIZINの会場の雰囲気を作る。当日、たぶん“俺のホーム”なんで」