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2020年11月23日、プロフェッショナル修斗公式戦のメインイベントで、元DEEPバンタム級&フェザー級王者で、修斗に電撃参戦を果たした大塚隆史(T-GRIP TOKYO)が、環太平洋バンタム級王者の安藤達也(フリー)とフェザー級(当日計量)契約で対戦。1R 2分12秒、大塚が右ローキックで安藤を試合続行不可能にし、TKO勝ちを収めた。
レスリングをベースに、2006年のプロデビュー以来、DREAM、RIZIN、WSOF GC等、国内外様々なプロモーションでキャリアを積んできた大塚が新たなる戦場として選んだのが修斗。現在、バンタム級は世界王者・佐藤将光、暫定王者・岡田遼、そして環太平洋王者“怪物”安藤達也、天才・田丸匠らを筆頭に過去にないほどの群雄割拠を極めている。 そこにDEEP生え抜き選手として活躍してきた大塚隆史が参戦を果たした。
入場式で「ご来場ありがとうございます。僕は無観客では試合をやらないんで、来てくれて本当に感謝です。SNSとかで修斗・修斗ってうるさいからぶっ潰してやろうと思っています。以上」と外様として、修斗ケージの中で挨拶していた大塚。
1R、グローブを合わせた両者。オーソドックス構えの大塚。サウスポー構えの安藤には石原夜叉坊からアドバイスが送られる。安藤に左ローを蹴る大塚。さらに大塚は右ロー。右で飛び込み、ニータップへ。そのまま首相撲になるが、安藤は右足を挫いたのかバランスを崩す。
詰める大塚は右インローを当てる。いったん触る大塚だが切る安藤。さらにローを当てて崩れた安藤にがぶりから得意のノーアームギロチンを仕掛ける大塚。さらにバックテイクを狙うが、金網に座り込んだ安藤は右足を指してアピール。そのまま動けず、続行不可能であることを伝え、レファリーが大塚のTKO勝ちを宣言した。
大塚は、ケージの中でマイクを握ると「修斗で戦えたことを嬉しく思います。修斗・修斗うるせーし。安藤選手、ランキング1位で環太平洋王者。環太平洋は興味ないんで、佐藤将光選手と岡田(遼)選手、どっちか出来ますか? 出来ますか? いつでもやれるんで。ベルトは賭けなくてノンタイトルでもいいんで」と、世界王者の佐藤将光、暫定王者の岡田遼の両者に対戦をアピールした。
担架に乗せられて退場した安藤は、試合後「インローでバチンと音がした」と大塚のローキックにより負傷したといい、大塚も「相手は重心を落とした構えをしていたのでカットはしづらい。アウトローとインローを蹴るのが作戦だった。スネの固さには自信があるので骨と骨をぶつけにいきました」と、打撃戦を想定してふくらはぎや足首を狙っていたことを明かした。
また、試合後にチャンピオンとの対戦をアピールしながらも「ベルトは賭けなくてもいいんで」と発言したことについて、「修斗のベルト取りに来た感じじゃないですね。怖かったら賭けなくていいよ」と、自身がベルトを巻くことよりも王者クラスと対戦したいだけだと語っている。
スネの硬さに自信あるんで。骨と骨をぶつけにいった
──短時間決着でした。カーフキックが効いたのでしょうか。
「そうですね。たぶんインローだと思うんですけどね。前足に右のインローを蹴ったらスネとスネが当たって。内腿じゃなくて、スネの硬いところに、普通蹴ったこっちが壊れやすいんですけど、僕はスネの硬さに自信あるんで。骨と骨をぶつけにいった感じ。自分は骨と骨がぶつかったなっていう、パチンって音じゃなくてゴツンみたいな音でぶつかり合って」
──しばらく安藤選手も動けていましたが……。
「そこからまたカーフローとかですかね。どんどん崩れていったのか、靭帯が切れたのか分からないですけど。インローの方が手応えがありましたね。骨と骨が思い切りぶつかって。インローが2発かな、アウトローは2発。作戦で初めから蹴ろうと思ってました。蹴ること自体、苦手じゃないんで」
──首相撲の展開になったときに、相手が崩れていたのは感じましたか。
「そうですね。ちょっと足が痛そうなリアクションは感じましたけど、突っ込んでいってもカウンターを合わせるのが上手い選手なのでそこで焦らず、しっかりじわじわと行こうと思ってました」
──当日計量でのフェザー級というのはいかがでしたか。
「やりやすかったです。結局ちゃんと落とすんですけど、(前日計量だと)1日あるとすごく戻っちゃうんですよ。むくみが出て。(今回は)それが無くてメチャメチャ動けんなって。たぶんバンタム級の前日計量の方が当日は体重が戻りすぎちゃってた。今回はこの体重で当日動けるように作ってきました」
──レスリング対決とも言われていましたが、実際のところは……。
「それは無いです。安藤選手はどちらかというと打撃が得意で上手い。でも重心をかなり落とした構えをしていたので(ローキックの)カットがしづらい。アウトローとインローで足を蹴って行こうというのが作戦でした」
──大塚選手はガードを上げ下げしてリズムを作っているようでした。
「リラックスして身体も軽かったし、こまめに動くようにはしていました。固まらないように。(安藤は)独特の間合いや距離感を持っているので、常に動いて的をずらして行こうというのは頭に入れていました」
──試合後は「ベルトを賭けなくてもいいんで」と話していましたが、ノンタイトルでも構わないと?
「全然、修斗のベルト取りに来た感じじゃないですね、自分。(チャンピオンクラスを?)倒したい。怖かったら賭けなくてもいいよっていう感じです。そのかわりやろうよって」
──戦前から「DEEPの選手なんで」と話していました。
「その気持ちはありますね。僕はDEEPに育ててもらったんで。DEEPで凌ぎを削って上がってきたんで、DEEPの選手という気持ちは滅茶苦茶あります。そんなに口にしないですけど、今でもDEEPの選手と思って戦っています。修斗のベルトを取りにきたわけじゃなくて、ただ新しい相手を求めて来たんで。もちろんその先の上(ONE、RIZIN)を見ていますけど」
──新しい戦場は気合が入りますか。
「楽しいです。気合が入りますね。なんか乗り込んで来た感じがあるし、バンタム級みんな敵だと思うし。闘争心、沸きますよね」