MMA
ニュース

【RIZIN】テコンドー江畑秀範「東京オリンピック団体戦へ向けてしっかり練習したいと思っています」

2020/11/21 21:11
【RIZIN】テコンドー江畑秀範「東京オリンピック団体戦へ向けてしっかり練習したいと思っています」

来年3月の全日本選手権までに、プロの試合があればまた出たいと江畑

 2020年11月21日(土)大阪城ホールにて開催された『Yogibo presents RIZIN.25』の第4試合RIZINキックボクシングルール83.0kg契約3分3Rで、佐野勇海(NJKF拳之会)に判定3-0で敗れた江畑秀範(フリー)が試合後コメントした。

 江畑は198cmの長身を誇り、テコンドーの男子80kg級で2011年から今年まで全日本選手権9連覇中。10月19日に行われた記者会見でRIZIN参戦を表明し、オリンピックのテコンドー日本代表を目指しつつ、プロ格闘家という二足の草鞋を履くことを決意したという。

 その注目されたプロデビュー戦だが、1Rはテコンドーの足技で佐野を寄せ付けなかったものの、2Rから失速。3Rは完全にスタミナ切れで佐野にダウンを奪われ、ほろ苦いプロデビュー戦となった。


<試合後のコメント>

――試合後の率直な感想をお聞かせください。

「今日は本当にありがとうございました。出る前は凄く緊張していたんですが、音楽が流れて入場するシーンは凄い気持ちよかったですし、みんなに注目されて試合が出来るのは本当に幸せな瞬間でした。ただ、言い訳にできない、これは1カ月前に決まったとはいえ、この1カ月間の準備以前の問題の課題が今日は達成できなかったかなと。スタミナの問題という、キックボクシングのルールとか関係なく、選手としての普段の自分の管理が足りなかったと率直に思いました」

――戦いを終えて相手の印象は違いましたか?

「印象は同じだったんですけれど、思った以上の打たれ強さが。打たれ強さが一番の持ち味の選手だなと前の彼の試合を見ていて思ったんですけれど、今日はそれを間近で、想像以上の彼の打たれ強さと気合いを感じました」

――今後の展望は?

「本当は今日しっかりKO勝ちして大晦日とか次の舞台をアピールしたかったんですけれど、そんなことを僕がまだ言えるような立場でもないですし。どっちにしろ僕がやることは、来年の東京オリンピックの団体戦へ向けて、まずスポーツマンとしてのスタミナをしっかり作って練習を欠かさずして、次どんな時に試合が決まっても、今の目標は東京団体戦なんですけれど、東京オリンピック団体戦へ向けてしっかり練習したいと思っています」


――キックボクシングルールで戦ってみてどういう感想を持ちましたか?

「アマチュア競技だと、言い訳に近いんですけれど、相手に顔面クリーンヒットした時とか相手がうっと嫌な顔をした時は審判がカウントを数えだすんですけれど、プロってのは完全に倒れないとカウントしないし、自分の蹴りやパンチが相手に効く分、その分自分にも効くことを体感しました」

――パンチの重さやローキックの痛みを感じましたか?

「ローキックは全く痛くなかったです。パンチも痛くはなかったです。ただ、テコンドーの癖で重心を後ろにしてしまう癖があって、そこでもらった時に重たい感じを受けた印象でした」

――今日のRIZINでの経験が来年のオリンピックに活きてくると感じましたか?

「そうですね。今回1Rは自分の戦いができたと思いますし、2R目からスタミナを削られて自分のペースにならなかったことが一番の課題だと思うので、そこは変わらずに、東京オリンピックでは自分の持ち味を常に最後まで出し続けられるような練習を続けられればと思います」

――テコンドーのファンの人も注目してくれたと思うんですが、そのファンへメッセージを。

「テコンドーファンの皆さんからは試合前に思っていた以上のたくさんの方からメッセージをいただきましたし、僕はテコンドー協会から叩かれるといったらおかしいですけれど、凄い言われるのかなって思っていたんですけれど、思った以上にテコンドーの選手もそうですし役員の方や関係者の皆さんに、頑張って、カッコいいよ、最高だよって一声一声を試合前に皆さんにいただいて。それが励みになりましたし、その皆さんに今回勝利を届けられなかったのはすごく悔しいんですけれど、テコンドーの足技が全く効かないとは思わなかったので、そこをもっと届けたかったなって。テコンドー技で勝てなくてすいませんって感じですね」


――スタミナ不足につながる練習状況とはどんな状況だったのですか?

