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2020年12月31日(木)、さいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.26」にて、山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)と「女子スーパーアトム級(-49.0kg)王者決定戦」5分3R(ヒジ打ちなし)でベルトを争う浜崎朱加(AACC)が14日、練習を公開。その後、囲みリモート取材に応じた。
浜崎は2019年12月31日の「RIZIN.20」でハム・ソヒ(韓国)に判定2-1で敗れ、同級王座陥落。コロナ禍のなか、2020年8月の「RIZIN.22」で前澤智に一本勝ちするなど、王座奪還を目指していたが、ハムの王座返上により、今回の王者決定戦に臨む。
10月にハムのベルト返上が発表され、SNSで「チクショー」と悔しさを表していた浜崎。「誰とやりたいとかって今までなかったけど、やっぱ負けて終わるのは嫌なもんだね」とツイートをしていた。
本誌の取材にも「それは悔しいですよ。やっぱり試合出来ると思っていたし、私のミスで負けた部分もあって次やったら勝てると思ってやっていたので……『悔しい』しかないですけど、しょうがない。選手が決めたことなので。私は私で出来ることをやるしかない」と語り、「最大のモチベーションだったのでは?」と問われると、「いや、ほんとうに。久しぶりに燃えた。やりたい選手と出来る機会が楽しみではあったんで残念でしたけど……仕方ない」と前を向いていた。
そして「強いやつとやりたいというのは変わらないし、今まで強いやつとばかりやってきたという自負もあります。自分で選択したことだから後悔はしたくないけど(コロナ禍で対戦相手がどうなるのか)不安はあります」と、今後の試合について、不安があることも吐露していた。
そんな矢先での山本美憂との対戦決定。2018年から5勝1敗で、ここ2年で唯一の敗戦が浜崎同様にハム・ソヒとなる強豪との対戦に気持ちを高ぶらせたが、かつてカナダ代表としてリオ五輪を目指していた山本がカナダ国籍のため、グアムからの来日が危ぶまれていた。
しかし、今回は夫であり同じ大晦日にクレベル・コイケと対戦するカイル・アグォンとともに山本の来日が決定。
浜崎は「美憂選手は本当に昔から大好きな選手で、大晦日にベルトをかけて戦えるのは本当に嬉しく思っています。大晦日、最高の舞台で、最高の相手と、最高の作品を作れる様に頑張りますので、皆さん楽しみにしていて下さい」と意気込みを表していた。
この日、2分1Rのボクシングのミット打ちを公開した浜崎は、サウスポー構えからシャープなワンツーフックを披露。
山本とかつてAACCで練習した印象を「ひと階級ふた階級上くらいの力の強さを感じました。私もタックルで寝かせられたらちょっと怖い。正直、私が一番苦手なタイプ」としながらも、「極めの強さと経験では優っていると思う。しっかり一本で勝ちたい」と、打撃も含めたフィニッシュを「一本」という言い方で表した。
公開練習後の本誌と浜崎の一問一答は以下の通り。
ハム・ソヒ戦は美憂さんがタックルで寝かしきれなかったイメージが強く残っている
──まずは現在の心境をお聞かせください。
「試合まで3週間を切って、調子もよくワクワクしています。早く試合をしたいです。2年前の大晦日にベルトを取って(「RIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦」で浅倉カンナに腕十字で一本勝ち)、去年ベルトを取られて(ハム・ソヒにスプリット判定負け)、そして今年またタイトルマッチに挑戦させてもらえる。ベルトへの想い、というよりやっぱり山本(美憂)選手に勝ってみんなで喜びたいなという気持ちが強いです」
──コロナ禍で大変だったことは?
「AACCはゴールドジムで練習をしているのですが、ジム自体が空いてなくて、数カ月、練習出来ないときがあって、復帰明けはスタミナとか大変でしたけど、そこはすぐにリカバリーできたかなと思っていて問題はありません。あと3週間弱で、阿部(裕幸AACC主宰)さんとしっかり動画を見て、対策を練れればと思います」
──『ゴング格闘技』です。いくつかお聞かせください。山本美憂選手の動画を見返しましたか。
「正直、試合が決まってからはまだ動画を1回も見ていなくて。対策というよりは何となくの戦術を、いままでの戦い方は頭に入っていて、戦略を頭で立てるタイプじゃないので、自分の得意な形でやりたいことをやるという。それが出来れば勝機に繋がるかなと思っています。1回くらいは(動画を)見ると思います」
──山本美憂vs.ハム・ソヒ戦を会場などで見た印象は?
「美憂さんがタックルで寝かしきれなかったイメージが強く残っていて、そこはハム・ソヒ選手の身体の強さとか、対策の仕方でそうなったのかなと思いますが、私もタックルで寝かせられたらちょっと怖いなという部分はあるので、そこは警戒していきたいなと思っています」
──たしかに終盤、ハムは山本選手のタックルを切っていました。そして浜崎選手と同じサウスポー構えでの戦いは参考になりますか。
「はい。そうですね」
──浜崎選手自身で山本選手に優ってると感じる点はどんなところでしょうか。
「極めの強さと……経験ですかね。というほど試合数はこなしていないですけど。優っているところはその2つですかね。見ている方も私が極めるところを見たいと思うので、しっかり一本で勝ちたいなと思います」
──AACCで一緒に練習したときの印象は?
「いやあ、やっぱり力が強いなと思いました。同じ階級ではあまり感じない力強さ。ひと階級ふた階級上くらいの力の強さを感じましたね。そのときからフィジカルも強いし、寝技に対する危機管理能力とかがすごく優れている選手だと思っていたのと、それからもどんどん試合の中で成長していっている選手だと思っています」
──そのときの手応えではやれると?
「正直、私が一番苦手なタイプでもあって。相性的にはあまり良くないのかなと思うんですけど、やっぱり経験値でそこを埋めて極め切れればと思います」
──さきほど「みんなで喜びたい」という「みんな」とは?
「チームであったり、一番は会場や画面で応援してくださる皆さんですね。前回、負けて結構悲しんでくれた方が多くて、次は一緒に喜びたいなと」
──『ゴング格闘技』からは以上です。ありがとうございました。
──最後にファンにメッセージを。
「いまコロナで会場に来れない方もいらっしゃるかと思いますけど、少しでも皆さんを元気に出来る試合ができればと思っています。応援よろしくお願いします」
【写真】太田忍とともに公開練習に臨んだ浜崎。太田のインタビューはこちら