2020年11月27日(金)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.119』の一夜明け会見が、28日(土)都内にて行われた。
会見には第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦を制して優勝し、第3代Krush女子アトム級王座に就いた菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が出席。前夜の試合を振り返った。
「とりあえず勝てて、試合が終わってホッとしています」という菅原は「自分が想像していた試合展開ではなかったんです。前蹴りの対策をしてくるということだったのでもっと強引に来たりサイドに回られるかと思っていたんですが、思った展開と違ってやりやすかったですね。バッティングがまたあってしまってそれは申し訳なかったです。それで顔を上げて打ったら『この距離ならパンチが当たるんだ』って分かったので成長できた試合になりました」と、バッティングを避けるために頭を上げて打ってもパンチが届くことが分かったのが収穫だったという。
まだまだノビシロがありそうですねと言われると「ノビシロしかないと思っています。もっともっと強くなれると思っているし、ちゃんと練習できるようになって1年も経っていないので、もっと強くなれると思うし、練習できて毎試合成長できていて、教えてもらうのも楽しくて嬉しくてもっともっと強くなろうと思います」と希望に満ちた表情。
試合前には体重がアンダーすぎることが話題となったが、「(増量は)常に考えております。暇があれば食べようと思っていて。今回もパワー負けした感じはなかったですけれど、倒せるようになりたいので。それが一つの目標になるのでそこの面でパワーをつけたいですね。身体ももっとゴツくしたいですね。もうちょっとカッコいい身体になりたいです(笑)」と、筋肉を付けてパワーアップしたいとする。
優勝できた要因を聞かれると「まだ実感がなくて。試合前からタイトルマッチだということは意識していなくて、とにかく必死で負けるのが嫌で余裕もなくて、SNSが更新できないくらい切羽詰まっていて。ひたすら自分に言い聞かせました。自分との精神的な戦いに勝てた、持ち堪えられたのが勝因だと思っています」と、試合前は精神的にかなり追い詰められていたと告白。
どんな朝を迎えたかとの質問には「昨日は寝れました。ホッとしましたね、本当に。試合前は、本当に食べても気持ち悪くなってしまってしんどかったです。今日の朝を迎えて幸せだなって思いました。朝7時まで起きてて8時くらいに眠くなって少し寝ました(会見は正午から)。(起きた時にベルトを見て)持って帰ってこれたんだなって思いました。でもまだ実感はないですね」と、プレッシャーから解放されて清々しい表情を浮かべる。
その試合前のプレッシャーについて聞かれると笑顔が消え、菅原は一気にしゃべり始めた。
「MOEちゃんが『いい環境に恵まれている選手に負けたくない』と言っていたんですけれど、確かに恵まれていると思います。でもひとつ言いたいのは、まだシルバーウルフに入って2年くらいで私は自分で環境を変えてきたので、そこは言い訳にしてほしくない。自分は学生の頃からMOEちゃんと同じ過程を踏んできたと思うので。シルバーウルフに通い始めた頃は高校生で、親の力を借りず、定期代が2万円くらいかかるので、学校終わって練習してバイトしてジム代と定期代を稼いできました。そういう部分では負けたくなかった。そういう浅はかな感じには見られたくなかったです」
珍しく強い言葉ですねと言われると、「いつもヘラヘラしているので、弱そうだし、そういう面で見られること少ないけれど、王者になったのでちょっとは強気で行かないといけないと思って。えへへ(笑)。このことは今まで喋ったことないですね」と笑顔に戻って話した。
リング上では同門の先輩であるKANAと、練習仲間である城戸康裕からの祝福を受けていたが、「とりあえずよかったと言ってもらえました。近くで支えてもらっていたので。KANAさんは(11月の)試合前から怪我もあって、その中で私のサポートもしてもらっていました。城戸さんはお父さんみたいで、メンタル面とか心配してくれて会うたびに二者面談みたいに話をしてくれました。左右田(泰臣)さんと3人でみんなで戦った気分です。試合前に城戸さんから、セコンドに耳を傾けて一緒に戦ってるつもりで戦え、と言われて気持ちが軽くなったというか、嬉しいですね」と、ジムの仲間からのサポートが嬉しかったとする。
(写真)同日にKrushフェザー級王者となった新美貴士と 初防衛戦に関しては「全然考えていませんが、強い人がいっぱいいるので。私は先を考えるとダメなので、今回もタイトルマッチだけれど、試合だってことでいっぱいいっぱいだったので、目の前にあることを一個一個クリアーしていきたいと思います」と堅実にいきたいという。
どんな王者になっていきたいかとの質問には「まだへなちょこ王者なので。今までの方たちは圧倒的に強かったので、自分のスタイルは崩さず倒せる技を身に付けてカッコいい選手になりたいですね。これからもっともっと強くなって一生懸命頑張ります」と抱負を語った。