「スタミナ不足というのは単なる言い訳ですけれど、普段、例えば仕事や仕事の合間とか、朝早く起きてとか少しの合間にできたようなことをちょっと怠けていたのかなって感じますね」

――その準備不足で最後に負けてしまったと。

「それが一番大きな原因だと思いますし、2分3Rがテコンドーのルールなので、3分3Rをまともに、練習で軽いスパーリングをしたことはあるんですけれど、本気のスパーリングをしたことがなくて。というのは蹴り技を中心に僕は行こうと思っていたので、本気のスパーリングをしてしまったら相手が怪我をしたり、自分も足を怪我したりして練習に支障が出てしまうので、マスって言うんですかね、軽いスパーリングは何回もしたことがあるんですが、本気の蹴りを繰り出しながらやるようなスパーリングは今までしたことがなくて、なおかつ自分と同じような階級の人としたことがなかったので、それが3分3R試合でやった時は思った以上のスタミナ消費を感じましたね」

――3Rのダウンはパンチが効いたんですか?

「いや、あれはパンチが効いたんじゃなくてスタミナが切れちゃって。相手にもたれかかったところで押された感じで。気持ちがそこで正直、スタミナ切れの部分があったので、休んでもいいやって思ってまた切り替えようといった面でヒザがガクッとおちてしまいましたね」


――ここからオリンピックまではプロ練を休んで、五輪に集中するんですか?

「皆さんにまだ報告していなかったんですが、今回僕RIZINのために全日本テコンドー協会の強化選手を辞退したんですよね。というのは、強化選手というのは国の支援をもらってテコンドーの技を強化して世界で勝つために練習している中で、RIZINのプロはテコンドーの練習と全然関係ない、というのがあって自分自身から辞退しました。それは僕自身がこれに挑戦したかったというのもありますし、来年3月に全日本選手権が行われる予定なんですけれど、全日本選手権で1位をとればもう一度強化選手に戻れるということを協会から言われていたので、今回はテコンドー協会を応援してくれている日本国民の皆さんもそうですし、そういう人たちの前で中途半端なことはできないと思ったのでいったんは強化選手を外してもらって練習させてもらったんですけれど。

 次、プロの試合がいつオファーが来るかも分からないですけれど、年末くらいまではいつでもプロの試合にも出られるように準備はしています。なぜなら全日本選手権は来年3月でそれまでは国内のテコンドー選手権はないので、それまでプロの練習は引き続きやっていきたいと思いますし、そのオファーが全くないのであったらすぐに切り替えて来年3月にしっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにテコンドーの練習をしていくと思います」


――反省をもとにプロでやろうという意欲が強くあるということですね。

「少なくとも今回のRIZINに感謝していることは、僕は負けましたけれど、勝ったらもっと凄くあったかもしれないですけれど、テコンドーというのが凄い広まったと思います。僕は自分自身の名前を売るためもありますけれど、何よりテコンドーが広まって欲しいと思って挑戦したかったので。そのテコンドーが広まって東京オリンピックでもテコンドーが注目されるようになれば、もっともっと火がついて選手人口も多くなると思うし、日本のテコンドーが強くなると思うので、そういった部分も含めて自分は二足の草鞋を完全に道が途絶えない限りは続けていこうかなと思っています」

――あなたが告発した事件でテコンドーの名前は違う意味で広がったと思いますが、自分が中心になってあえてやったプレッシャーというのはありましたか?

「そうですね。去年ですか、告発事件から約1年ですけれど、僕の考えではいいニュースも悪いニュースもどんどん流れていけばいいと思っています。それが反省する部分だし、もっともっと盛り上がる部分だし、どんどん出していけばいいと思っている立場で。去年は自分の名前と顔だけが表に立ってしんどい部分があったんですけれど、今回もどっちかと言うと一人で戦う気持ちになっていました。ただ思った以上に日本代表の後輩たちや選手たち、コーチたちから応援の言葉があったので俺は一人じゃないなって気持ちは凄くありました」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント